お母さんは何になりたいの?
シリコンバレーからの帰りに泣いたことを思い出した。
一週間の研修を終え、カリフォルニア空港から飛行機に乗って帰国。
何の研修かと言えば、アントレプレナーの授業。もう5年も前のことであるが、当時私は仕事をしながら大学院に通っていた。大学の授業で全学部、全学府が取れるものがあり、その中にシリコンバレー研修というものがあったので、面接試験合格後、参加したのだ。
3月の春休みだったが、私は仕事。一週間も年度末に休むなんて信じられないと上司の顔に書いてあったが、休んだ。
英語がしゃべれないのに良く行ったよな、私。
一緒に行った息子と同じくらいの大学生たちは、何しに来たのこのおばちゃん、という眼で見るし、痛かったなあ。
そして、この研修、20万ほどかかったが、このお金が出せる学生たちなのである。私はもちろん自分のお金で来たが、バイトなのか、家からの援助なのかはっきり言わないけど恵まれたお子たちなのだ。
私があと30年若かったら、大学生として参加していたら、もう少し英語が話せたら、もう少し、もう少し・・・。
帰りの飛行機の中で、ずっと泣いていた。いろいろくやしかったのと、格差を見せつけられたのと。いくら自分のお金で行ってみたところで、埋められない。
一緒に行った学生たちは、その後、院まで進学し、留学もし、一流企業に就職していったことがFacebookのフィールドで確認できた。春休みの時点で内定をもらっていた学生もいた。マスコミだったが、早いのね、内定。
いいね、を押しながら、私はちっとも変わらず、同じ場所で働き続けている。まるで何事もなかったかのように。
そう、何も変わっていないのだ。
お母さんは何になりたいの?冒頭の質問は息子から。
息子にしてみれば、母親が突然大学院に行き、シリコンバレーだの、大連だの、上海だの、行ってるし、正月なのに夜中まで論文書いてるし、何なんだろうと思っていただろう。
しかも、修了したかと思えば転勤し、ブログやKindle本出版をしたり、zoomでやたらと話していたり、何者だろうと思っていると思う。
そして保育士試験まで受けて。それでも
何者にもなっていないことに気づいてしまった。
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