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ネット系上場企業15年超勤務の私がスタートアップECにコミットした1ケ月の記録(後編)

前編に引き続き、アラ還マダムがスタートアップで体験した1ケ月の最新ベンチャー体験記の後編をお届けします。

社会人経験35年以上。バック系業務で未経験のものを挙げる方が難しいアラ還マダムが、現在地の自分の実力を確認したくて、”バックオフィスや経理ができる人材募集”というbosyu jobsの求人に導かれて飛び込んだ先は、創業3年目の20代女性が経営するECサイトでした。

完全在宅の勤務初日のオンラインMTGで、別の人が経理担当ですでに入社していることを告げられ、困惑する私に与えられた任務は、EC事業部スタッフとして新規取引先の開拓に取り組むというものでした!?

9営業日以内にアタックリストの60件すべてにアタックスするという人生で初めての“商談”に臨んだ私の奮闘記(後編)を、是非お読みください。


ご挨拶文を考えることから着手!! 

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代表から共有されたアタックリストを元に9日間で60件のアタック開始!?
とその前に、まずはご挨拶文を考えることから着手しました。

“初めまして”で始まり、“ご検討の程、よろしくお願い申し上げます”で終わる挨拶文には、会社案内、サービス概要、商品説明、実売実績、お客様の属性に加え、自社ECサイトのURLを追記し、400文字にまとめました。

“長すぎてはだめ、なるべく短く”と、代表から指定された文字数が“400文字以下”でした。

四苦八苦の末、やっと代表に提出した初稿は、あっけなく赤ペンが入りました。
冒頭、貴社と書くべきところを御社と書いて平然と提出していたのです。

“貴社”と“御社”の使い分けはビジネスパーソンのキホンのきです。

“貴社”は書き言葉で、“御社”は話し言葉!!

ビジネスマナーの常識を忘れているとは、何たる大失態(涙)

アラ還マダムの経歴はエセだったのか。。。。。

とはいえ、それ以外の修正はなく、とりあえずご挨拶文はFIXしました。

アタックリストの問い合わせ先が・・・

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ご挨拶文が固まったので、“さぁ、はりきってアタック!!”とアタックリストに記載された60件のお問合せ先のURLを上から順にクリックしていきました。

3-4件のお問合せ先のURLをクリックしたところで、“あれ?”と思いました。
お問合せ先であることは間違いないのですが、購入商品に対するお問い合わせやご意見をお伝えするためのお問合せ先のようなのです。。。

今回の私のミッションは、“新規取引をさせて頂けないか”という法人取引のお問合せわせなので、このお問合せ先では趣旨が違うことに気づきました。

こうなったら、アタックリストの60件すべてのURLを確認し直し、法人取引のお問合せ先情報にアップデートしてからご挨拶メールを送った方が作業効率がよいのではないかと思いました。

いやはや参りました~~~

60件すべての確認作業に費やした時間は5時間超でした。

元のアタックリストを誰かにお金を払って纏めて貰ったのなら、私の確認作業と二重に人件費が発生してもの凄くもったいないと思いながら、作業をしていました。

やっと整ったアタックリストを元にご挨拶メールを送ろうと思ったときに、次の疑問が湧きました。

60件の一斉お問合せをしたとして、運よくお返事を頂いたら、引続きやり取りしてお取引開始手続きの対応は誰がやるのかな?

まぁ、どう考えても私しかいないなとは思いました。

それなら、60件に一斉お問合せしたらどうなるのかな!?

不安になったので、60件を3回に分けてインターバルを取ってご連絡することにしました。

EC事業部のお仕事は、こんな調子で始まりました。
1日2-3時間程度の稼働と想定してお引き受けしたお仕事が、1日7-8時間のフル稼働になりました

どうしましょう。。。

果敢にアタックの結果は!?

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想定した1日の稼働時間を大幅に超える連日の働き方は、PCの文字が突然ギザギザに見えるという怪奇現象を引き起こしました。こういうこと続けてるとカラダ壊すのかなと思ったのと同時に、アラ還でこんな働き方してる人いるのかな?と思ったら、なんだか可笑しくなりました。

初回お問合せ20件のうちの1件から、早速オンライン商談の申し出がありました。

まさか!?
日程調整だけと思っていたので、“商談に参加する”とは考えてもいませんでした。
代表と事前に打ち合わせて、当日は代表が話し私は議事録係という整理で臨みました。

先方はこちらの取扱商品やサイトデザイン、画像のクオリティを高く評価してくださり、“是非お取引を”と商談終了後すぐに、お申込書が頂くほどでした。

商談終了後に代表が私に“どう思うか”と聞いてくださったので、“お取引きを開始してもよいのでは”とお伝えしたところ、すんなりとお取引を開始することになりました。

出だし好調なスタートを切った新規取引先開拓でしたが、アタックリストの60件すべてにご挨拶メールを送信した結果、何らかのお返事を頂いたのは15件で、25%の回答率でした。

