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インド水引交流旅2

Japan Cultural Festに参加

さて、メインイベントの様子をお伝えします。インド渡航前にジャパンフェスへのお誘いをいただき、急遽参加が決まったイベントだったので、小規模な催しだと思っていた。出来上がったチラシを見て初めて、外務省や総領事館公認のイベントだと知り、気軽に「参加します」と返事して良かったのかと焦った。

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イベント開催は7月27日。1日だけ開催とのことだったが、会場へ行くとけっこうな規模。
今回の会場は結婚式場だった。 
いわゆる体育館のような場所で天井が高くてステージがあり、あとはだだっ広い建物だった。
前日の午後、会場へ行くとまだ設営中だったので、夕方に出直したが、ほぼ同じ状態。「イベント明日でしょう?大丈夫なの?」と聞くと、これから徹夜で設営とのこと。イベント当日以外はエアコンが入らない。昼間は暑いから作業スタッフは本気は出さないらしい。なるほど、インドスタイル。
レイアウトしに来たが、まだまだ大きな機材の設営が終わってなくて、作品を広げられない。搬入した荷物をもう一度ホテルに持って帰り(盗難、紛失防止のため)、イベント当日の朝早くから設営に来ることになった。
これを1人で行って1人で対応していたら疲労困憊だっただろう。誰かといるだけで心強い。Mさんに感謝。

そしてイベント当日。

早めに朝食を済ませて浴衣に着替えて会場へ向かった。
会場へ到着すると、昨夜の絶望的な設営達成率20%くらいの景色からは想像ができないくらいちゃんと会場は完成されていた。 
(やればできるじゃん!)
イベントとしてはステージの催しと、ブースでの展示。今回は私をお招きくださったJF South India、チェンナイ からクレイアートのジェニファーさん、東海岸のゴアから折り紙マスターのシバラムさん、そして日本から水引の私の4ブースが参加した。

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オーガナイザーの学校の生徒たちがお手伝いに来てくれていた。流暢な日本語で、みんなよく気が利き、テキパキと動いてくれる。話を聞くと何人かはもう日本の企業に内定が決まっているようだった。
生徒たちとの話もそこそこに一気に設置を終わらせて準備万端!

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バスが何台も到着したかと思うと、ぞろぞろと人が入って来て500席用意された会場はあっという間に埋まり、立ち見の人もたくさんいた。

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オーガナイザーが各地の学校に声をかけて、学校単位でバスで来ることになっているらしい。(そこで改めてイベントの規模感を実感。)
Mさんが「人だけは呼ばなくても来る」と言っていたが、なるほどこういうことか!と思っていたら、「舟木さん、壇上へどうぞ」と声がかかり、オープニングセレモニーが始まった。

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ゲストに歓迎の意を表して布を肩にかける儀式、トーチ(?)に火を灯す儀式が終わり、お偉い方のお話。英語なんだけど、熱が入るとたまにタミル語が混じって、あまりよく聞き取れなかった…。ごめんなさい。でも日本に対しての熱い思いと親日な方なのはとても伝わり、嬉しかった。

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1日の流れがよく分からないままイベントスタート!

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そんなこんなでオープニングセレモニーが終わり、イベント開催。イベントが始まっても式次第は曖昧なまま。とりあえずブースに来てくれたお客さんに水引の説明をしながら1時間くらい過ぎた頃、「舟木さん、この後壇上でスピーチお願いします」
「え?????」(初耳)
「皆さん水引を初めて見るので、舟木さんのプロフィールと水引のお話をしてください」
「なるほどー。分かりましたー。」(原稿ないけど)

そんな訳で急遽壇上へ。原稿は用意してなかったので、いつも水引レッスンでやっているものから抜粋。なんか知らんけど、人が多すぎて緊張を通り越して楽しかった!
前もって「1000人くらい来るのでスピーチお願いします」って言われると、数字にビビって緊張するかもしれないけど、「今から行ける?」って言われると、「あ、ハイ」って勢いで返事して、始まってしまえば何とかなるもんだなと思った。
Mさんはそんな私の性格もよくご存じで「香織さんならきっと大丈夫だと思って」と笑っていた。あははは。

