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vol.7 マーケティング 日本のBtoB企業に必要な「売り方改革とは?」①

こんにちは。金風舎です。現在、色々な企業がリモートワークで仕事に取り組み、苦戦を強いられています。そんな時だからこそ、今号から初心に立ち返り、本書を一部引用して、BtoB企業のためのマーケティングコンテンツ制作の基本紹介していきたいと思います。

vol.7ではまず、経営者から現場担当者までが理解しておくべきBtoBにおける「マーケティング」の必要性と目的を解説します。BtoCとの違いについても解説していますので、なんとなくわかった気になっている方も、どうしても上司が理解してくれない、とお悩みの方もここを、読んで(読んでもらって?)まずはスッキリ、必要な理由と実施の目的を、腹落ちしてください。

1-01 BtoB企業の「マーケティング」とは?

「売り方改革」の基本的な考え方


まず初めに、「マーケティング」に対する誤解を解いておきたいと思い ます。「マーケティング」は「市場調査」でも「新商品開発」でもありません。また、最近売り込みの多い「デジタルツールを導入すること」でもありません。この本でご説明する「マーケティング」とは、「営業プロセスを可視化して商品が継続的に売れ続ける仕組み」のことを指します。もっと具体的に言えば、「確度の高い見込み商談を創出し、現場の営業へ引き渡す」役割となります。さまざまな意味合いで使われる用語であり、誤解を招くためほかの言い方をしたいところなのですが、これが本来の意味であり、「売り方改革」のための基本的な考え方が、この「マーケティング」 なのです。


BtoB企業が従来型の営業手法では苦戦を強いられる理由

かつてのように「待っていても大口顧客から安定した受注」ができ、「良 い製品を出せば売れる」時代は終わりました。それは、大きく以下の2つの変化によるものです。

・外部環境変化(市場の成熟化、コモディティ化) 

その製品がお客様企業にとってどのような課題解決(ソリューション)と価値(ベネフィット)をもたらすかを提案して、競合とのコンペを勝ち抜かなければ、価格のみの競争となり、売上は減少していきます。これが 「モノ売りからコト(ソリューション)売りが必要」とされる理由です。


・ 顧客の購買行動の変化(ミレニアルズ) 

ミレニアルズとは、「2000年に成人もしくは社会人になった世代」を指します。彼らはWebでの(口コミを含めた)情報収集と、SNSによる拡散が特長です。この世代が企業内でも購入層になって来ており、そのためにBtoB企業もWeb活用、デジタルマーケティングが必須となっているのです。
商談を創るのが営業の仕事。かつては当たり前の話でした。しかし、環境、そして肝心の顧客側の購買行動が変化し、もはやその当たり前が通用しなくなりました。そこで、BtoBにおいても「営業に成り代わり、顧客にさまざまな情報を提供して、向こうから問い合わせをもらう仕組み」=マーケティングが必要なのです。

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解決手法としてのBtoBマーケティングのトレンド 

こういった環境変化への解決手法として、BtoBマーケティングはこの数年で大きく変化、進化しました。世の中で一般的に言われる「取り組むべきこと」には、
・ MA(マーケティングオートメーション)などデジタルツールの導入、活用

 ・ 顧客が求める情報配信を行うコンテンツマーケティング 

・ 見込み顧客のスコアリング、ナーチャリング(育成)

 ・ 主要顧客に絞ったアカウントベースドマーケティング 

・ 社内で顧客とのリレーションを深めるインサイドセールス


などなど。続々と新たな手法が登場しています。一見してお分かりの通り、 いずれも欧米から輸入された手法です。しかし、これらはいずれも、あくまでも「目的達成のための手法、手段」であり、どれかを実施すればよいという「解決策」ではありません。

BtoBの難しさ、BtoCとの違い

 従来の営業手法に限界を感じ、マーケティングを導入しても進まない、うまくいかない理由は何ですか?と尋ねると、多くの日本企業の方が口にする理由は「やるべきことが多すぎて、なにをどこから手を付ければよいかがわからない」「社内に知見もリソースもない」「予算の妥当性が判断できない」……などなど、たくさんあります。が、根本的な原因は「BtoBの商流と営業は、そんなに簡単なものじゃない」「ウチの商売は特殊だから」という「意識」にあると感じます。

事実、BtoBの商談には
・ 購買層:関与者が複数存在する 

・ 購買意思決定プロセス:合理的な説明が必要となる 

・ クロージング:人的な活動、関係性に依存する


という、BtoCとは異なるポイントが存在します。

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BtoB企業で「マーケティング」がうまくいかない理由 

それを理解した上で、なんとかマーケティングを活用しよう、と試みたとしても、それでも……うまくいかない、のはなぜか。
よくある失敗事例 

・とりあえずツールを導入してしまう 

・やれること(担当者が得意なこと)から始めてしまう 

・コストを抑えるために100%内製してしまう

 ・経営層や営業部門が必要性を理解せず非協力的

などが代表的です。それでは、準備不足、対処療法、個別最適となってしまい、大変な割に効果は出ず、運よく効果があったとしても持続はできません。
BtoBマーケティングの「目的」とは何か? ここはシンプルに「営業部門に対して優良な見込み案件商談を提供すること」と捉えましょう。上記のような「手段」に踊らされることなく、自社の強みと営業上の課題を知り、顧客の抱える課題を知り、その上で、なにを、どこからやるのか、を見極めて進めることが重要です。そして、対象は「新規開拓」に限らず、「既存顧客」も含めて考えましょう。

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いかがでしたでしょうか?今回はBtoB企業のマーケティングをする上での起こりうる勘違いやぶつかる壁、またその理由などを説明しました。次回は今号の続きとして、営業活動をする上で注目すべきポイントや必要な共通認識についてのお話となります。

※本記事の全ての画像は『[デジタル+オフライン] BtoB企業のためのマーケティングコンテンツ制作ガイド』引用しています。


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