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「おはなしリレー」のおかげで、子供との長時間移動を楽しく乗り切れた

遅めの夏休みに、5歳の娘と一緒に2人旅をしました。

今回の旅で「おはなしリレー」という遊びが大活躍したので紹介します。

ちなみにnoteのトップ画像は、娘が残したいと思った写真の一枚です。

親子旅は、移動の時から試練がつづく

子連れ旅行では、移動時間に子供をどう退屈させないかが肝です。

特に移動が長時間になると、子供らが退屈すると疲れはじめ、いずれ不機嫌に繋がってしまうため、あの手この手を尽くして機嫌取りをします。そうしないと、旅の出鼻を挫かれてしまいます。

今回の旅でも、2時間の電車移動や1時間以上バスに乗るルートもあったので、移動時間対策に遊べるものや食べ物を用意していきました。

スマホに遊ばせる方法もありますが、パケ死になったり場所によっては圏外になったりもしますし、そもそも旅先でスマホ遊びをし続けられては旅をする意味がありません。

今回の旅を通じていろいろ試してみた中で、最も長時間を楽しんで過ごせたのは「おはなしリレー」という遊びでした。

おはなしリレーとは?

「おはなしリレー」は、先月たまたま読んだマンガ「せんせいのお人形」の65話のタイトルになっている遊びです。

せんせいのお人形 65話「おはなしリレー」より

ルールはシンプル。

相手の話に乗っかって、ストーリーをどんどん重ねていくだけ。

プレイヤーが「あるところに、大きい男の子と、小さい女の子がいました。」という話をすれば、次の人はその続きを作ります。

たとえば、「大きい男の子と、小さい女の子は駅に着くと、レンタカーを借り、泊まるところを探すことにしました。」のような感じです。

5歳ぐらいになると、大人の知らないお話も知っているし、独自のモノの見方をするようになるので、大人にも面白い話ができていきます。何より、子供の成長に驚きます。

おはなしリレーは、道具がなくとも長時間続けられますし、ネタに無理が出てきたら新しい設定で始めればよく、いつでもどこでも出来るという点でも便利です。加えて、旅先では新しいネタがそこら中に転がっているので、旅と相性が良いんです。

親子あそびの敵は、難しいルール、飽き、そしてスマホ

ここで少し脱線します。

そもそも子供と遊び続けるのって、難しくないですか。

難しいルールを理解してもらうのもむずかしいし、子供が飽きたら続かないし、大人が飽きていることも簡単にバレて白けてしまいます。

そして何よりスマホの誘惑が強力です。子供でも大人でも、何かと暇になるとスマホに飛びついてしまいます。でも、せっかく企画した旅行がスマホの個人プレイに屈してしまうのは、くっそ悔しいんですよね。

おはなしリレーは、ルールは簡単ですし、大人と子供それぞれにとって適度に難しく、旅の要素も盛り込めるので、旅先では割と無敵な遊びだと思っています。

登場キャラは特徴的に。そして最小限に。

実際に遊んでみて気づいた、楽しく続けるコツも、いくつか紹介します。

まず、登場人物はすこし変わった特徴を持たせると、話を盛り上げやすくなります。

今回の旅では色々な動物に触れたので、動物をたくさん登場させました。たとえば「森の奥にヒグマが住んでいました。ある日、そのヒグマの全身の毛が白くなっていました」というような事件を盛り込んで、「白いヒグマ」の話を作ったりしました。

次に、登場キャラを増やしすぎないのもコツです。

キャラが多いと、キャラを思い出すのが大変になって話が楽しみにくくなってしまいます。途中で登場させるなら全く新しい固有キャラではなく、既出キャラの家族や「おまわりさん」のような説明せずとも分かる役割なら、話し手の記憶の負担も抑えながら話のスパイスとして使えます。

また、話の大まかな構成を意識すると、詰まりにくいです。

具体的には、「珍しい初期設定」→「障害/困難」→「解決」→「帰宅(おしまい)」というベタな流れをイメージしておくと、話のアイデアが出やすくなります。

設定が決まったら障害をたくさん生み出し、障害が色々出たら解決を考え、いろいろ解決してきたら帰宅するための話を続けます。少しずつ流れを右に移行していけば、話が進んでる感じが出てきます。

コツをまとめると、少人数の変なキャラを、流れに沿って遊ばせていく。そうすると、話がサクサクとできていきます。

おはなしリレーでの遊びを振り返ると、チグハグで予想できないおはなしはもちろん楽しかったのですが、旅自体を違う角度から味わえたり、子供の成長や価値観に驚いたりと、親子旅をいつもより深く楽しめました。

ちなみに、上で紹介した「白いヒグマ」は、森のヒグマの群れから追い出され、海の氷に乗って北極に流れ着き、シロクマと結ばれて、いろんな毛色の子供が生まれ、そこにヒグマの家族が合流して、めでたしとなりました。

旅先の宿も、「せんせいのお人形」もおすすめ

「おはなしリレー」の説明は以上になりますが、今回の宿と、マンガの紹介をして終わろうと思います。

山梨県で泊まったのは、日経ARIAの記事で紹介されている限界集落のお宿「アシガワ・デ・クラッソ」です。

宿までのバス移動でも「おはなしリレー」をしました。大きい男の子と小さい女の子が、白樺リゾート界隈で遊び場所を探し、最終的には女の子が電車で帰って男の子は警察に逮捕される話を作りました。

この宿の周りでは、自然を楽しめるのはもちろん、300年を超える家屋と見事に盛り付けられた「おごっそう」のギャップは必見です。

また、「おはなしリレー」が出てくる「せんせいのお人形」は最近完結し、2巻までコミックスが出始めています。

僕はコミックスから読んだのですが、面白すぎて続きを待てずに、comicoに課金しまくって一気読みしてしまいました。(読んでる間は、まさに「スマホひとりプレイ状態」でしたが…)

親の立場はもちろん、塾講師だったときの経験を思い出してグッときてしまう場面がたくさんあります。興味あれば是非どうぞ。

ということで、親子旅の移動で困ったら「おはなしリレー」、ぜひ試してみてください

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