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私の落書きノートを覗き見る覚悟はあるか?

20年。たかだか20年の人生で、今が一番厄介で、でも疎かにはできない人生のターニングポイントなんだと自覚している。

私自身について、愚痴でもなんでも、思ったままを、自分の内面をそのまま吐露する記事というのはあまり書いてこなかったような気がするが(そんな気がするだけ)、今からダム放流ならぬ心放流をはじめようと思う。

それは私のデトックス作業であって、甚だ人に読ませるようなものではないかもしれない。支離滅裂で、イカレタ文章が並ぶかもしれない。もはや日本語でもないかもしれない。そして多分、葉山葵々の記事史上最高に口が悪いと思う。しかし、喋って動く生の葉山葵々はいつも最高に口が悪いのでそこは勘弁していただきたい。

まあ、その辺の20歳やってる大学生がノートに書き殴った思考の痕跡を覗き見するくらいの背徳感を味わいながら読んでいただけたら幸いである。

私は今、この記事を大学の図書館で書いている。やらないといけない予習と課題はそっちのけである。ちなみに今日の1限はサボった。昨日部活の練習があって家に帰ったのが23時過ぎだったから、とか言い訳してみる。そんなこと言ったら部活の仲間に「コラッ」と言われてしまうかもしれない。いや、「わかるわー」と言ってくれるかもしれない。ともかくだ。私は1限をサボり、課題も予習もサボっている。

1限の大して仲良くない学友たちには「あの優等生な葵々ちゃんが……」と呟かれていることだろう。彼らは私を「真面目で優等生な眼鏡の葉山葵々」と認識しているらしいことを知ったのはこの前だ。そういえば、火曜日の1,2限を2週目からサボった挙げ句、履修中止したときの彼らの反応と言ったら、文字通り開いた口が塞がらないというやつだった。

香水をプンプン漂わせた人懐こい笑顔の彼はドカっと私の隣に腰掛けて、
「葉山さんあの授業やめちゃったの?」
と訊いてくる。
「うん。毎週火曜日、朝からあれ受けるのは無理だなぁって思っちゃって」
私がえへへと言うと、
「あーやっぱり。あれエグいよね。葉山さん割と初期から来なかったじゃん? 最初、あれ? いないなって思っててさ、あーお休みなのかぁって思ったんだけど、その次も、その次の週も来ないから、やめちゃったのかーって思って。葉山さんがやめちゃうような授業が僕に続けられるわけがないよなって感じだから、僕もやめちゃったんだ!」
あっけらかんと無邪気な彼。それでナナコ達もみんなやめた、とニコニコしながら報告してきた。
「えーみんなやめちゃったの!?」
なんて言ってみる。彼は楽しそうに色々話してくれる。そうかそうかと聞きながら。ほんと、犬みたいな人だな。私は名前と顔くらいしか、君のこと知らないし、君も私のことあんまり知らないはずだけど。

私は真面目なのか。まあ、あまり仲良くない人ほど私を優等生キャラに据えるという現象は今に始まったことではない。小学生の頃には既にそうだったと思う。私だけ先生に好かれていると謎に嫉妬されたこともあったと今思い出す。知らねぇよ。勝手に私を真面目な優等生にして、私がそれらしく振る舞うかどうかで勝手に一喜一憂しているのはお前らだろ。

でもまあ、あの「葵々」と「サボり」がなかなか結びつかないことを否定するつもりはない。実際、それなりにはそつなく、真面目に、怒られないように生きてきた人間である。そう、怒られないように。イイコちゃんとして。出来る人間を気取りながら本当は怒られるのが怖くて全力で無難に生きてきただけだったりする。

さて、世間様では「あんまりサボるとサボり癖がつく」と言うらしい。一方で、「無理して自分を追い詰めるのはバカ。適度に力抜いていけ」と言われるのも事実。どっちなんだよ、と思うか。いや、どっちもなんだろ、と最近は思う。大学三年になって、サボり慣れしてきている自分を一応自覚はしている。何に対しても、「まあいいや」と思ってしまうという少々不味いシグナルが出ている。今の現状を高校の先生に知られたら、それこそ腰を抜かされるかもしれない。でも実際、私がサボりまくっているのはそれだけ余裕をなくしているからだということにしている。

