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ラー油先生『レイジングループ完全読本』に収録されている『ケムコADVレビュー』読書感想文

“私の人生は楽しくなかった。だから私は自分の人生を創造したの”
 ココ・シャネル

金持ちになりたくないやつはいても、ゲームライターになりたくないやつはいない。
それがこの世の真実。
同時に、金持ちになるために必要なものは誰だって知っているのに、ゲームライターになるために必要なものを知る者は少ない。
金持ちになるのは簡単だ。生まれたばかりの赤ん坊に毎日欠かさず2000万円与えていれば、半年後には立派な億万長者に育っている。
ところが、生まれたばかりの赤ん坊に毎日ゲームを与えても、半年後にその子がゲームライターになっている可能性は限りなくゼロに近い。
ニンテンドースイッチのゲームカードをあやまって口に入れてしまったものの、ギネス級のにがさでコーティングされているおかげですぐに吐き出して、どうやらあれはチョコレートではないようだと学ぶのが関の山だろう。

“みんな、私の着ているものを見て笑ったわ。でもそれが成功の鍵。みんなと同じ格好をしなかったからよ”
 ココ・シャネル

なぜだろう。どうしてみんな、ゲームライターになりたいくせに、無理をしてシェフや政治家やサッカー選手になろうとするのだろう。
そのセリフを言わなければ家族を殺すとおどされているのか、息をするように『好きなことをして生きてます』と口を揃えるユーチューバーたちは、もれなくゲーム実況ばかりしているという現実。
本当は彼らだってゲームライターになりたかったのだ。
飲む前からまずいとわかりきっているファンシーなフレーバーの炭酸水を飲んで吐くだけの動画を撮影して編集する時間があれば、素晴らしいゲームと出会い、それをみんなと共有するテキストが書けるはずなのに、彼らはそうしなかった。

“みにくさは許せるけど、だらしなさは許せない”
 ココ・シャネル

ここに一人の愚か者がいる。
名前はチャーリー。
彼もまた、同世代のその他大勢と同じく、ゲームライターにあこがれていた。
そして、ハンバーガーをかじったあとポテトを一つ口に運ぶくらい当然の流れとして、なるための努力をおこたっていた。
しかたないだろう。
学校では教えてくれないし、知り合いにライターがいるわけでもなく、ググっても出てこないのだから。
しかし彼は、なれると思い込んでいた。
砂粒ほどの根拠も持ちあわせていないのに、核シェルターとして利用できるくらい、ぶ厚い自信にあふれていた。
宿題で日記や感想文を要求されても一行も書けないくせに、ゲームレビューなら簡単に書けるはずと高をくくっていた。
好きなことなら、苦労しなくても完成させられると疑っていなかった。
それだけではない。
軽い気持ちで書き上げたそれは、とてつもなく高く評価されると信じていた。
暇つぶしで書いた自分としてはあまりできがいいとはいえないゲームテキストを何気なくネットにアップしてみると、それは業界を震撼させてしまう。
自分の才能は奪い合いとなり、高校生にしてファミ通、ファミマガ、マル勝スーパーファミコン、電撃PSにサターンファン、ゲーム批評、ゲームラボ、ネオジオフリーク、覇王、ゲーメスト──あらゆるゲーム雑誌に自分の記事が載ることになるのだ。
そしてそれは、多くの人に影響を与えつづける。
という妄想だけは毎分のように繰り返していた。

“私は好きなことしかしない。私は自分の人生を好きなことだけで切り開いてきたの”
 ココ・シャネル

自室にて。
幼いころ、縁日で買ってもらった人気ライター、カワミスさんのトレードマークである駿河屋のお面の手入れをする。これをしていると、自分もカワミスさんになった気持ちでいられる。

窓の外から学校帰りの小学生たちの喧噪がとどく。
するめ(以下)マンはワック。ロッズこそドープ。
ロッズはワック。するめ(以下)マンこそドープ。
どっちもニワカ。俺は渡邉卓也をマジリスペクト。

ゲームハード論争と同じくらいの熱量で、子供たちは自分の推すライターを語る。
間もなく、自分の名前もそこに加わるのだと思うと、どきどきした。

“かけがえのない人間になるためには、常に他人と違っていなければならない”
 ココ・シャネル

翌日。
教室に入ると、男子も女子も、受験勉強ですといわんばかりにニンテンドースイッチもしくはPS VITAとにらめっこをしていた。
普段の和気藹々とした雰囲気はなく、処刑前夜のような緊張感が漂っている。
そっと背後からクラスメイトの様子をうかがうと、全員、同じ作品をプレイしていた。
ぐはっ、と踏みつぶされたようなうめき声をあげて、一人のクラスメイトがうなだれる。
彼の手にしたゲーム機の画面には物騒なフォントで『Game Over』と表示されている。
そいつとはそこそこ話す関係だったので、何をしているのか訊いてみた。
お前こそ、どうしてまだプレイしてないんだよ、と訊き返された。

