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娘ちゃんのお薬事情。ついに減薬のご提案。

薬の飲み方や、相性を探るまでになりました。人によって代謝も違うので、切れるというか効果が薄まってきたとか、感じる方もいらっしゃるそうです。始めて処方された時は、夕食後にまとめて全部飲むという風にしておりました。始めこそ飲みしぶりがあり、毎日が非常にスリリングでしたが(私が)、だんだんと病識も芽生え、薬の効果を実感するようになると、進んで飲むようになりました。
今は昼食後に1、夕方に1、夕食後に2という配分にしております。夕方に調子を崩しがちなので、手厚く小刻みにタイミングを設けております。娘自身が、今までの経験から導き出したタイミングです。あと、それぞれの薬の印象を説明してくれたりします。
『これはね、ぶわーっと。』
『これはね、スパッと。』
へーそうなんだ。炭治郎タイプだな。
直近の受診では、ついにドクターから減薬のご提案がありました。回復期のある段階に達すると減薬が始まるということは関連書物で知っておりましたので、ここまで来たかと母の脳内では酒盛りが始まります。
しかしそこはドクター的に言うと、催眠効果が強い薬なので、減らせばもっと朝の起床が楽になるのでは?ということなのです。なるほどです。テクニックですな。春休み、薬の調整には確かにもってこいのタイミングです。でも飲むのは娘です。決めるのも娘です。今の段階ではNOだそうです。確かに薬を調整するのは不安で怖いです。納得してからで良いと思います。焦らず少しずつ、先は長いのです。
先日ニュースを見ました。聞きなれたワードに、思わずテレビを注視しました。娘が日頃から飲んでいる薬が話題になっているのです。その薬を治療外に用いて、悲劇がおこってしまっていました。悲しいことです。
そして、なんだかさも危険な薬であるかのように言われているな…と感じました。モヤっとしました。ちょっとそこの進行の方、あなたが今、さも危険であるかのように言ったその薬で救われている人もいるのだよ?娘が学校へ行けるのも、文化的な活動が出来るのも、笑えるようになったのも、その薬のおかげなのだよ?この小さな粒に、どれだけの思いがこもっているのか。我が身に降りかからねば、この痛みも感謝も分かるまい。なんてことを思いながら、不特定多数への報道上、仕方ない部分もあります。難しいですね。でも物事をこちら側からしか見ていないと、あちら側から見ている人を傷つけるかも知れないということ。報道の本筋ではないところで、モヤつく人もいるのだということ。様々な立場の人がいるのだということ、せめて日頃の自分の発言や振る舞い、見直したいと思いました。ただの感想でした。

さて、娘ちゃんはまだまだ回復の途中です。病気との付き合い方も本当に上手になって来たと思いますが、やっぱり道半ばだと感じることも多くあります。一番辛そうなのは幻聴が強くなりジャックされそうになってる時ですね。ジャックされるかされないかのギリギリのせめぎ合いというか、ジャックされたくないけど身体が勝手に動かされる、心が持って行かれそうという、筆舌に尽くしがたい状態です。これは本人でないと分からないことなわけで、他者が中途半端な共感を見せて『そうか。辛いね。大変だね。でも頑張っているね。』などと言っても(娘の場合は)逆撫ですることになっております。『なんで私だけこんなに辛い思いしなきゃいけないの!』『ママにそんなこと言われても嬉しくない!』『ママに私の気持ちなんか分からないでしょ!』と。そんな言い方が出来るようにまでなったのかと嬉しい反面、私だって母親だって人間ですから、時には言い返したくもなります。
物を投げられても叩かれても罵詈雑言○ね!と言われても、”一緒になって激情しない”ことだけは心掛けておったつもりですが、いつもいつも柔軟に受け止めてあげることは出来なくて、そこは私の課題でもあります。
『あなただって、私の気持ちなんか分からないでしょう!自分の娘が目の前で”○にたい!”○にたい!”っていう姿がどれほど辛いか分からないでしょう!変わってあげることは出来ないんだから!何をそんなに一生懸命に(幻聴の話を)聞いてあげてんの?真面目か!そういうときどうするんだっけ?音楽聴いたり身体動かしたりって気をまぎらわせるって自分で書いてあるよ!ここに!しないんですかー!?』
ただの親子喧嘩です。すみません。気持ちを伝える為の表現としてなら感情の高ぶりを出すのも時には有りなのかなーと…。自分フォロー。
共感はとても大切です。相手を思いやる心の現れだと思います。でも最近はへたな共感が逆効果です。炎上します。こちらもいつでも100%全力共感とはいきませんのでこれは本当に難しい課題です。相手の心の細かいところを娘はきちんと感じ取っています。私のへたな共感の相槌だったらもはや要らないんだと思います。
今この辛さを乗り越えたいということなのであれば、その方法を一緒に考え応援することの方が、娘が私に求めていることなのではないかと思うのです。私なりの共感ということで。
私が上記のように言うと娘は押し黙ります。そして黙々と気分を切り換えるために漫画を読み始めたり塗り絵を始めたりピアノを弾き始めたりするのです。『やっぱり無理~( ノД`)』となるときももちろん有りますが。
難しい人の心。病気の経過と共に、伴走者側の対応もアップデートしなくてはなりません。

