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vol.4 私がなぜ "BtoBマーケティングコンテンツコンサルタント"を始めたか

こんにちは。BtoBマーケティングコンテンツコンサルタントの宮﨑晃彦です。vol.1vol.2vol.3ではBtoBマーケティングの基本的な情報を取り上げました。

今回は、改めて自己紹介を兼ねて、BtoBマーケティングコンテンツコンサルタントを始めたかについて、お話しします。

■2000年代前半の活動「顧客の大半はIT業界」

私が BtoB企業のマーケティングコンテンツの企画・制作に携わって15年以上が経ちます。

ここでいうコンテンツとは、営業がお客さまとの商談に用いるパンフレットや提案書、潜在的な見込み顧客に検索して見つけてもらうWebや動画などの、製品やサービスを紹介する営業情報のことです。

2000年代前半、私のお客さんのほとんどはIT業界でした(いまも7割はそうです)。
これには理由があります。

1. 製品やサービスのライフサイクルが短く「次々と新製品が登場する」から
2. 非常に専門性が高く、内容も高度で「お客さまへの説明が難しい」から
3. メーカーが直接ではなく、販売代理店やSI(システムインテグレーター)など別の企業による「間接販売が主流」だから

そして、

4. ITメーカーの多くはアメリカやヨーロッパに本社を持つ、グローバル企業だから

という点も特徴です。

外資系企業は日本上陸当初、グローバルで展開されるコンテンツを翻訳して、そのまま使っていました。しかし、日本市場ではそれがお客さんに受け入れられず、営業において苦戦を強いられました。

なぜなら、国や地域によってお客さま企業の課題感が異なり「前提条件が合わない」からです。そして直訳のコンテンツでは「これは遠い海外の話であり、自社には関係ない」と感じられてしまい、商談が前に進まないのです。

そこで、日本企業であるお客さまの課題状況に合わせた、最適なコンテンツ作りが開始されました。グローバルで発信されるメッセージを咀嚼して、トーン&マナーは揃えつつ、お客さまである日本企業の状況と課題の本質を捉えたコンテンツ作りを、怒涛の勢いで実施しました。

外資系企業は経営層もマーケティングとコンテンツの重要性を深く理解していますし、売上向上こそが本来目的であり、そのための手法であるマーケティングとコンテンツ制作は予算化して専門家にアウトソース。社内リソースは戦略立案と効果測定に使う、という役割分担がハッキリしていたことも量産できる要因でした。

彼らは「やるかやらないか」で迷うことはありません。「どうやって一刻も早くやるか」そして「どのように効率化して量産するか」が私には常に求められました。

■2000年代前半「メディアの変化」と「訴求対象の変化」が自分を成長させた

BtoB企業のマーケティングコンテンツの企画・制作に携わっていた私にとって、この時期、大きく2つの変化が起こります。

1つ目はメディア。当初はパンフレットやリーフレットなどの印刷物によるオフライン展開に、Webサイトビデオメルマガなどのデジタルが加わりました。
2つ目は訴求対象。企業でのIT利活用が当たり前になるにつれ、私の仕事の訴求対象が
情報システム部門(TDM)向け

経営層・事業部門などの決裁者(BDM)向け
に変わっていきました。

私はこの経験を通じて、さまざまなことを学びました。

①メディアの変化によって得た力
パンフレットなどの印刷物なのか、Webやビデオなどのデジタルなのかは、営業シーンにより、どちらが最適か判断する必要が出てきました。

・展示会やセミナー、フェイストゥフェイスの商談であれば、その場で渡せて社内稟議にも使ってもらえる印刷物の方が効果的
・でも、問い合わせ前の比較検討段階では、概要が一目で理解できるWebサイトやビデオが必要になる

オフラインとデジタルは単純に置き換わるものではなく、選択肢が増える、ということです。
そしてメディアが何であるか、は手段の話にすぎません。あくまでも重要なのは中身だということも改めて気づかされました。

②訴求対象によって得た力
その中身も、訴求相手が情報システム部門から経営層、事業部門などの決裁者に変わったことで「速い・安い」などのスペック(機能)ではなく「この製品・サービスが貴社のどんな課題を解決するのか」というソリューション、ベネフィットを説明しなければならなくなりました。

