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ちょっと世界を壊すこと入門

曲を作るということ〜アルバム制作日記〜

本日も作業をしておりますと、また曲が降ってきてしまいました。

それによって心が折れてしまいました。

すぐ寝ました。いや、寝ていません。考えていました。

こいつは本当にわがままで。

これは真剣に困りました。
もう12曲でキャパオーバーなアルバムに入れろ
と強引な要請をしてくるわけです。

もちろんもう12曲でもかなり厳しいと思っているのに、そこに入れろなんて無理ですよ。
全席12席の居酒屋に5人追加で入れろみたいなもんで、入れてしまうとゆっくり落ち着いて食事できないし、隣の人と肩があたってギュウギュウの状態でも女の子を口説くにも口説けません。
これでは困るので、おかえりくださいという言うとそれはそれで文句を言うので、本当に困ったものです。この5名客の名前を『世界を壊すやつら』と呼びましょう。
この世界壊すやつらは、閉店間際の15名の団体客のようなもので、ラストオーダーで永遠と頼んできます。
厨房はフライヤーを洗い、帰る用意をしていたのにも関わらずまたそれを洗い直さないといけなくなりました。かわいそうな厨房の若いアルバイト二人、男の若いアルバイトは一緒に上がってその子とご飯に行きたかったのです!
近くのあのオシャレなバーで飲もうとしてたのです。
女の子は女の子は遅くならないならOKをくれるような子なので今日は、ラストオーダー3分前で客もいないからいけると思ったわけです。
しかし15人の団体客がきたせいで完全に予定が狂ってしまいました。
最低でもオーダーを出し終わるのに1時間そして片付けで1時間これはあまりに遅くなる。
女の子もさすがに今日はバーには行ってくれない気がする。じゃあ次でいいか!とはならない!まずその女の子がほとんどシフトに入ってない!そして、この大学生である私もあまり入ってない。
次はいつあるのか!?あるのかも分からない!
一世一代のチャンスを逃してしまう。
くそぉぉぉおおおおお予定狂いやがって!!

この男と全く同じ気待ちだ。
困ったものだ。

バイト君はとにかく必死だ。
予定が狂ってしまったことで絶望している。
しかも、絶望していると余計に目の前のことに手が回らない。
思考停止状態で、ピザを焼いているともう一人のバイトの女の子が私を呼ぶ。
『マルゲリータですよ今先輩、クワトロフォルマッジ入れましたよね?』



ファーーーーーーーーーーーーーック!!

ダサい姿を見せてしまった。くそ、やっちまった!!ああ。もう1分焼いてしまったから取り返しがつかない。
くそおおお、あの団体客。こんな時間に来てマルゲリータ二枚も頼むなよ!!
今日店長いないから助かったけど、いたらもう激おこられてるところだったぞ。
よし、落ち着け俺。とにかく落ち着くんだ。
まず、怒りと女の子をバーに誘いたかったことは無かったかことにしよう。とにかく落ち着くんだ。
よし、えっーと注文は、サラダは出したが、まさか、、、こいつら
こんな時間に、、、カボチャのチーズフォンデュだと、、、最低でも20分はかかるものを二つも、、くそっ。オーダーを取った佐々木のやろう。空気読んで断ってくれよ。
くううううっ。まさか。思って、冷蔵庫の野菜の棚を見た。ラスト二つカボチャがあった。

くっそそそそそおおおおおお、あるんかよー!!!あるのかよーー!!!ふっざっけんな!
そういう時は一つしかない、だろ!!
ため息をつく俺を見て彼女はこちらをチラリと見た。
もう俺を見るな、今の俺は強烈にダサい。だから見るんじゃない。
翼じゃなくて心の折れたエンジェルだ。俺は。
いや世界が壊れたエンジェルだ。

今日のテーマが世界を壊すこと入門だったことは忘れていいじゃないか。

このように世界が壊れることがある。
予想していた世界がまったくもって壊れることがある。

このバイトの男と同じように、13曲目が出来るとは私に取ってそのような意味なのだ。
しかも、しかも。この時期に。。。
もう直ぐでアルバムが一通り完成しそうな子の時に全てやり直させるつもりか、、、曲が出来すぎると本当にやっかいだ。本当に困る。心が折れている。ちょっと休ませてもらいたいくらいだ。でも休んでいる暇もない、ファーーーック!
まったくあのバイト君と同じ気持ちだ。

現場からは以上です。


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