自分が完璧主義気味だと思いはじめたのは、これまた小学生の時に遡るが、怒られないように完璧を保つのもまたエネルギーが必要なわけで。そのエネルギーが枯渇してしまっている今、発電所から最も遠いタスクにはエネルギーが届くわけも無く、結果サボっているということだ。

じゃあなぜ、あんなに活力とやる気に満ちあふれていた二年前の私が、三年生になった途端、こんな有様になっているのか考えてみる。

まず第一に、色んなことを詰め込み過ぎているという事実がある。私はザ・シングルタスク人間なので、そんなに器用に計画も組めなければ、その全てを上手く裁くことなどできるわけもない。しかし何を思ったのか、二年生が終わる頃の自分は葉山葵々が超人であるとでも信じていて、狂ったように授業をその他色々を詰め込んでしまったらしい。

一年生よりも多いコマ数で、全休はなし。それなのに毎日対面ときたもんだ。通学に掛かる時間に課題をするかダラダラできていた1、2年生のころとはまるで事情が違う。それなのに気分はオンラインのままだったというのか。対面になったら課題は減るだと? 嘘だね! 確かに増えやしないが、量的には大して変わらねぇ。むしろ通学とその支度で毎日4時間はパーになると思った方が良い。くそ食らえだ!

そしてだ、これは私の個人的な問題とも言えるだろうが、私は人に会うのが苦手だ。毎日電車に乗って、うぇ、人間臭いとか思いながら、知らん人の視線を浴びてる(注目されているという意味ではなく、ただ単に視界に入っているだけ)だけでもバカみたいに疲れる。そのうち何人かとは目も合うのだが、もちろん互いにその状況に意味などないが、個人的にはウッと思うのである。それでも、昼間ならまだ良い。どこに出掛けるのか、ハッピーオーラ全開の人がちらほらいて、そうするとこちらもなんだか幸せになれる。でも、朝夕、あるいは晩に電車に乗っている人間なんて、腰から石ぶら下げてるみたいな人ばかりだ。ま、私も例外ではないが。

で、やっと大学に来たと思えば、大して仲良くもない人に囲まれて、時には社会の縮図を目の当たりにすることもあるし。極力図書館に籠もって悶々とするか、寝るか、動画、アニメ、映画を見るか、もはや働かない脳みそで課題をするかのどれかなのだ。

一応作ってるタスク表を眺めながら、あーこれの期限は来週か、とか、うわーもう課題が6コも溜まってやがる、とか。課題だけじゃない。再来週までにここの窓口に行ってとか、あの書類作ってとかゴチャゴチャ考えながら家に帰りたいと思うか、地球滅びろと思うか、まあそんなところだ。

で、ここまでで一つ目として。
二つ目は、人間関係だろう。

「人の幸せは人間関係で決まる」と言う人がいる。
一理ある。

いきなりこんなことを言うのは少々面白いかもしれないが、「平和って難しい」と強く思う。みんなそれぞれ違った人間で、違う記憶と価値観の中で生きていて、言語があるから意思疎通できるなんて思うかもしれないが、その言語だって不完全で、そんなやつらがみんなで無難に共存しようだなんて正気の沙汰じゃない。

面白いものだ。グローバル社会、平和理解系の授業を取っている人がとんでもなく排他的なことを言ったり、攻撃したりする。授業中は目を輝かせて激しく頷いているのに。愛だなんだとか言って、自分は善い人間だって風に振る舞っているのに。

自分を認めさせたくて、もっと単純に言うなら、自分を見て欲しくて。まるで小さな子どもが家族の注目を集めようとするかのように、自分の言うことすることを他人に知らしめようとする人がいる。見て見て、聞いて聞いて。うん。見ているし、聞いているよ。まるで幼子のようだと思いながら。

でもこんなところで他人の悪口書いている私も、偉くもなければ尊くもなく。自分の差別的で排他的な部分もよくわかっているつもり、とか言いながら、それを見せないように装って、神妙な顔で平和理解系の授業を受け、一人前に綺麗事を並べたリアクションペーパーを提出している。

人間なんて嫌いだとか言い出したら、中二病かよと言われるかもしれないが、「ホモ・サピエンス / 英知人」だなんてろくでもない生き物だなと思う。そう思ってそう書いている自分も英知人なんだから笑えるけれど。

