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#13 付箋主義の哲学〜ディオティマの批判〜


彼女のソクラテスへの批判
すなわち、賢者と愚か者の間がないかのか?
というこのソクラテスへの批判は重要な視点である。

またそれは、本書、付箋主義の哲学、特に時代精神の分析で重要になる。

古代ギリシアから始まる哲学の伝統的思考法は
まさに、二元論的なものである。
対義語を用い、その対義語をテコに使い論理を単純化していくこの発想。

知を求めるのが善である。と表記されれば
知を求めないのは悪である。
このような思考。それは、一般の人から哲学者なるもの、または学者が頭でっかちの存在だと思われる理由の中核である。

この二元論的な思考法は、今日まで続く哲学的伝統の急所であり
愚か者と賢者の間、対立する概念の間の無存在性を前提とする哲学に
ディオティマの問いは非常に示唆に富んでいると言える。

例えば、快と不快の間はあるのか。
答えはYESである。我々の日常の感覚で、快でも不快でもない時がある。
しかし哲学はこのような宙吊りの状態を排除することで単純化する傾向がある。
ここに生活世界の感覚と、哲学的世界観の間には大きな溝が生まれる。



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