しかしながらやはりジャックされる状態というのは良くないのです。だいたいが娘の意思とは逆な考えと行動を強いてくるのです。やりたくないことをさせられそうになる、言いたくないことを言わされる。歯磨きをした後にまた牛乳を飲めと言われたり、詰め替えたばかりのシャンプーを全部捨てろと言われたり、せっかく合格した学校を辞退しろと言われたり。私に対して罵詈雑言○ね!と放つのもそこに含まれているようで、娘が一番恐怖しているのはやはりお友達や先生に対してそのような加害をしてしまわないか、ということです。家族だからしてもいいということでもないと思うのですがさておき、お友達をたくさん作りたいという希望はあるけれど、傷つけてしまうのではないかと、それが怖いという、なんとも切ない状態なのです。

娘ちゃんは楽しみにしていた新しい制服の採寸会へ行きました。この学校を選んだ理由のひとつに”制服がかわいい”という年頃の女子らしいキュートな理由があるのです。新しい制服や体操服をウキウキと試着していたら、急に泣き出しました。本当にいつ雲行きが変わるか分からないのが大変です。私は霹靂一閃神速でサイズを見定め、注文書を提出し、娘を連れて逃げるように会場を後にしました。会場にいたのはまだ顔も名前も知らない方達ばかりでしたが、間違いなくこれから娘の同級生になる方達です。『採寸会で泣いていた人だ!』というファーストインプレッションは避けたいと思いました。道中も泣き続ける娘。最寄りの駅のベンチに座って頓服薬を飲んでもらいました。
『…私はただ…楽しく…過ごしたいだけなのに…ひっく…ひっく…』
病気が、症状が辛いと泣き続ける娘を見ながら、私だって辛いと思いました。
今後、娘は自分の判断で頓服薬を飲むようにしなくてはなりません。いつまでも私が傍にいるわけにはいきません。やはり調子が下降してきたら早めに飲むというのが良さそうです。落ち着くかも知れないからしばらく様子をみよう、みたいなことをしているとだいたいが転がり落ちます。幸いなことにスパッと効くという頓服薬に出会いました。今まで試してきたいくつかの頓服薬は、娘曰く『効いたことない!』でしたので心強い味方が出来て本当に嬉しい限りです。なので、学校でも移動中でもいつでもすぐに飲めるように、お薬を入れるポケット付きの水筒カバーを購入しました。OD錠なので水なしで飲めるはずですが娘ちゃんは飲み物がないと飲みにくいようなので水筒は必需品でいつでも一緒です。”調子が悪くなったらどうする!?”のシュミレーションも重ねています。学校編、お友達編、バス電車編、などがあります。
新しい生活への準備を着々と進めています。もう私に出来ることはそれくらいしかありません。時間は待ってくれません。入学式は近づいています。後は、本人が勇気をもって飛び込むのみです。

やることが山程あるのに
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