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RME「TotalMix FX」を使用したループバックの方法

RME製品に付属するTotalMix FXのループバック方法のご紹介。たまにやろうとすると忘れそうになるので記事にまとめていこうと思う。

TotalMix FX

RMEのオーディオI/Oを導入するとTotalMix FXを使うことになるのだが、慣れないと使い方がよくわからない人も多いと思う。インターフェイスは以下の通りで、とっつきやすいとは言い難いデザインだ。

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インターフェイス上ではセクションは次のように大別されている。

HARDWARE INPUTS:画像左上の部分。ハードウェア(RME製品の実機=オーディオI/O)からの入力音声を扱う。

SOFTWARE PLAYBACK:画像右上の部分。ソフトウェア(PC)の内部で再生されている音声を扱う。

HARDWARE OUTPUTS:画像左下の部分。1と2の出力音声を扱う。ハードウェア(RME製品のオーディオI/O)のどこから出力するのかを決めているセクションで、例えばモニタースピーカーなどへ送る音声はここから出力されている。

CONTROL ROOM:出力音声を制御するセクション。モニタースピーカー用の出力とヘッドホン用の出力などにチャンネルを分けることができる。

ループバックとは

ループバックとは出力される音声を再度入力信号として取り込むことである。「HARDWARE OUTPUTS」から出力される音声は通常、モニタースピーカーやヘッドホンへと出力され、音声信号が戻ってくることはない。それに対し、ループバックを使用すると出力音声を入力音としてルーティングすることで音声の流れをループ構造にできる。

従来のループバックでは、出力される音声信号を実際のケーブルなどで実機の入力として取り込んでいたが、TotalMixではそれを内部で実現できるのがメリットだ。

ルーティングとループバックの手順

ルーティング

「HARDWARE OUTPUTS」のいずれかのチャンネルをクリックして有効にし、そのチャンネルに入力したい音声を「HARDWARE INPUTS」または「SOFTWARE PLAYBACK」から選択し、フェーダーを上げる。そうすれば、フェーダーで指定したボリューム値で「HARDWARE OUTPUTS」のチャンネルに音声が入力される。

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ループバック

上記でルーティングした「HARDWARE OUTPUTS」のチャンネルのスパナアイコンをクリックして「Loopback」をオンにする。すると出力音声が対応する「HARDWARE INPUTS」のチャンネルへ音声が内部入力(つまりループバック)されるという仕組みだ。

ループバックされるチャンネルのフェーダーは0でもOK。

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DAWで録音する

ここまで来れば、内部でルーティングした音声が「HARDWARE INPUTS」のチャンネルに入力されているので、その音をDAWで取り込めばよい。上記画像の環境では、Input 5/6で音声を取り込める。

まとめ

ループバックを使用すると、オーディオI/Oを経由する様々な音声をDAWで取り込めるようになり非常に便利だ。以下の流れがわかれば設定は意外と簡単なので、ぜひ試して見てはいかがだろうか。

①「SOFTWARE PLAYBACK」の音声が「HARDWARE OUTPUTS」に入り、
②「HARDWARE OUTPUTS」から出力される音がループバックによって「HARDWARE INPUTS」に再入力され、
③それをDAWで拾う

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