自分のことは別に好きではない。でもこのどうしようもなく愚かで可愛い奴め、くらいには思っている。ホモ・サピエンスだって、そんなどうしようもないところが愛すべき所以で、可愛らしい魅力でもあるんだよな、とか一体どの口が誰目線で言っているのやら。

私の身の周りには面白いホモ・サピエンスがいっぱいいる。私は彼らのことが大好きだし、私の口から愛しているなんてキモいかもしれないが、愛している。葉山葵々だって、そんな愛する人達が愛している人間の一人なのだから、すなわち愛情を持って大切にしてやらないと、葉山葵々を愛する人に失礼だとかなんとか。

一人、幼稚園が同じだった幼馴染みで、小学校の頃はずっと一緒にいて、中学は一緒に吹奏楽部やって、それから進路はバラバラだけど、時々会って。この前ははじめて一緒にお酒を飲んだ彼女。彼女が「他の子とお酒飲むと、うわー20になったなーって感じするけど、葵々ちゃんとだと初めてって感じしない。前からそうだったみたいに思う」と言っていた。確かに。そういう安定感はある。申し合わせたわけでもなんでもないのに、私たちはほぼ同時に一年留学に行くらしい。彼女はカナダで。私はスウェーデンで。

一人、例の彼女。私の固定記事の彼女。結局あれから、ちゃんと会って、映画を見て、お買い物をして、ご飯を食べた。彼女はかなりの酒豪だった。二人一緒にいる時って無言の時間も長いんだけど、それでもそれは素晴らしく良い時間で。「留学する」って話したら、「えー凄い! 葵々らしいね! いーなぁ!」だって。不安しかないって言ったら、「葵々は大丈夫」って言われた。

一人、高校の友人。本当に時々しか連絡取らないけれど、高校時代はずっと仲良くしてくれて、思想的なこととか色々喋って。カフェに行ったついでに、ノリで一緒に美術展に行くような人。彼女にも「スウェーデンに留学するよ」って報告したら、「良かったぁ! 楽しんでね」って。

一人、彼女も高校の友人。まだお酒は飲んでない。でも久し振りに会って一日中、港周辺をふらふらしながらお喋りしてた。大学のこととか、勉強のこととか、教職のこととか。私が留学するって話も。留学申請の進捗状況を愚痴ったりしてたのも彼女。いっつも「葉山は可愛い」って頬をつついてくる。

一人、またまた高校からの友人。彼女の記事を書いたこともある。メッセージではほとんど噂の彼の話。結構面白い。それから、飲み歩いてお喋りする。将来のこととか、彼女は看護師目指してるから、そのこととかね。前向きで、優しくて、人懐こくて、可愛い。彼女にも、留学のこと、逐一報告してた。私を応援してくれる人で、私も応援したい人。それから、葉山葵々の一人目のファン。処女作(二次創作だけど)読んでから、天才!って褒めてくれて、本出したら最初にサインちょうだいって言ってくれて、大学の人以外で唯一、私の執筆活動を知っている人。Jくんよ、彼女を泣かせたら殺すからな。

一人、私の執筆活動のボス。実は書いてるってことを最初に打ち明けたのは彼女かもしれない。本当に運命の悪戯みたいな出会い方だったけど、人生最高の巡り会いの一つかもしれない。どうでも良いことからどうでも良くないことまで、何でも話す。0時前くらいからLINEをはじめて、起きてるなら通話しよって、通話はじめて、気づいたら9時ってことがあった。彼女とは恐ろしいくらい話に尽きない。「この人となら時間を忘れて語り合える」とかいう文言を見る度に、そんなわけねぇだろと思っていたけど、そんなわけあった。同じ学科の友人で、教職の友人で、趣味の友人で、なんか、頭おかしい人。最近は彼氏欲しいばっかり言っている。あと、「やだぁ、葵々がスウェーデン行っちゃったら寂しい。行かないでぇ。もう本当に飛行機止めたい」とか言っている。実はドMの裏返しのドS。最近彼女が私の友人に嫉妬しているって知った。だから私も君の友人に嫉妬するって正直に告げた。うわー愛が重てぇ。

一人、サックスパートの同期その1。本当に図太くて、適当に見せてちゃっかりしっかりしてて、サックス上手い。学生指揮やってるからそっちの心労もあり、常任指揮者のおじいちゃんプロとバチバチやり合ってて大変そうだけど、部活の前は「あー葵々ちゃーん」って絶対抱きついてくる。でも実はサバサバキャラで全然人に執着しない人。

