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すみれと煮しめ

2022年1月8日
どこにも行かずただ家で過ごしていた正月だったので、昨日は妹の顔だけでも見ておくかと思い立ち、ごとごと中央線に乗り妹の家に突然お邪魔することにした。

そして近くの神社で初詣をした後スーパーで、生後二ヶ月の赤ちゃんを背負ってる妹に、どうしてもお餅が食べたいから実家のお雑煮をつくっておくれとせがんだ私なのであった。


「まーちゃん、今日は7日だから七草粥の日だよ。」
「あっ、その日であったか。」

せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ、春の七草、懐かしい。
七草もいいけどお雑煮がお餅が食べたいんだよぉと赤ちゃんを揺らし駄々をこね、じゃあお雑煮つくろっかと言ってくれた妹に、さらにたたみかける。
「その他に、まだ食べてないこの正月の心残りは?」


…お煮しめ!!!


これは一致。
我が家のお煮しめは、多分全国一美味しい。
母が味付け煮込み、皿に積んだ先からどんどんなくなる。里芋、牛蒡、人参、蓮根、蒟蒻、椎茸、鶏、どんどんなくなる。

お煮しめだけはつくったことないんだよねーと妹が言うので、では私も手伝うから今日一緒につくろう!!
ということで、初のお煮しめづくり、姉妹共同作業が開始されたのでありました。


開始されたものの、
妹が雑煮をつくっている間、私は赤ちゃんを抱っこしてハンガリーの民謡を歌い始め、最初の和音を提示し料理中の妹に主旋律を歌うことを強要(妹は同じ合唱団にいたので、いくつかの曲のソプラノパートを歌える)。自分はそれにメゾソプラノでハモる。

長い歌詞を思いだしながら難解なリズムの主旋律を歌わないとならないので、煮しめ用の干し椎茸を戻し、醤油の分量を量る妹の手が、歌うことに集中してぴたりと止まる。
「今の音ズレた!」
叱咤する姉。

そして赤ちゃんが泣き妹がおむつを替えおっぱいをあげている間に、たたたたたたんたんたんっと野菜を剥いて切るだけの姉。
煮込み始める妹。


どうしても一致しない妹のソプラノメロディに業を煮やした私は(他のもん煮やせ)、iPhoneのボイスメモでソプラノパートを録り、それに重ねて妹のiPhoneでメゾソプラノを重ね録り、気に入らず録り直し…、

…そんなこんなで私がボイスメモにハーモニーをつくりあげたと同時に、妹はお煮しめをつくりあげたのでありました。



できた〜美味しい〜うちの味〜〜〜(*'▽'*)


あとはやることと言えばひとつだけ。
日本酒を出して徳利に注ぎます。

かんぱ〜〜〜〜い(*´ω`*)


静かな正月。七草粥ならぬ七野菜のお煮しめと、
可愛い可愛い赤ちゃんの名前は、春に咲きます、菫ちゃん。
初春のお慶びを申し上げます。


またいろいろ一緒に母の料理つくろうね、と懐にたくさんお煮しめの残りをもらって帰途についたが肝心の味付けを全く覚えていないので、今日は食べながらレシピの写メを眺めておきます。

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