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壇上では日本の紙文化、水引の素材や歴史についてやご祝儀の話などを話した後、手元カメラを用意してもらい、結び方のデモンストレーションをやった。
ステージを降りると「お疲れ様でした!午後もありますので、よろしくお願いします。」とスタッフの学生が言った。どうやら午後は別の学校が来るらしい。なるほど。入れ替え制ね。
1回目は伝えることに必死過ぎて、学年が下の子達が少し飽きていることに後半になってから気付いた。次はコンパクトに話してデモンストレーションに時間を取ろう。ステージの下では生徒たちに囲まれてエンドレス写真撮影大会。「日本から来た伝統工芸の偉い先生」とでも吹き込まれたんだろうか。そんなに有名な人でもないんだけどね、私。

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来客、取材とひっきりなりで大盛況。

ひと段落してブースに戻るとテレビや新聞の取材。距離が近くてちょっと引く...なかなか慣れないこのパーソナルディスタンスの距離感...。でも取材してくれてありがとうございました。

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ふぅと一息つくとスタッフの学生の1人が「先生、ランチは召し上がりましたか?」と。
「なんと綺麗な日本語!」とMさんと関心しながら案内してもらいランチを食べに行った。相変わらず辛過ぎて泣きながら食べる…。美味しい→辛い→泣くのループ。よく「辛さなんて慣れ」と言われるが、慣れる気配がない。なんか損してる気がして悲しい。もっと辛いのが食べれるようになりたい。


2回転目。

食事が終わって戻ると、午前中とは違う制服の一団が会場を隙間なく埋め尽くしていた。午後も盛況のようだ。

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折り紙のシュバラムさんは100〜200人くらいに一度に教える事に慣れているようで、スピーチも聞いていて安定感がある。会場に来た生徒全員に折り紙を配り、一斉に教えていた。私とジェニファーさんは希望者代表を壇上に上げて参加してもらうスタイル。

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やっぱりインドの子供たちはこういうチャンスを逃さない。かなり手が上がったが、選別させてもらった。

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男の子女の子、学年も大体まんべんなく。友達が壇上に上がっているのが楽しいようで、客席からも声が上がり、一体感のあるワークショップになった。

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そしてスピーチの中で「水引は基本的に5本で結びます。様々な意味がありますが、その1つには5本の指と5本の指、両の手を結び絆を深め、末永く良い関係を築いていきましょうという意味があります」ということを話した時に、会場から拍手が起こった。日本独特の結びに思いを込めるというラッピングのスタイルがインド人の心に響いた瞬間だった、その拍手に私が感動して泣きそうになった。

そしてワークショップが終わると、壇上に上がれなかった子たちが「私にも教えてください!」と人だかりに。 

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みんなかわいい。

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海外でワークショップをやると、いつも新たな発見があって勉強になる。
これでだんだん人が減っていき、イベントも終わるなーと思った頃…。

まさかの3回転目の学校が到着! 

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するとスタッフから「この学校は滞在時間が短いのでワークショップは出来ないんです。すみません」と話があり内心ホッとした。
ほぼエアコンが効いてない慣れない場所で浴衣を着て動き回っていたので、さすがに疲れた。最後の学校が帰り、みんなで記念撮影。

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充実した1日になり、皆さんいいお顔。

さて、撤収となると、昨日の設営のダラダラ作業が嘘のようにものすごいスピードで片付けられていく。あなた達、やれば出来るじゃん!と思いながら撤収。
残念ながらその日の夜行列車でチェンナイへ戻るため、シャワーを浴びたら軽く食事をして、もう駅に向かわないといけない。
観光する時間はなかったけど、たくさんの思い出ができて心は満たされた。

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帰りの電車は定刻より少し遅れて到着。さすがにくたびれて、すんなり就寝。
チェンナイへ到着したのは定刻の1時間半前だった。そんなことってあるんだ…。電車なのに?止まらないといけない駅飛ばしたの?とか思いながら何はともあれ、体調不良も盗難もなく無事にチェンナイに帰還した。
インド旅らしい濃い旅だった。

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