一人、同期その2。彼は生粋の彼女依存症。自分でも言ってるし、暇さえあれば彼女の惚気話ばかりしている。キモい。私は彼がシングル時代から知っているので「何だよこのやろーと思ってる」。でも最高に良い奴。素直だし。彼もこの夏からオーストラリアに留学。同期その1は「その2はいなくなって良いから葵々ちゃんは行かないで」って言ってる。

一人、サックスパートの後輩ちゃん。彼女とは実はご近所さん。自宅からの最寄り駅が隣で、時々一緒に帰る。ずっと私に彼氏がいると思い込んでいたらしい。「いないよ!」って言ったら「なんか犬系の人と付き合いそうですね」って言われた。
「えぇ……犬。私苦手よぉ」って言ったら、
「きっとその方は隙さえあれば全力で先輩のところに寄っていってアピールしてきますよ。で最終的には先輩が根負けして交際するんですよ。先輩優しいから。ハロちゃんに根負けした安室さんみたいな(名探偵コナンのあのスピンオフの話)」
「だったら戦える犬が良い。狼とか」
「あー風見さんですか?」
「私は安室じゃねぇ!」
「いや、赤井さんかもしれません」
「薄い本みたいなのはやめれ!」
「でも先輩BGCだから、すぐ彼氏できそうですね」
「BGCって何?」
電車の中で繰り広げられるのはそんな会話。可愛い後輩だ。ちなみにBGCってのは「美人さん」の聞き間違いだった。もー、そんなこと言っても何も出ないぞ?

一人、さっちゃん教授。実はうちの学科のボス的な存在。かれこれお世話になることもう三年目。一年生の時はみっちりアカデミックライティングを叩き込まれ、二年生の時は先生の国際協働プロジェクトに参加してチームメンバーの愚痴を聞いてもらい、三年生の今は私の留学アドバイザー兼、雇用主。先生はいわゆる好き嫌いがはっきり分かれるタイプ。親S派と反S派がいるけど、私はさっちゃんフレンズの一味。同じくフレンズの先輩たちとなんだかんだ楽しくやっている。事件といえば、先生に借りたiPad壊して「ちょっとさいてー」と怒られた挙げ句、2週間ほど「新品のiPad壊した悪い学生」と呼ばれていたこと。厳しい先生との評判だけど、私は凄く愛情深い人だと思っている。ちなみに、本人に言ったら多分「別にあなた達、お子様のことなんて好きじゃありませんから」って言われる。相談に乗ってくれて、励ましてくれて、人間くさい、良い先生。

一人、ゼミの友人。彼女は、結構頭おかしい。留学決まったと言えば、「えー寂しい。葵々の実験動物になってあげるから一緒に連れてってよ。貨物室で我慢するからさ。その代わり旅費は出して」と言う。私が授業で覚えた新しい言葉を無理矢理会話にねじ込むと「言いたがりだね」とニヤニヤしてくるが、彼女も大概である。生成文法理論のゼミにいる私たちは、他の授業で退屈すると適当に書いた文章の文構造を分析して遊んでいる。できあがった巨大ツリーを見て爆笑するまでがセット。この前彼女が分析していたのは「キキとマイはハムレットの友達が買った赤いきつねと緑のたぬきを食べた」という一文。やはり頭おかしい。でもすごく頭の良い人でもある。私は彼女の脳みそを食べたい。

一人、父について。私は圧倒的父親似だ。そして、口癖も父親と同じだ。父も父で変な人だ。実の娘をチェンソーマンのマキマさんに似ていると言ってしまう人だ。私のゼミの話とか、頭がこんがらがるような無駄に哲学的な話とか、私がふっかけるどんな話題にもとことん付き合ってくれる父だ。一緒にバンクシー展に行ったり、イタリア料理店でワインをあおったり。もちろんクソオヤジだと思うことだってあるが、多分結構良い父親だ。ウチは貧乏だと言いながら、私の夢にはお金を出そうとしてくれる人だ。私の推しキャラがバレた暁には、一緒にグッズ集めをしてくれる人だ。父はもの凄く頭が良い。学歴も良い。でも世渡りは苦手。今も平社員やってる。あと、くそ真面目。昔父が言っていた。
「頭の中で考えるな。紙の上で考えろ」
すごく良いこと教えてもらったと思う。

