見出し画像

[A, B, or C?]海外大生の就活

いきなりですけど就活ってだいぶ手間がかかるとよく聞くじゃないですか。

海外にいてもそんな話は海を超えて聞こえて来るんですよ。と言いますか、どこの国でも大学生にとって就活は人生の一大事の様に思えるんですよね。今日はそんな一海外大生の就活具合を振り返ろうと思います。

遡ること大学3年の始まり。私のいた大学ではPlacementと言って1年間のフルタイムのインターンが義務付けされているんですよ。3年生と4年生の間に。

学校の意図としては、講義室から出て実際に働いてみろ!っていう赤ん坊をプールに投げる様な水泳教室方法なんですが。

だいぶ苦労をしながらも3年生の終わりにはロンドンの英国企業でのインターンが決まり、1年間潰されそうになりながら働き、4年生として晴れて大学に戻ってくると、今度は就活。

日本の学生はこの何倍ものインターンをしてると思うので、私が言えたことではないのですが、またかい!と。

どうにかして最短・最小限の労力で就職先を決めたかったんですよね。でも心のどこかでは、GAFAや大手航空会社やコンサル企業に入る友人をみて、「うっ....」とは思ってたんですよ、正直。なんとなく、両親にこれだけお金を出してもらって海外に出してもらって、死ぬほど勉強して、周りに誇れる様な会社に自分も入っておきたい、と。

海外大卒の学生はだいたい毎年10月に開催されるボストンキャリアフォーラム(3日間)で就活をするんです。

ただ、私はそもそもそれに行くかすら渋っていて、遠いしちょっと面倒だなと。でもボスキャリに行くメリットとしてその場で内定が貰えるんですよね。そうなると最短3日で就活が終わると。しかも考えつく企業は大体どこもきてくれるんですよ、ボストンに。そう言う訳で行くしかないと思って、ボスキャりの2週間前に行くことを決め。(私はその頃イギリスの地方都市にいたので、就活にしては中々な移動距離です)

最短・最小限の就活と言うのを念頭におきつつも、「名の知れた会社」と言う気持ちで、結局は自分がなんとなく興味があった3つの業界から良さそうなところかつエントリーシートがない会社を一つずつ受けました。ちなみに1社ずつしか受けなかった理由としては、インターンの面接を受けた時に同じ業界の会社を数社受けてそれぞれの志望理由がごっちゃになったからです...笑(この時点で自分の敬語に自信が微塵もなかったので外資だけを受けました)

A) 大手外資系金融(投資部門、いわゆるIBDと言うところ)

B) 大手外資系広告会社(マーケティング部門)

C) 大手外資系スポーツメーカー(忘れました...)

そしてなんとなくちょっと面白そうだと思った

D) 外資系リサーチ会社(日本支社が創立1年...)

(結論へお急ぎの方は一番下までスクロール!)

エントリーしてからが怒涛の日々で。3日間で終わるほど就活は甘くなく、事前エントリーした場合には、最終面接前までをオンラインで済ませて、進めばボストンで最終面接→内定と言う流れで。

行くまでの2週間、日本の人事の方と時差の関係で平日はほぼ毎日朝5時から電話なりビデオなりのインタビューで。もはやボストンに飛ぶ日の朝も自宅でインタビューを受けてから速攻空港に向かってました。

要するには、ありがたいことに受けたところが全て順調に進んでたんですよ。ただそうなると、ぼんやりとしてた理想の会社像が段々と明確にもなってきて。

インタビューを受けながら(だいぶ遅いんですが)、就活の軸が

(1)会社の人にフランクに質問できそうか*

(2)最初3年が「下積み」ではなく責任を持たせて貰えるか=どれだけ最初の数年で成長させて貰えるか

に変わって行ったんですよ。どこがいち早く内定をくれて就活を終われるか、ではなく(笑)

ボストンに行くと受けている会社の社員さんから朝食なり、ディナーなりお誘い頂けるんですよ。実際に2社ほど行かせてもらって、気づいたんですよ。

「あ、すごい話しにくい」

他の学生がかなり社員さんを持ち上げながら話すって言うのもあるんですけど、このインフォーマルな食事の場面でこれだけ会話が楽しくないとなると仕事の場はどうなるんだ、と。そんな理由で、これまで必死にくらいついて得ていたBとCの広告系とスポールメーカーからの内定なり最終面接をあっさりと辞退してしました。

そして残ったAとD。Aはネームバリューといい、年収といい、キャリアとしても輝かしいので割と惹かれていたんですよ。ただ、最終面接前の朝食で、ボストンに来ていた社員さんの一人が「僕今7年目なんですが、ようやくボストンに送ってもらえました(笑)」って。おそらく誇張しているかとは思うんですが、その時ハッとして聞いたんですよ。

「素朴な質問で恐縮なんですが、最初の3年ほどアナリストとしてみなさんどういう風に勤務されているんですか」

と。逆手に取ったと言う意図は全くなく。ただ単純に仕事内容だけでなく、社内での位置であったり仕事量であったり、上下関係が急に気になったんですよね(何度も言いますが、気づくのが非常に遅いのですが)

話を聞くと、3年間勤務をした後、4年目で独り立ちし始めて完全に一人前となるのは7−8年目ぐらいからだと。金融だとよくある話だと思うのですが、すごく大きなショックを受けたんですよね。

学生の自分には1年間すらちゃんと働けるのかと言う不安があった中で、7−8年も働かないと一人前として見てもらえないのか、、と。同時に、その時最終面接を受けてたDの会社を思い出したんですよ。

そこはイギリス系の会社で、受けていた他の企業と比べると規模もネームバリューも小さいのですが、海外でだいぶ安定して成功して数年前に日本に支社を出した会社で。そこの売りが、入って半年でだいたいみんな独り立ちをして、2年半ぐらいでマネージャーになる、と。新卒しか取らないと言うのと支社自体が新しいと言うのもあって、23−25才の1年目社員(支社長は30才)は他の会社では3-5年目がすると言っていた様な仕事をしていて、26才の3年目の社員はもはや大御所マネージャーの様だったんですよ。

ボストンに来るまで、この会社は優先順位からすると一番下で、正直ほぼ眼中になかったんです。でもよくよく考えてみると、この会社が唯一インタビューが全部英語で、根っからの外資で(他の大手はよくある話ですがかなり体系も文化も日系化していた)、かつどのインタビューでも話が盛り上がったんです。

そこに気づいた瞬間、できることなら早い段階でなるべく成長させてもらえるところが良い&話やすそうなところが良いと思い、

D)外資系リサーチ企業

に決めました。

どこの会社にも良し悪しがある様に、結局はベストだと思ったDの会社にも入ってみると色々あったのですが。

D(現職)で働き始めて1年半ほど経ちますが、A(外銀)の様な会社でキラキラしたタイトルをもつ友人等を見て(自分も内定まで近かったからこそ)純度50%ぐらいの嫉妬と、Dで任せてもらう責任の重さに「仕事はあくまで成長率」と言う自己念じの狭間を行ったり来たりです。

他人の畑が青く見える様に、自分が持っていないものが欲しくなるのが人間の本質なのでしょうか。完全に自分だけの世界だと割り切られたらどんなに楽か...と思い続けた就活で、今もなおその世界には至れていないです。

話を膨らませすぎました...最後までお聞きいただきありがとうございました。

次はそんな外資系での勤務についてボヤキを聞いていただけたらと思います。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?