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オートメーション① オートメーションの概要

なぜオートメーションが必要なのか?

ミキシング作業で、音量調整、パンニング、各種エフェクト処理を終えてもピンとこないことがないだろうか?オートメーションはそんな状況で特に役に立つ、各種のパラメーターを「自動的に変化させる」手法だ。

オートメーションでコントロールできるパラメーターは様々だが、代表的なものはゲイン(音量)とエフェクト。

オートメーションの由来

テープレコーダーにレコーディングしていたアナログ時代、エンジニアはフェーダーを自力で動かしてミックスを再生しなければならなかった。そこでコンソールの開発者が、自動的に変更を行うようにプログラムできる電動フェーダーを開発したのがオートメーションの始まりとされている。

コンプレッションの補完としてのオートメーション 

ピンポイントのピークを抑えるため全体にコンプレッサーをかけるより、ピークの瞬間だけフェーダーをダッキングしたほうがより音楽的である。そのためプロの現場ではオートメーションが多用されるというわけだ。

DAW上でのオートメーションの表示

DAW上に表示されている各トラックには、複数のオートメーションが設定できるようになっている。通常は表示されていないので、呼び出すことで使用可能になる仕様だ。最初から表示されていないのが初心者にはとっつきずらいポイントにもなっているかもしれない。

オートメーションの書き方

アナログ時代におこなわれていたオートメーションの手法を踏襲するのが、オートメーションを書く近道だ。ここでTips。DAWにはマウスで書き込めるが、フィジカルコントローラーを使用した方が滑らかにかけるということ。実機をいじるように直感的かつスムーズなオートメーションを書きたい場合は、フィジコンの導入を検討してみてもいいのではないだろうか。

①オートメーションモードでリアルタイムに書く

DAWでオートメーションを書く方法はいくつかあるが、Logicを例にとるとオートメーションには以下の4つのモードが存在する。

Read:オートメーションの再生のみ
Touch:触れたパラメーターのオートメーションを「触れている間だけ」記録
Latch:触れたパラメーターのオートメーションを「触れている間と離した後まで」記録
Write:パラメーターに「触れているかどうかに関わらず」現状の値をすべて上書き記録

読み取りモードは「Read」、書き込みモードは「Touch」、「Latch、「Write」の3種類。3つの書き込みモードの違いは、触れたパラメーターを離した後も値を上書きし続けるかどうかだ。

Touch:上書きしない
LatchとWrite:上書きする

では「Latch」と「Write」の違いはどうか?

Latch:パラメーターに触れたときのみ値を更新し続ける
Write:パラメーターに触れていないくても現状の設定値で更新し続ける

以上の通り、3つの書き込みモードは状況に応じて使い分けるのが良いだろう。

②「ポインタツール」でポイントを設定し、静的に書き込む

わざわざ再生せずとも、オートメーションの画面でオートメーションポイント(ブレークポイント)を作成すれば、挙動を自由自在にコントロールできる。直感的なライブ感はないが、細かく調整したいならこちらの方が良いかもしれない。

③「鉛筆ツール」で自由に描く

こちらはポインタツールよりもさらに簡単な書き方だ。鉛筆ツールを選んでそのまま自由にオートメーションを描いていける。群を抜いた手軽さなので、ざっくりと入力して効果を確認したい場合などにオススメ。

<Ableton Liveユーザー向けTips>
Ableton Liveでは「鉛筆ツール」は「フリーハンドツール」という名称のようだ。Liveでは他にも「ラインツール(クリック&ドラッグによって線形を変更)」、「四角形と三角形のオプション(繰り返しパターンを素早く入力)」、「ランダムツール(ランダムにオートメーションを作成)」という3つの入力モードがあり、Logicなどよりも便利に使えるかもしれない。

オートメーションで対象となる主なパラメーター

最後にオートメーションでコントロールできる主なパラメーターを挙げておこうと思う。様々なコントロールが可能なので、ぜひ各自色々と試してみてはいかがだろうか。

ゲイン(音量)
ピッチ修正(ボーカルや楽器のピッチ修正など)
ピッチベンド
エフェクト(リバーブのオンオフ、センド量の切り替えなど)
フィルター(シンセのカットオフなど)
エクスプレッション(楽器の抑揚をコントロールする音量、CC #11)

その他、MIDIのCCで定義されているパラメーターはほとんどは該当すると思われる。

本記事の主な参照元はコチラ:


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