『レイジングループ』
それがクラスメイト全員をとりこにしている作品のタイトルだった。
第一印象を率直にいえば、そこまでの魅力は感じない。
そもそも、どういう経緯でこの作品を知り得たのかわからない。
人気ライターの記事は毎日欠かさずチェックしているのに。
レイジングループのレの字も見た記憶はない。

一人のクラスメイトが言う。
ラー油だよ、と。
ラー油? 調味料?
そうじゃなくて、ハンドルネーム。っていうか、隣のクラスにいるよ。
近くにいた女子に教わった。

そいつは同じ学校の同級生だった。
顔を拝見にいく。最初の印象は外国人みたいだと思った。いや、外の国というより外の星からきたような雰囲気を持っている。
そのラー油とやらが昨日、自前のサイトにアップしたレイジングループの記事がバズったのだそうだ。
やめてくれよ、とチャーリーは思う。
それはお前じゃなくて俺の仕事だろう、と。

“シンプルさはすべてのエレガンスの鍵”
 ココ・シャネル

翌日、チャーリーも他のクラスメイトと同様にレイジングループに勤しんでいた。
やっぱりお前もラー油の記事見て買ったのかとクラスメイトに訊かれ、違うよ、と首をふる。
実際は図星だった。動揺を見抜かれてはいないかと動揺していた。
ラー油の記事を読んだチャーリーはメタルギアシリーズの生みの親、小島秀夫監督がはじめてベイグラントストーリーを目にしたときと全く同じ感覚を覚えていた。
つまり、強い衝撃を受けたのだ。
次にチャーリーがしたことも、かつて小島監督がベイグラントストーリーに対してやったことと同じだった。
つまり、相手の悪いところを探した、のである。
そしてその結果も、小島監督が得たものと同じだった。
すなわち、そんなものはなかった。

ラー油の言葉は完璧ではなかった。理想的だったのだ。
こういう表現をしたい。自分の理想がそこにはあった。

“流行は変化していくもの。だけどスタイルは永遠”
 ココ・シャネル

明らかに、それはラー油が生み出した流れだった。
レイジングループのレビューをかわきりに、ラー油には需要が生まれた。
一目おかれる存在となり、それは魅力として周囲に伝播する。
ある日、電車に乗っていると離れたところにラー油を見つけた。
ラー油に一人の女子が近づいていく。チャーリーがひそかに想いを寄せていた少女だ。
その少女はラー油の腹部をなでると、恥ずかしそうにこちらに向かって走り出し、チャーリーの存在には気づくこともなく走り去っていった。やさしい匂いが一瞬、鼻をかすめる。

相手の腹部をなでるのは女子高生の典型的な求愛行動である。その証拠に、彼女が自分の横を通りすぎるとき、その口からは、こんな歌がこぼれていた。

季節が変わったある日のこと。耳を疑う情報が飛びかってきた。
今度発売されるレイジングループの完全読本にラー油がレビュアーとして参加しているというのだ。
しかもやつはレイジングループではなく、開発スタジオがこれまでにリリースした作品のレビューを複数任されているのだという。
さすがにそれはうそだろう、と思いたかった。
いくらなんでも実力を買われすぎている。
特定の作品の完全読本だと銘打っているのに、そこに直接関係のない別作品のレビュー依頼という異質な採用も、自分がよく想像していたシチュエーションである。
何より許せないのは、メーカーがラー油の参加を全面的にアピールしており、それはつまりラー油の名前には宣伝効果があると認めていることであり、実際それにまんまと釣られて本を買ったのは自分である。

“私は流れに逆らって泳ぐことで強くなったの”
 ココ・シャネル

レイジングループ完全読本を買ってすぐに10時間以上かけてラー油のレビュー以外の全てに目を通す。満足度と達成感と所有欲を得られる秀逸な一冊だった。
ラー油のレビューを無視したのは、最後のお楽しみにとっておいたわけではない。
これを目当てに買ったと思われたくなかったのだ。自分自身にすら。

