見出し画像

いまさらグループディスカッションをやってみると良い学びが得られた、という話

先日、インタビューを受けていただいた上村さんの発案で、Trailblazers Lab という活動を始めました。

就活の時に何度かやったグループディスカッションそのものなのですが、今やってみると当日違う学びがありました。

▼上村さんのインタビュー▼

▼Salesforce 活用のnoteも連続で公開されてて勉強になります▼


Trailblazer Lab のコンセプトは「3rd place for Marketing Trailblazers」

「多様で異質な人々と一緒にマーケティング施策を考える」過程を通じて、自社にも適用できるアイデアや思考プロセスを学ぶ会です。

参加者は(おそらく)全員が Salesforce 利用者ですが、立場も所属もバラバラです。多様なメンバーで誰かの事業相談について、みんなで解決方法を考えます。進め方は、就活のグループディスカッションとまさに同じ形式です。

学生当時は義務のように捉えていたグループディスカッションを今やってみると思わぬ気づきがありました。


#0 :参加者として工務店さんの集客施策を考える

第一回目のイベント(TrailbrazarLab #0 )では、Pardot ユーザーでもある工務店さんのお題を考えました。

一つのお題に対して、3グループに分かれて議論をし、それぞれ最終プランを発表し、出題者が優勝者を決めます。

私のグループはマーケの方、マーケ支援会社の方、マーケ畑では関係ない方、というばらばらの立場のメンバーでした。

◆学生時代との3つの違い

まさに就活でのグループディスカッション状態だったのですが、学生当時と今との大きな違いは3つ。

お題がリアルな悩み相談であることと、参加者たちに経験や知識をそのまま生かせること、そしてディスカッションメンバー同士で利害関係が無いことです。

学生の時とは違って自分たちの経験や知識を使って意見を出し合うため、非現実的なプランにもならないですし、普段自分が扱っている商材にこだわる人もいないのでニュートラルに議論ができます。

画像9

全員が、相談内容と相談者の立場を踏まえて、効果も実現性も備えた現実的なプランを作るために、脳をフル回転させて取り組みます。


◆オーナーのつもりで解きに行く懐かしさ

この経験は、私が総合広告代理店にいたときの仕事を思い出させてくれました。当時、お客さんのお題に強い当事者意識を持ち、社内の複数のスキルを持つ人同士で意見を戦わせ、出題者の期待値を超える解決方法を探る毎日でした。

一方、いわゆる"事業会社"に入ってからは、自分の担当事業に対して一番考えるのはオーナーである自分。もちろん、解決のためにいろんな人に相談はしますが、「お悩み」はだれかと共有するものではなく、最終的に自分で判断し、施策を組み上げなければいけません。

いまは人にアドバイスする機会があっても、「相手ならどうする/どうしたほうがよい」というふうに、あくまで相手がオーナーだという前提で話をします。

今回、久しぶりに(ちゃんとお題が整備された)グループディスカッションをやってみて、真剣な人の悩みをオーナーのつもりで解きに行く機会の貴重さと、久しぶりの脳の使い方に心地よさを覚えました。

画像8

優勝できたのも良かったです。

#1 :お題出す側に立つと、違った学びが

Trailbrazers Labは隔月ペースで開催しているのですが、2回目は自分自身が相談者、つまりお題を出す側に挑戦しました。

私が推進している事業 Teachme Biz for Salesforce がSalesforce利用者向けというのもあり、勢いで相談者側として手を挙げてみました。

Salesforce利用者といつも交流している方から、解像度が高い意見が欲しかったのです。

参加表明

こんな感じで相談しました

お題を出す側は、苦労の連続だったのですが、それに見合う大きな学びがありました。


◆そもそもお題作成が苦しい

まず、お題を作る人は「自分では解決できていないこと」に向き合い、「解決できそうなお題」に加工していかなければなりません

初めて聞く人でも短期間で答えを出せるよう、情報やお題を加工することは簡単ではありません。

お題を作りながら、「あれもできてないわー」「これも失敗だったなー」とちょっと気持ちは沈んでいきます。

お題抜粋

お題ドキュメントには公開できないことばかり(笑)

