「モグラの写真屋さん」第2話 ボニさんのPocketBook
モグラくんはナミエガエル先生の病院を飛び出してメイオウの森までやってきました。
「あれ?どっちかな?」
モグラくんはキョロキョロあたりを見渡して
「こっちかな?」「あっちかな?」
鼻をクンクンさせて泉を探しています。
「あっちに行ってみよー」としばらく進んでは
「あれ?どっちかな?」
キョロキョロあたりを見渡して
「こっちかな?」「あっちかな?」
鼻をクンクンさせては
「あっちに行ってみよー」と進みます。
こんなことをモグラくんはずっと繰り返していました。
気が付けば同じところをグルグルと回っています。
「あれ?ここはさっき来たような…」
それでもモグラくんは鼻をクンクンさせて
「あっちに行ってみよー」と進むと
また「あれ?ここはさっきと同じところ?」
モグラくんは同じところに戻ってきたことに気が付きました。
「どうしよう…」
モグラくんが困っていると
「コホッコホッ」
年老いたリュウキュウコノハズクが木の枝の上からモグラくんを見下ろしていました。
モグラくんは少し怖かったけれど
「フクロウのおじいさん、こんにちは」と挨拶をしてから
「あっちに行ってみよー」と先に進みました。
すると
「あれ?ここはさっきと同じところかな?」
またまた同じところに戻ってしまいました。
「コホッコホッ」
鳴き声が聞こえたので、モグラくんが声のする木の上を見ると
さっきと同じ木の上にさっきのフクロウのおじいさんがいました。
モグラくんは勇気を出して
「フクロウのおじいさん、また会いましたね。メイオウの泉はどこですか?」と聞きました。
「コホッコホッ。おぬしはメイオウの泉になにをしに行くんだ?」
フクロウのおじいさんが言いました。
「ぼくの友達のマングースくんの写真を見て、ぼくも写真を写してほしくて写真屋さんへ行ったんだけど、カメラから出た強い光に目がくらんでたおれちゃったんです。」
モグラくんが答えました。
つづけて
「目がさめたら、お医者のナミガエル先生のところにいたんです。ナミガエル先生がメイオウの泉に行けば、ぼくの願いが叶うというから急いできたんです。」
モグラくんが言いました。
するとフクロウのおじいさんは
「コホッコホッ。そうか、じゃあわしが案内してやろうかのう。」と言って
「コホッコホッ。まずはここをまっすぐ進んでいってみなされ。」
フクロウのおじいさんは右の羽を伸ばして森の奥の道を指しました。
モグラくんはフクロウのおじいさんがしめす方へ向かっていきました。
しばらく進むと道がふたてに分かれていました。モグラくんが鼻をクンクンさせて、どっちに進もうかと迷っていると
「コホッコホッ。」
鳴き声が聞こえました。
モグラくんが木の枝を見上げると
「コホッコホッ。左じゃ。」
フクロウのおじいさんが木の枝の上で右の羽を開いて教えてくれました。
モグラくんはフクロウのおじいさんがしめす方へ進んでいきました。
しばらく進むと、また道がふたてに分かれていました。モグラくんが鼻をクンクンさせて、どっちに進もうかと迷っていると
「コホッコホッ。」
鳴き声が聞こえました。
モグラくんが木の枝を見上げると
「コホッコホッ。右じゃ。」
フクロウのおじいさんが木の枝の上から左の羽を広げて教えてくれました。
モグラくんはフクロウのおじいさんの言うとおりに森の中を進んでいきました。
つづく