ふと、チャーリーは思う。
一体、自分は何をおそれているのだろう。
なぜ自分はラー油に劣等感を抱いているのだろう。
実力は自分のほうが上だとわかりきっているのに。
たぶん、それを比較できるものを持っていないからだろう。
だったらわからせてやるしかない。
チャーリーはレビューを書くことにした。もちろん、レイジングループの。
椅子に腰かけ、ノートPCを開く。

“くよくよする暇とエネルギーがあるなら、それを使ってさっさと人生を変えなさい”
 ココ・シャネル

およそ10分が経過した。
ここまででチャーリーはスペースキーとバックスペースキーしかさわっていない。
特に理由もなく空白を作りそれを消す作業を、単純な動きしかできない安物のおもちゃみたいに繰り返していた。
書き出しはどうするべきか、文章はどうやって展開させればいいのか、そもそもどのポイントから語ればいいのか。
ヒントを得るために完全読本をぱらぱらめくっていると、最後のページで閃きを得る。
そこには作家としても活躍している人気ゲームライター赤野工作の小説が掲載されていた。
赤野工作のファンは海外にも多く、覆面ゲームライターとしての彼を強くリスペクトしたバンクシーと名乗る人物が有名だ。
バンクシーも志半ばでゲームライターになることができず、芸術家などという、ふんわりした立ち位置で自分を誤魔化していた。
描いた絵をシュレッダーにかけるのが趣味で、ゲームライターになれなかったやつの考えることはよくわからないなとチャーリーは思っていた。

その赤野工作の小説『能里先々代の記録』
まずはこの小説のレビューを書いて頭をほぐそうとチャーリーは考えた。

ベッドの上で体の不自由な男がゲームパッドを握りしめている。
男の目的は1秒でも早くゲームをクリアすること。
男の挑むゲームのタイトルは『スペランカー』
理不尽な難易度で有名な作品である。
ただし、男にとってゲームクリアは難題ではない。
彼にとってゲームクリアは必然である。
彼の目的は、いかに早くクリアするか。
作中の大半はゲーム攻略にさかれており、試しに動画サイトでスペランカーの最速プレイと重ねてみたところ、見事に再現されたゲームデザインの描写の正確さに驚くと同時に、比較したことで顕著になるいくつかのプレイのほころびによって、本作がただのプレイ動画の文字おこしではなく、一人の衰えた男の時間との闘いであることに気づくはずだ。
赤野工作の白眉ともいうべき緻密な構成は本作でも遺憾なく発揮され、冒頭から張られた伏線とその回収には舌を巻く。
結末の意外性は高く、生きることへの迷いのない強いメッセージは作者のクセの強い作家性とは裏腹に万人に向けて開かれている。
読了後、多くの人が伏線の確認で冒頭に戻り再読を余儀なくされるだろうが、クリアタイムを気にすることなく、じっくりと作者の施した仕掛けをタイトルごと堪能してほしい。

──しまった。これは『能里先々代の記録』ではなくSFマガジン No.726に収録されている赤野工作の『邪魔にもならない』だ。
チャーリーは舌をうち、今度こそ『能里先々代の記録』のレビューを書きはじめる。

──先述した通り、赤野工作の作品はその全てが彼の目線で描かれたある意味、私小説的でもあった。その彼がおそらくはじめて『他者』や『他の世界』を軸に書いたこの物語の文学的な意義は大きく。無論、レイジングループの世界をより豊かにすることにも貢献している。
本作とamphibian氏の『からす洋館の殺人』を有料DLCとしてリリースする英断をケムコに期待したい。
評価 9 AMAZING

なんだこのIGNの劣化コピーみたいなテキストは。
チャーリーは自分のできないっぷりに頭を抱えた。

それでも少しずつだが、チャーリーは自分の言葉でゲームテキストを書きはじめた。
そこでわかったことがある。
好きだからといって、簡単にできるわけではないことを。
そして、好きだから、こわいということも知った。
生まれてはじめて書き上げたゲームレビューは誰にも見せることができなかった。
なぜだかわからないけれど、批判される気がした。叩かれる気がした。
この動画の26秒から46秒に流れる言葉をぶつけられつづける気がした。

それでもこつこつとつづけて、自分なりのスタイルが見えてきたと思った。

“最も勇敢な行為は、自分で考え続けること。そして声に出すこと”
 ココ・シャネル

そして翌日、チャーリーは夢をあきらめた。

その日、我ながら悪くないと思えるゲームレビューを仕上げることができたチャーリーは近くにいた友人にそれを読んでもらった。
友人の反応は悪くなかった。その友人はチャーリーのテキストを高く評価する気持ちを込めて、こう言った。
ラー油っぽい文章だね。

