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エッセイのようなもの:「千夜一夜物語」


アラビアンナイト
「千夜一夜物語」
シェヘラザード姫


私が小学校4年か5年の頃でした。
我が家はとても貧乏だったのですが、母は、私を塾通いさせました。

学校の成績が、ものすごく悪かったので、なんとか成績を上げようと、5〜6人の生徒を集めた「家庭塾」に通わせて、私の成績を上げようとしたのです。

塾生は、経済的に余裕がある家庭ばかりのなかで、貧乏なのは私の家庭だけでした。

私の成績は、瞬く間に上がり
劣等生だった私は6年生の頃には、トップクラスに躍り出ていました。

母は、この頃から
「熱心な教育ママ」だったのですね。

それだけでなく、当時高価な
「世界文学全集」を買いました。
「情操教育」の一環です。

小学生に文学全集は無理です。

母は、私が寝る間際、全集の中から1話を選び、
「読み聞かせ」をしてくれたのですね。

母の優しい朗読に癒やされ、私は心地よい眠りにつきました。

私にとって、それはまるで
「千夜一夜物語」であり
毎日寝る時間が楽しみになりました。

一人っ子の私は母の愛を一身に受けて育ったのですね。

ここから、私の
「マザコン時代」が
始まったようです。



         終わり


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