短編小説「異邦人」②2022・5・15
二〇二二年五月十五日
「ちょっと待ったああ!!」女が叫びなら男の方に駆け寄っていく。男はもう少しで都に降り得そうだったのに、と肩を下ろす。
「何すか?何すか?後ちょっとだったのに。」
「ごめん。やっぱビルで死んでくれへんかな?君は確かに私の管轄内で死のうとしてくれた。それはありがとう。だけどな、風!風の事考えてへんかった。君が飛び降りたのはあっち側やけど、風に流されてこっち側に落下死する事だってあるやんか!な?そうなったらやっぱりまずい。」
「いやです。無理です。」