そう言われてチャーリーは深く傷ついた──りはしなかった。
むしろ安心した。
ずいぶん前から、あるいは出会ったときから気づいていた。
ラー油はあまりにも自分の理想すぎた。その世界に自分が必要ないくらい。
一体、どれほどの あきらめない と くじけない を繰り返せば、あんな表現ができるのか。
例えば、とあるゲームをとにかく早くクリアしたかったとする。
普通の人が20秒かかるところを10秒や、それ未満で。
目の前に挑戦すべき壁があらわれたとき、そこには三種類の人間がいる。
挑むもの。挑まないもの。挑むけど、自分より上がいればそいつにゆだねるもの。
チャーリーは三番目の人間なのだ。

“平凡でいるくらいなら、大失敗を選びなさい”
 ココ・シャネル

チャーリーは平凡を望んだ。
友人に言われた言葉をチャーリーは何度も頭でリピートする。
ラー油っぽい。
ラー油は既に名前がジャンルになっているのだ。
ストⅡっぽい、ドラクエっぽい、みたいに。
優れた作品や表現者は名前が一つのジャンルとなる。
以前、ユニークな本が発売されていた。
あのゲームライターがカップ焼きそばをつくったらどんなテキストになるか、という実験的な一冊。
人気ライターの癖や特徴を的確に再現してみせて、意外と侮れない内容だった。
おそらくそのテキストはそのライターのファンが書いているのだろうと思った。
誰かのファンになるということは、自分の中に自分以外の誰かの場所を作るということで、それはあたたかく、尊いことだとチャーリーは思う。
ああ、そうか。
やっとチャーリーは気づいた。
自分は、ラー油のファンになってたんだな。

“真似されることは、賞賛と愛を受け取るということ”
 ココ・シャネル

10年後。12月24日
秋葉原の路上で壁にもたれかかり、腹部から血を流し、チャーリーは死にかけていた。
ゲームライターになれなかった、ならなかった彼は、家業を継いでマフィアになった。
ボディハザードをバイオハザードだと偽って売りつけるようなシノギは幸か不幸か彼と相性がよく、人のうらみはずいぶん買ったが、資産は増えていた。
賑やかなクリスマスイブの街を歩いていると、コンボイの謎の開始直後にも似た逃れようのない凶弾に撃たれた。
これだからクリスマスは嫌いなんだ、とチャーリーはつぶやく。
年末商戦に無理やり間にあわせた雑な完成度のゲームであふれてるし、そもそもクリスマスがテーマのゲームにはロクなものがない。
チャーリーはアスファルトに尻もちをつく。
体中から力と体温が抜けていくのがわかる。
人生はザンキゼロ。死に戻りなどありえない。
頭をよぎるのは、人生で一番影響を受けた一つのゲームレビューだった。
我ながら手軽な走馬燈だと、チャーリーは笑った。
ふと、目の前で自分を見下ろしている少年の姿に気づく。
それは幻覚で、その少年はかつての自分だとわかる。
ひどい人生だね、と昔の自分に言われる。
チャーリーはかつての自分にこう答える。
……ええと、まあ、最低の人生だったよ。
少年はあきれた顔をして、消えていった。
近くのゲーマーズの店頭では、人気アニメの映像が流れている。
あれは確か二期のラスト。
当時まだ女子高生だったラー油が絶対SIMPLE主義を立ち上げようと決意するシーンだ。
ラー油とは文字通り、次元が違うレベルで差がついてしまった。
ああ、そういえば。チャーリーは思い出す。
せめてあと、一ヶ月生きたかったな。

“なぜ?”
 ココ・シャネル

来月、ラー油のトークイベントがあるんだよ。チケット買ってたのにな。

視界がぼやけてきた。自分の終わりが近いと悟る。
その前に三つのことをやらなければと、チャーリーはまずスマートフォンを取り出す。
実は今でも書きためていたゲームレビューがいくつもここに保存されている。端末を破壊できるほどの力は残されていないし、指紋認証で解除されるのも面倒だと思い、チャーリーは指紋認証を解除し、無駄に長いパスワードを設定した。誰かがパスワードを三回間違えたら、あとは自動で消去される。これで鍵かけは完璧だ。
つづいて、腹部の血が不格好だと思い、地面に落ちていた手頃な布で、身を清めるように傷口を隠した。
これであとは眠りにつくだけだ。
ロクな死に方ができるとは思っていない。
いつその日がきてもいいようにチャーリーは旅立ちの準備をしていた。
ジャケットの内側から宝物のお面を取り出し、それを被る。
そんなチャーリーの姿を見た通行人がこう言った。
あっ、そういえばまだ駿河屋にいってなかったね。なにかあるかも。いこっか。
そうだ。駿河屋にいくんだ、とチャーリーは心で誰かにエールをおくる。
いいゲームと、出会うんだ。
そこでチャーリーは小さく驚愕した。
自分の行動で、誰かがゲームショップに足を運ぼうとしている。
まるでゲームライターみたいだ。
最期の瞬間、チャーリーは確かに満たされていた。