無意味な課題に取り組んでもらっても全員の時間が無駄になるので、お題を出すからには可能な限り生々しい情報を盛り込んで作るようにしました。


◆利用者であり、利用者でないことを伝える◆

Teachme Biz for Salesforce はひとくちに「Salesforce 利用者向けサービス」とはいっても、「Salesforce 利用者であれば誰でも便利」というわけではありません。 

具体的には、大人数もしくは多拠点でSalesforceを使っている会社、少人数の管理者で多くのユーザーを管理している方、あるいは社内教育・研修・告知に多くの時間を割いているような方ほど、導入効果が高いサービスです。

参加者の皆さんも「Salesforce利用者」ではありましたが、きちんとお題に取り組んでもらうには、「かならずしも自分が想定利用者ではないかもしれない」ということを理解してもらいつつ、「想定利用者の立場なら、たしかに役立つかも!?」と感じてもらう必要があります。

その違いを理解してもらいながら、正しくお題を考えてもらうのは難しい試みでした。

事前質問

ドキュメントに事前質問をたくさん上げてもらったり

事前ドキュメントと10分のお題説明だけで、どれくらいお題を正確に伝えられるか。

いつもサービスの商談では30分以上かけて理解してもらっているものを、短時間でちゃんと伝える必要があるため、お題発表の最後まで気が抜けません。

最終的には、「話を聞いてからでは印象が変わった」というコメントもいただけたのでうまくいった気がするのですが、最後まで気が抜けないブリーフィングとなりました。

コメントの例

後でもらったコメントとアドバイス


◆「みんなが考えてくれる」エモさ

お題を伝え終わると、色んな人が自分の事業について真剣に考えてくれます。実はこの間、出題者だけが感動を味わっている時間だったりします。

画像6

普段は自分だけがオーナーとなって考えていることを、こんなに多くの人がオーナーシップを持って考えてくれている

ふとワークの途中、その状況の尊さに気づいて、ひとりみんなの前でジーンと嬉しさを味わっていました。


最後に評価をするとき、視座が上がる

ディスカッションが終われば、最終的に参加グループからプランが発表されます。

画像7

評価軸は効果と実現性の2点です。

この評価軸のおかげで、ディスカッションは短時間だったにも関わらず、具体的なアイデアが盛り込まれた施策案が発表されます。

出題者自身もこの2つの観点で施策を俯瞰して考え直せるので、視座を上げて思考ができます。普段から自分が進めている施策も考慮しつつ、効果と実現性という指標から、自分のリソースを割り振る意思決定をしなければいけません。

経験者たちの知識や経験をうまく取り入れながら、自分の用意したお題をより解決する提案はどれなのか。そしてそれを提案してくれた皆さんにどう説得力を持って伝えるのか。

それらを短時間でまとめるため、最後に一番頭を使うのはまた出題者だったりします。

おかげで、自分には持っていない施策を知るだけでなく、自分のもともと持っていたアイデアも進化させることができました。

お兄さん

終了後にメモまでくれるお兄さんも

イベント後まで色々アドバイスや追加アイデアもいただき、すぐにできることは即実践しました。

皆さんの提案のおかげで、今年一番のイベント施策の効果も高めることができ、事業の推進に直結した非常に良い機会となりました。


臨場感あるお題を、本気で考えてみる学び

学生のときには正直ちょっとナメていたグループディスカッションですが、ちゃんとやってみると新鮮な学びが多かったです。

参加者側としては、他社の生のケースを考えることが良い頭の体操になりますし、出題者側は(緊張しますが)自分の仕事を強制的に振り返る機会になり、実践的な学びに繋がります。普段とは別の角度からアイデアのシャワーを浴びると、思考が活性化されます。

先に良い体験をさせていただいたので、次の会では運営側に入り、他の人にも同じような体験をしてもらいたいと思っています。

私が関わっているTrailbrazers Labは頻度も多くないため、個人として多くの人に機会を提供することはできない(今のペースなら年に6人しかできない)のですが、やりかた自体はそれほど特殊ではないので興味ある方は是非お試しください。

いまさらですが、グループディスカッション、良いですよ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?