15件の内訳はこんな感じ。

・掲載開始:3件
・高確度で掲載にむけて交渉開始:2件
・こちらからの提案待ちで掲載ご検討中:1件

・先方で社内検討 or 確認中(進展する確率低め?):4件
・条件が合わず泣く泣くこちらからお断り:2件
・先方からお断り:3件

これまでも自社サイト以外に何件か掲載頂いているECサイトはありましたが、今後さらに掲載頂けるところが増えると商品露出の機会が増えるので、少しでも売上に貢献できたらと思いました。

あたりまえにやったことが他の人には新鮮に映る!?

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初めての挑戦でしたが、学びもたくさんありました。

“特別なことをする必要はなく、当たり前のことをすればいい”とわかりました。

たとえば、初体験のオンライン商談の際、代表が私にも“質問があったら”と振ってくださったので、①先方の直近の売上高②売上の高いブランドベスト3③ウチと類似商品を扱うところがあればどれくらいの売上か を質問し、回答可能な範囲で教えて欲しいとお願いしたところ、すべての質問に丁寧にご回答頂きました。

2021年6月は、週末に2回も表参道のCOMMUNEでポップアップストアが予定されていたので、やりとししているご担当者様に、図々しくもポップアップのご案内をしました。

“コロナ禍で心苦しいですが、お近くまでお越しの際は、もしよろしかったらお立ち寄りください。全日程代表が店頭に立っていますので、お気軽にお声かけください。そしてくれぐれもお気を付けください”と。

そしたら、ありがたいことに何社かのご担当者様がポップアップストアに遊びに来てくださいました!!

あらかじめ来店日をお知らせくださった方とは代表との商談をアレンジしました。

会社説明資料をお持ちくださって、communeの屋根なしオーブンスペースで商談成立したところもありました。
 
トップが直通話した方が、即決できるしいいかなと思って、セッティングしました。

ちなみにcommuneは屋根がないので雨だとお話しをする場所の確保が難しく商談は成立しませんが、代表が晴れ女なのか、なんとか雨が降らずに済みました。


代表と週次のオンラインMTGをしていた時、新規取引先にアタックすることを〝ゲームみたいで楽しいですよね!”と言われて、ビックリして返すことばが出ませんでした。

“ひとつひとつ攻略していくところがゲームみたいで楽しい”と。。。

恐るべし、デジタルネイティブのZ世代!?

私たち世代が眠れないほど悩んだことも、彼ら彼女たちは軽々と乗り越えていくイメージがあります。
例えば転職を考えるとき、私たち世代はせいぜい“個人事業主”なのに対して、彼ら彼女たちは“起業しよう”も選択肢なのかもしれません。

逆に代表からは、私が商談で先方の売上を質問したことやポップアップストアがあることをプロモーションして商談につなげたことなどは、これまでにない発想だったと、学びを感じて頂いたようでした。

自分の取った行動は、これまでの経験(たとえば、経理、財務、広報、秘書、経営企画あたりでしょうか)が総合的に役立った結果だったと思っています。

1ヶ月の挑戦の果てに

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すったもんだで大変だったけど楽しんでいたスタートアップECサイトでのお仕事に、別れを告げる時が突然やって来ました。

10年近く仕えていた人から“手伝って欲しいことがある”と連絡を頂きました。私が転職活動中であることも承知の上で、“できるところまでお願いしたい”と。

今の私がこれ以上複数の仕事を掛け持ちすることは難しいと何となく思いました。

悩んだ末、スタートアップECサイトのお仕事を終了する選択をしました。

業務委託契約延長の申し出を快諾した直後の急転直下の話だったのですが、正直に事情を話し受入れてくださった代表には申し訳ないという気持ちで一杯でした。

代表がポップアップストアに次いで関心を持っていた“バザールへの出店”情報をとりまとめてリスト化し、最後の置き土産としました。

本音を言えば、ECモール60件にアタックした経験を活かし、バザールへの出店もアタックしてみたかったです。

1ヶ月という短い時間でしたがとても濃い経験ができました。

今後はいちユーザーとして、代表とスタートアップECサイトを応援していきます。


最後に、私とスタートアップECサイトを繋いでくれたbosyu jobsについて。
bosyu jobsは性別や年齢、居住地などの情報で採用機会が妨げられることをなくしたいという経営方針だったようです。
その話を伺った時に感動して、こういうところがもっと増えるといいなと思いました。

アンコンシャスバイアス(unconscious bias)多すぎますよね、世の中。

よろしければサポートをお願いいたします。 サポートを元気の源に引続き頑張っていきます!!