一人、母について。母は父とは全く逆のタイプだ。それから、強い人だ。学校から帰ってきて「ねぇ聞いて!」と私が言うと、「うん。聞いてる」と返される。でも大抵は聞いていないから三回くらいは同じ話を繰り返さないといけない。母はいつでも私のやりたいことを尊重してくれて、応援してくれる。自己責任だよってよく言われるけれど、でもその責任の取り方だって色々教えてくれる。やりたいと言ったことを否定されたことはない。小さい頃は当たり前だと思っていたけれど、最近気づいたことは、母は私に決して「女の子なんだから」とか「女の子らしくしなさい」とか言わないってこと。だから私は口が悪い……わけではないか。母は私に自己管理、自己管理と言う。厳しいと思うこともある。でも私を対等の人間として尊重してくれている気がする。「子どもって親の一部」みたいに思わないのかと訊いたことがある。母は、
「確かに自分から生まれてくるんだけど、でも別の個人として育っていくのを見るのは何とも不思議な感覚だよ。ただもちろん、子どもにあった良いことは自分のことのように嬉しい。こればっかりは生んでみないとわからない」と言った。

一人、妹について。私よりも強くて、器用。高校では男の子達に「姉さん」と呼ばれているらしい。妹とはことごとく好みが合わない。共通のものと言えば唯一「名探偵コナン」くらい。もし妹が同級生にいたら、絶対に友達にはならないと思う。それは妹もそう言っている。昔はメチャクチャ仲が悪かった。喧嘩もするし、お互いにピリピリしていた。今は仲良し。多分。妹は料理が上手だ。私はからっきしなのに。でも、妹は絶望的なくらい片付けができない。それも私とは逆。私は妹をすごいやつだと思っている。両親にもすぐ楯突くし。私には出来ないから心の中で「やれーやれー」って応援している。そりゃあの気概だったら、姉さんと呼ばれるよな。あと、妹は私の5倍は可愛くて美人だ。目も大きい。

私はみんなのことが好きだ。前世の私、一体どれだけの徳を積んだんだ。来世の私。ごめんね、貴方はあんまり恵まれないかも。

三つ目は、不安だ。
今年の夏から1年間スウェーデンへ。

正直不安しかねぇ。

留学担当者からひっきりなしにメールが来る。あの書類がとか、オリエンテーションがとか。教職担当者からもメールが来る。実習はいつ行くんだとか、卒業年度を遅らせるかどうかとか。教務担当者からもメールが来る。留学期間中の必修科目をどうしたいかとか。

進路のことだって相談しないといけない。院に行くか、企業に就職するか、教師になるか。どんなスケジュールで動くかとか。どっちにしろ留学と教員免許取得を両立するためには5年目までかかるのは決まっている。

もう本当に、私だけの道なんだって、今はすごくビビっている。

今、20年の人生で最高に煮詰まったポイントに立ち、人間って本当にパンクするんだなぁと思っている自分。

追い詰められてる。過去最高に朝が辛いし。ネガティブなことが頭に浮かんでは、色んな良いことにも目が触れて、やじろべえよろしくブンブン振れている。

私が誰かのことを嫌いだと思っているのと同じように、誰かは私のことが嫌いで、でも私が大事だと思う人がいるのと同じように、愛すべき変な奴らが私を大事だと思ってくれている。

まずは汚ねぇ部屋を掃除して、整理しないままファイルに突っ込んでるルーズリーフのノートを分類しろよ、なんて言われるかなぁ。誰かに。

ああ、ありきたりだけど、ずっとずっと彼氏が欲しかった。でも、今これだけのものを抱えて、道の真ん中に突っ立っていて、前に進みたいがばっかりに足掻いていたら、一人でも生きていけるか、なんて思ってみたり。

今が一番楽しい。
なんてね。

今日も、明日も、明後日も、腐りかけのオレンジみたいなアタシは、苦い皮と膿んだ中身を甘酸っぱい太陽の香りで覆う。

今日も、明日も、明後日も、そのオレンジは誰かの紙袋の中にあって、落っこちて潰れる瞬間を待っている。

そのオレンジは……

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