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新入生たちの不安に寄り添う上級生サポーターたち【Twitterを利用した新入生オンラインサポート】


管理栄養士を養成する学科で教員をしています。
オンライン授業の実施が決まり、教員が授業準備に追われている中で見過ごされがちな、学生同士の交流・助け合いが行われて素晴らしいなと感動しっぱなしなので、その経緯をまとめておこうと思います。

きっかけは「オンライン飲み会」


これは、大学全体でのオンライン授業がはじまるまだまだ前の話です。

教員はやっとZoomにも慣れてきて、新任・昇格の先生方のお祝いZoom飲み会を開催していた頃のことです。

オンライン授業のことはたくさん話し合って準備してきていましたが、
ふと
「新入生たちは、顔を合わせたこともない同級生たちとどうやって交流するんだ?」
という疑問が浮かびます。

これは当たり前といえば当たり前の疑問。
そんなの最初っから考えて色々対策しておいた方がいいでしょ!と思われる方もいると思います。
それでも、学生のことで心配していたのは、まずは安全に過ごしてもらうこととオンライン授業を受ける環境面についての心配が先行していて、学生同士の交流まで考えが及ばなかったのが正直な話です。

今のようなオンライン大学生活となれば、

「席自由って言われても困るな。。どこ座ろう。。。」「あっここ座る??」
「時間割作れた?」「履修登録どうやんの?」


とかできないわけです。

相談できる友達ができないまま「魔の履修登録期間」を迎えることに不安を抱える学生が多くなるなとそのとき思いました。

それに交流がないまま、進行していくオンライン大学生活となれば、同級生だけでなく、先輩との繋がりだって減っちゃうかもしれません。


そんな時に出会った滋野先生@龍谷大と学生たちが実施したオンラインサポートの記事

そんなときに出会った記事がこちら

龍谷大学の滋野先生がFacebookのグループに投稿していた内容を見てこれだ!と感じたわけです。
すぐにコメント欄で「真似させて頂きます!」と宣言し、学生たちに声をかけてみました。

サポーター役を買って出てくれた学生は5人!!

闇雲に声をかけても集まらないと思い、【フレッシュマンキャンプ】という、薬学部の新入生たち約400名が、入学前に一ヶ所に集い、1泊2日で交流するイベントの上級生サポーター役に立候補してくれていた学生たちに、まずは声をかけてみることにしました。
もちろんですが、普段であれば入学直前に実施するフレッシュマンキャンプは今年度は中止となっています。
ですが、実施することを考えて準備を進めていたことから、サポーター役の学生の募集はかけていたわけです。

すると早速、4人から「やります!」の返事があり、その後合流した1人を合わせて、新入生サポートメンバーは、3年生2人、2年生3人の5人体制でまずは動き出しました。

Web上で
「今、新入生たちにとってどんなサポートが必要か?」
「自分たちが1年生だった時に困っていたことは何だっただろうか?」
「今の状況でどんな方法で情報を伝えれば1年生に届くか?」
などを真剣に話し合い、まずTwitterに新入生サポートのアカウントを開設し、新入生からの質問を受け付けてそれらに回答していこうとなりました。

新入生サポートのTwitterアカウント開設!

そうしてできたのがこのアカウントです。

開設後に質問箱を設置すると、瞬く間に質問が寄せられます。

この質問箱のシステムや、どうやって質問に答えるのかなど、僕は全然わからなかったのですが、サポーターの学生たちは、瞬く間に集まった質問に対して、回答できるものは瞬時に回答していきました。

もはや教員の出る幕なし。

一つだけアドバイスしたことは、滋野先生たちも言っていた

「新入生たちの「学び」につながる価値ある情報は何か?」

を常に考えて行動しましょう!と伝えただけです。

そこから学生たちは自分たちの授業準備や履修登録などの合間を縫って、新入生から寄せられる質問の数々に、丁寧に答えていってくれました。

今までに回答した質問数は350件以上!!

4月18日にTwitterアカウントを開設してから現在(記事作成時点は5月24日)までに質問箱に寄せられて、回答した質問の数は実に352件!!

DMでの質問に回答した人数も約30人!!と学科の定員(100名)の4分の1を超える学生から質問があったようです。

特に履修登録期間前からは、まさに「駆け込み寺」となり、履修登録に関する質問が多くなっていったようです。
時間割の作成や履修登録システムについて、教科書の購入など、上級生も今年のオンラインでのシステムを完全に理解しているわけでもないので、答えられない質問はどこに聞けば答えてくれるかをアドバイスするようにするなど、丁寧に一つ一つの質問に向き合ってくれていました。

Twitterでのアンケート結果を受けて、Zoom履修相談会を実施

このような状況を受けてTwitter上で、やって欲しい企画アンケートを取ってみたところ

やはり履修登録に関する不安が多かったようなので、Zoomを用いた履修登録に関する相談会を実施することにしたようです。
新入生たちと慎重にコンタクトを取り、Zoomで新入生からの質問に丁寧に回答しました。

上級生サポート画像

頼る先はひとつじゃない。いろんな頼る先があっていい。

本来であれば、直接会って相談しながら進めるような履修登録のようなイベントも今の状況ではできず、新入生たちの不安は特に大きかったと思います。
これらの上級生たちのサポートを受けて、新入生たちからは感謝の連絡がTwitterのアカウントにたくさん届いているようです。

公式に!や正確に!と考えるとどうしても動きづらくなりますが、とにかく不安を取り除く、新入生たちのために何ができるか?を上級生たちが考えて行動してくれたのは本当に頼もしかったです。

教員もメールや電話だけでなく、SNSも駆使して新入生、在校生のサポートを必死にやっていますが、教員では出せない暖かさを上級生サポーターたちが醸し出してくれているなと感じています。

頼る先は一つじゃなくていいと思うんです。教員に頼る時もあれば、相談しやすい先輩に聞く、SNSで匿名だから聞きやすい、とかもあると思います。
いろんな頼る先があっていいんです

このような状況での新入生たちの不安にいち早く心配の気持ちを寄せて、どのようにすれば良いサポートができるのかを考えた上級生たちの行動は、ホスピタリティに溢れていて、その姿に教員として感動しっぱなしの毎日です。

頼もしい上級生サポーターの背中を見ながら、新入生をふくめた目の前の学生たちに教員ができる支援を確実に行なっていきたいと改めて思っています。


まだまだつづくオンラインでの学習環境に対し、上級生サポーターたちは

「つぎは新入生たちに対して何ができるか?」

を考え行動してくれているようです。

上級生サポーターたちの次の「行動」も楽しみです。


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