“翼を持たずに生まれてきたのなら、翼を生やすために、どんな障害も乗り越えなさい”
 ココ・シャネル

Fin










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どうも、ラー油です!
カップ焼きそばのおいしい季節になりましたね。
俺独自の調査によると、ほぼ毎週のように新作カップ焼きそばはリリースされているみたいなのですが今回は原点回帰と美味しさ再確認の気持ちを込めて、こちらを紹介したいと思います。

商品名 :日清焼そばU.F.O.
メーカー:日清食品
ジャンル:即席麺
発売日 :1976/05
価格  :160円前後(税別)

論より証拠。さっそく作ってみよう。

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唯一無二の円盤状。
焼きそばUFOのUFOはUnidentified Flying Object(未確認飛行物体)のことではなくU(うまい)F(ふとい)O(おおきい)を略したものであるというのは有名だけど、これこそ政府の用意したカバーストーリーだと指摘したいですね。
このうまさは地球の科学力では説明不可能であり、きっと俺はこの円盤にのって地球にやってきたに違いない。

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お湯を入れて三分待つのだ。
ところで、最近はスマートフォン社会になって時計を持つ人も少なくなったから、カップ麺を作る際に時間がわからなくて困ってる人は少なくないと思う。
そんな、あなたにこちら。

おすすめの三分動画だ。
最高にアドレナリンと食欲を刺激される映像を見れば、ただでさえおいしいUFOがより一層おいしくなること間違いなし。
だけど世の中には麺かため派の人がいることを俺はちゃんと知ってるし、そういう人も見捨てないぜ。

麺かためが好きな人にはこの動画で湯切りをしてほしい。
しなやかな鞭のような歯ごたえを楽しめるはずだ。
そしてもちろん、やわらかい麺を愛する人のことも忘れてないぜ。
これを見てほしい。

これくらいの時間まで麺を泳がせておけば、優しい舌触りを堪能できることは受けあいだ。

さて、そろそろいいタイミング。
ちなみに俺はシンプルに三分バージョンにした。

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完璧。
白い器によく映える、ソース、青のり、紅ショウガの三色は、霞の鎧、力の盾、炎の剣──三種の神器を想起させる。
今の俺をナイトガンダムと呼んでくれ。

日清焼きそばU.F.O.は栄養価も最高だ。
556kcalの熱量はコンニャクで摂取するなら1キロ必要。
他にもアサリ90個ぶんのタンパク質に、ウニ200グラムぶんの脂質、リンゴ3個ぶんの炭水化物に食塩は一般的なポテトチップス8袋分。
ベーコン100グラムぶんのビタミンB1にビタミンB2は100グラムのズワイガニと同じだけ入っていて、カルシウムはスイカで換算するとなんと40キロぶんもふくまれている。
栄養のエナジーボンボンだ。

ちなみに、せっかくだからサラダも用意した。
たべるラー油をたっぷりふりかけて、これで栄養バランスばっちりだ。

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誰もが認める圧倒的王者、日清焼きそばU.F.O.
その威風堂々とした佇まいは、デビュー当時から変わらぬ味を守りつづけるイメージが強いかもしれないけれど、ソースも麺も時代に合わせて何度もアップデートされているのだ。
近年は湯切り不要のタイプも登場して、新規開拓に妥協がない。
バリエーションも豊富でこの半年だけでも七つも新しい味が登場している。
王者でありつづけるということは、挑戦者でありつづけるということなんだ。

【ラー油的適正価格:160円前後(市場相場160円前後)】
この確認済円盤型食品はいつだって俺たちの求めるかたちと俺たちの望む価格で俺たちを喜ばせてくれる。
それはずっと変わることのない宇宙との約束なのかもしれない。
みんなもこれから毎日、お湯を沸かそうぜ。

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“私はこうなりたいと思い、その道を選び、そしてその想いを遂げた”
 ココ・シャネル

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“俺はアイドルで行く!”
 ラー油

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