Kimmochi Hoshino

福岡白金 創業2020年1月31日 小料理屋"白金きんもち" 代…

Kimmochi Hoshino

福岡白金 創業2020年1月31日 小料理屋"白金きんもち" 代表 星野翔吾 福岡朝倉の素材を基調とした料理を通じ、食文化や自然の尊さ、人間学的な美しさを追究しています。 日々の雑感。

最近の記事

優しさ

優しいだ優しくないだよく言う。 「優しい」ってなんだ。 私は、「優しい」は、「多様性の理解」だと思っている。 「可能性」の話が出来るかどうか。 つまり、 「〜かもしれない」と思えるかどうか。 何が起きても、 「もしかしたらこうかも知れない、アレかも知れない、それかも知れない」 と、可能性を見出して物事を見れるかどうか。 「優しくない」とされている人間は、往々にしてその可能性を潰し、「決めつけ」ている人間である、という印象。 どんな時でも、ありとあらゆる可能

    • 価値の幅

      安い物には安い理由があり、 高い物には高い理由がある。 吉野家は500円あれば牛丼が食える。 資さんうどんは1000円あれば腹パン。 この辺に関しては、味がどうの、という価値の付け方ではなく 価格とボリュームの対比が第一。 私の嫌いな「コスパ」という言葉が当てはまる。 吉野家なんかは、「380円で牛丼が食える」と言うこと自体に価値があると思っている。味やサービスや何やは半ばどうでもよい。 外食に対するお金の使い方で、得られる体験の種類が変わり、人間の思考や行動特

      • 時代は変わる

        久々にニュースを見た。 新型コロナの新型がまた出てるみたいで、騒ついている。 感染報告もあって、感染した人はワクチンを2回接種済みだった。でも感染した。3回目を打ちましょう、というもの。 症状は「鼻水が出るなどの症状」… 批判というか私が思うことを述べるならば、 この2年の対処方針は、全てが対症療法的なもの。 飛沫するからマスク、黙食 接触感染するから、手指消毒 若者が騒いでいるから、公園閉鎖 飲んだら声大きくなるから、酒提供NG これって、部下育成や組織のダメなマ

        • 目指すところ

          飲食店の魅力とは 単なるプロダクトの質ではなく、総合的な評価である。 意識的にか、無意識的にか、という事は置いておいて、「良質だ」と感じる飲食店には色んなところに様々な"スイッチ"が施されている。 それは、一見してとても飲食業の仕事とは思えない、別の畑の情報が元になったものが多い。 「接客」なんて、心理学、コミュニケーション学の要素が満載だし 「料理」にしても、物理学、哲学、脳神経科学などの要素が入り込んでいる 「室礼」には、禅宗などの歴史が 「器」には天文学的

          勝たずとも負けぬ

          末日で緊急事態宣言、マンボウが全面解除。 その後は各自治体の判断に委ねる様だ。 オリパラが終わり、何とも緊張感のない大掴みな施策にしか見えないが、その議論はここではよしておこう。 今、白金きんもちがやるべき最優先事項は、 頑張って営業して売り上げることでも、 テイクアウトに力を入れることでも、 ランチを始めることでもなく、 「貰えるものを貰って、来るべき明るい未来に備え刃を研ぎ、静かに耐え忍ぶこと」 店によって立たされている境遇が違う。 認知度も、事業規模も、資

          勝たずとも負けぬ

          Know the digitalization, update the traditions.

          「初めてスマホ持ったのっていつ頃だったっけ?」 先日、妻とこんな話になった。 振り返ってみると、たったのここ10年そこらの話だった事に気づいた。 この10年間での世界の変革ぶりに改めて驚いた。 私は福岡県の朝倉町(現:朝倉市)という片田舎で生まれ育った。 山、川、畑の大自然に囲まれ、物心がつくまでデジタルな要素とはほぼ無縁の環境だった。 黒電話だったし、ぼっとん便所だったし、野生動物はそこら中にいるし、 夜は街灯もほぼなく、虫の囀りや風の音しか聞こえない そん

          Know the digitalization, update the traditions.

          進むも留まるも、スタンス次第。

          休業中の今をチャンスと捉えて色んな勉強をしている。 私は自分自身の事業を、数年で数年だけ流行らせて荒稼ぎしよう、とは思っていない。末永く、愛されるお店にしたいと思っている。 コロナはまだまだ続く。無くならないんじゃないか、飲食業界の完全な復興は実現しないんじゃないかという話さえある。 痺れを切らして色んな思い切った決断をするお店も少なくない。極端にいえば廃業、業態変更などはかなり行われているみたいだ。 自店はといえば、業態変更は考えていない。業界の回復にも大して期待し

          進むも留まるも、スタンス次第。

          付加価値

          「料理が美味しい」すなわち、商品の質だけで飲食店が成り立つ時代は終わったと感じている。 これだけテクノロジーが発展して、万人があらゆる情報にアクセス出来る時代の中で、単なる"美味しい料理"を提供することなど、当たり前のように出来る。 プロダクトの質だけで差別化を図るのは至難の業。特に飲食店は、商品に付随する価値を総合的に評価してその店の良し悪しを批評される。 接客、器、盛り付け、室礼、身だしなみ、清潔感、所作など、多岐にわたる。 これらの要素が、無意識的にプロダクトに

          白金きんもち

          福岡白金で、いわゆる、和食居酒屋なるものを営んでいる。 代表である私は、福岡朝倉の出身。 朝倉という地域は、農業が代々盛んな地域。農村地帯、平たくいえば、田舎だ。 気候や土壌に恵まれ、県内でも指折りの農地。 「博多万能ネギ」は幾分古い話にはなるが、青果物においてはかなり良質なモノを生み出している。 私を育ててくれた大地へ感謝、恩返しの思いを込めて、2020年1月31日に、白金きんもちを開業した。使用する野菜類の9割が、地元朝倉のモノ。生産者が作り出すモノの価値を最前線

          白金きんもち

          望むもの

          一飲食店の経営者として、何を望んでいるのか。 あくまで現時点での結論ではあるが、それは手前の利益、つまり銭金ではなく、外食産業、一次産業の価値の具現化。それが結果として銭金として反映されるだけ、というだけで、なにも「金の為だけにやっている」などという、資本主義の骨頂とも言える経済合理ではない、ということだけ、冒頭に述べておきたい。