そのためには製品・サービスの機能だけでなく営業対象・エンドユーザーのお客さま企業が置かれている状況から、実際にこのコンテンツを使って説明する営業スタッフのリテラシーまで、さまざまなことを理解して私の方で仮説を立て、作る必要があります。「下請けの制作会社」としてではなく、「新たな営業戦略を築くパートナー」としての役割と責任が求められ続け、それに応えてきました。

■2010年代、顧客が「BtoB企業全般」になり活動範囲が広がる

やがて2010年台に入ると、IT業界だけでなく、製造(メーカー)、建設、人材派遣などBtoBのあらゆる業種のお客さま企業とのお付き合いが広がりました。

2019年現在まで、ざっくりした数ですが少なめに見積もってもおよそ500社を超えるお客さま企業と直接取り引きし、Webサイト300タイトル、パンフレット3,000タイトル、ビデオ250タイトル、PPT提案書100タイトル、導入事例300タイトル、オウンドメディア30タイトル、20社以上のレギュレーション策定などのプロデュース、ディレクション、プロジェクトマネジメントを担当しました(今も継続中です)。

得意領域ではありませんがコーポレートWebサイト構築からの派生で採用Webページや、IR関連資料制作などの依頼も増えました。対象や目的は異なりますが、自社(あるいは製品、サービス)の強みを深く理解し、言語化し、図式化し、クリエイティブする、という点は共通しています。

この15年以上の実戦経験とノウハウが私の財産であり、強みです。

■企業がデジタルツールに疲弊する「危機感」を感じた

2010年代からBtoB企業で「マーケティング」の注目度が一層、高まります。海外からMA(マーケティングオートメーション)ツールが続々と上陸し、デジタルを活用した、より効率・効果的な手法が登場。巷にデジタルマーケティングの情報が溢れます。

コンテンツの領域では「コンテンツマーケティング」という用語が登場し、ちょっとしたブームになり、いまも注目されています。

この流れは今後も進化・発展していくものと思いますが、BtoBの商談、営業の実態を知る私は、危機感を覚えました。

MAツールはそれを入れただけでマーケティングが自動化になり、営業が効率化されるものではありません。

また、「コンテンツマーケティング」として語られるのはオウンドメディアなどデジタルのものばかり。パンフレットや提案書などオフラインのコンテンツは無視、スルーされています。

そうした「MAツールを入れて、コンテンツマーケティングすればOK」と言わんばかりの情報を真に受けて実施したBtoB企業がどうなるのか。やがて手段であるはずのマーケティングの実行が目的化し、疲弊し、成果が上がらないのではないだろうか・・・。

実際に、ここ数年の問い合わせ、依頼はMAツールを導入したが業務処理とプロセスが増えただけで成果が得られない、オウンドメディアを始めてみたが内製に限界を感じている、といったものが急増しています。

中でも情報が溢れるデジタルマーケティングのツールに関してはまだしも、コンテンツについては「何をしてよいかわからない」「社内に対応する人がいない」「周囲に相談する相手がいない」という声をよく耳にします。

そして周囲を見渡しても、本当の意味でBtoB企業がどんなコンテンツをどのようにして作り、どう発信すればよいのか、という情報がほとんどありません。

であれば、その情報を私が発信しよう。

それが私がBtoBマーケティングコンテンツコンサルタントとして起業した、を書いたきっかけであり、このnoteコンテンツを始めた理由です。

この数年、さまざまな外部環境変化に端を発する「デジタライゼーション」と「働き方改革」の大波の中で、長く変化を拒み続けて来たBtoB企業の営業活動が、真の変革を求められるタイミングの到来を実感しています。私はそれを「売り方改革」と呼んでいます。

そしてその実行の際に、業界、外資、国内、そして事業規模の大小に関わらずあらゆるBtoB企業において、デジタル+オフラインによる最適な営業情報発信=コンテンツが求められることは間違いありません。これからその重要度は高まる一方です。

この連載と拙書が、日本企業の継続した売上向上のお役に立てば嬉しいです。

ーつづくー



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