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異文化交流会のテンションとノリ

 衝撃的なことが起きた。先のマルチコミュニティの案内人が連絡を寄越したのである。実に1ヶ月の期間を空けての再来で、もう終わったと思っていただけに驚きが隠せない。昨夜からコミュニティの会に参加させたい先方と、案内人をおちょくりたい私でLINE上のバトルが繰り広げられているのだが、長引きそうなので後日まとめることにする。

 先日、異文化交流会なるものに参加した。バイクで事故り、ボードゲーム会に参加した夜の次の日のことである。この交流会に参加する前にふらっと美術館に行ってみたりしたのだが、それについてもまた後日。

 現地は普段行かない地域で、全く勝手がわからず、駅近辺しばらくウロウロしてから目的地の店に到着した。といっても、他の人はルーズだったようで、私が一番乗りだった。誰もいないので、一度店の前から離れ、近くのコンビニのベンチで時間を潰したのち、現地に再度向かった。

 今回の会の主催は、ボードゲーム会の主催者と、マルチコミュニティの案内人に出会った会で知り合った人である。一度パン屋でサシ会をしたこともある。その人が、自分が主催する会に参加しないかと誘ってきたので、最も都合がついたこの日の会に参加した。それが異文化交流会だったのである。

 店で主催者と合流してしばらく待つと、参加者がぞくぞくとやってきた。異文化交流会と言うだけあって、参加者5人中2人が海外の人だった。主催者がバーで飲んでいた時に知り合った人であるという。双方共に日本語を話せるので、意思疎通には苦労しなかったものの、テンションが高いことに加え、酒を飲んで更にボルテージが上がっていた為、ついていくのに苦労した。というより、途中からついていくのを放棄した。

 日本人は私と主催、そしてもう一人いたのだが、そのもう一人もアルコールに強いらしく、何杯も酒を飲んだ後外国人とノリノリで騒いでいた。私にはそんなに酒は飲めないし、それだけ騒ぐこともできない。これが陽キャかと新鮮な目で見ていた。何せ、自己紹介の際に苗字を名乗ったら、下の名前も言えと言われ、仕方なく教えたところ以降は名前で呼ぶくらいである。基本苗字かニックネームでやり取りをすることが多い身としては、一気に距離を縮められて萎縮してしまう。

 酒が入った結果、全員に「好きな〇〇は何〜?」というような質問をするのに、結局答えを聞く前に話が次に流れているのも、えぇ......となってしまった。好きな映画は?と聞かれ、えーっと、と2秒悩んだだけでもう話題が別のものに移っているのである。会話のサイクルが早すぎて、とてもじゃないが入れない。

 そのくせ、「好きな異性のタイプは?」という初対面で聞くようなものじゃない質問については誰も流したりせずに全員へ振ってくるのだから辛い。私自身、好きなタイプはと聞かれてもパっとは出てこない。あまりそういったことを気にするような立場になかったからである。加えて、こういう場では面白い回答、ノリのいい回答を求められる訳で、それに対応するのにかなり疲れてしまい、中盤から諦めた。

 しかし、誰も彼もコミュ力が強い。一体どこでそれだけのスキルを身につけるのだろうか。甚だ疑問である。

 途中から店の店主の友人が参戦したり、外国人の一人が持っていたメイド喫茶のメイドさんのチェキの暴露会になったりとハチャメチャではあったものの、見ているだけでも楽しいものだった。私がそこに入ることはできないが、それでもいつものように机の端でコーラを飲んでいるだけでも楽しめるのである。

 解散後、酔っ払って歩きが遅い人に合わせて駅まで歩いたのだが、その際主催者に居てくれて助かったと言われた。言語が違う関係で言葉が上手く通じなかった時に、アプリで翻訳を示したり、あれなんだっけとなった時に調べて「〇〇じゃない?」と出したり、帰りの駅までの道をGoogleマップで調べて先導してくれているのがありがたいとのことである。

 確かにそういったことはしたし、その場にいる人が言葉に詰まった際、調べたりするというのは日頃からやっている。だからこそ、私としては特段特別なこととは思えなかった。なので、それを褒められてもピンとこない。

 しかし、思い当たることがある。以前コーチングをしてもらった時、その人に私の酒の席での立ち回りを話した。自分から率先して話すことはあまりないが、会計を担当したり、テーブルの上を整理したり、会話の中で上手く思い出せなかったことを調べて示したりすると。それまでに話した内容から私のことを積極的に動く人だと思っていたようで、コーチングの人は驚いていたが、同時に居てくれるとすごい助かる人じゃないかとも言っていた。その時はさして実感がなかったが、今回の件を見るに、私のようなことをする人は案外珍しいのかもしれない。

 駅前に着いたのち、私と主催者以外は飲み直すとのことで、そこで解散した。あれだけ飲んでいたのに更に飲んで大丈夫なのかと思ったが、きっと大丈夫だったのだろう。電車を待つ間、主催者が手洗いに行ったので待っていたのだが、中々戻ってくるのが遅くて、置いて行かれたのかと心配した。手洗いに行く直前に私に言った言葉が、待っていて欲しいと聞こえたのだが、実のところ何だったのかちゃんと聞き取れた自信がなかったのである。ただ、もうしばらくすれば出てきて私に声をかけてきたので安心した。先日の街コン以降、自分の耳に自信がなかったが、まだ機能していたようである。

 途中の駅まで同じ帰り道だった為、主催者と雑談や仕事の愚痴を言いながら電車に乗っていたのだが、そこで気になる発言が出た。私がIT関係に転職することが決まっていると、会社単位でエンジニアをサポートしているグループがあるから相談できるように紹介するというのである。

 どう考えても、例のマルチコミュニティである。後輩にエンジニアが多くいるので、何かあればその人に相談するから問題ないと返して事なきを得たが、せめてグループ名くらいは聞いて確定させればよかった。十中八九そうだとは思うが。それにしても、こういった交流会で出会う人というのは、何故更に人やグループを紹介しようとするのか。これが人脈を作るということなのだろうか。わからない。

 そのまま主催者が降りる駅に着いた為、そこで解散となった。後日連絡が来て、大勢で盛り上がる雰囲気は好みではなさそうなので、今度はゆっくりサシで食事をしようと連絡が来た。マルチコミュニティの片鱗が見えたので、少し警戒心が湧いたものの、それでもまだ直接的な勧誘等には至っていないため、この人は大丈夫だろうという思いが今のところは強い。こちらに気遣ってもらっている状態でもあるので、次の誘いがあればまた行こうと思う。

 主催者は、自分の目的として、学生の頃のような友人を作りたいと話していた。大人になってから学生の時のような交友関係、遊ぶことのできる繋がりを作るのは難しい。だからこそ、それを作り、かつ提供できるようになりたいということだそうである。私としては、その考えには共感できるし、素晴らしいと思う。それが行き過ぎて大人の学校を吹聴するマルチコミュニティもあるが、そうはならないで欲しいものである。性格やノリなど、一部合わないところはあるが、それは私の主観に過ぎない。それを差し引けば、非常に良い人物であると思う。是非理想の場所を作って欲しい。

 

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