ただ繰り返すだけでは覚えられない
ひらがなやカタカナを覚えた子ども。英語にも興味をもちはじめたので、アルファベットを教えました。すると、FやSなど、特定のアルファベットがどうも覚えられません。覚えようとしている感じには見えるのですが、覚えられないのです。
そこで、お風呂で、手桶などをぶら下げて使っているS字フックを持ってきて「これ、S字フックって言うんだ」と教えました。子どもにとってお風呂でおもちゃ感覚で遊んでいたものの、「S字フック」という名前は知りませんでした。名前を知ると、驚いた顔をしました。
その後は、「これは?」と問い掛け「S」を見せると、「S字フックのエス」と即答です。Sという記号と読みを結び付けて覚えることはできなくても、形に着目した身近なものを、記号と読みの間に挟むことで、記号が身近なものになり覚えることができたと考えます。
子どもにとって、意味をなさない「S」が、S字フックというおもちゃの呼び名として、必要なものになった瞬間でした。
あとは、形に着目して記号が身近なものになるように、工夫をします。「F探し」で、Fを探します。カラーボックスやお風呂のタイルなど、身近なものにFが隠れています。「W探し」でギザギザを見つけたり、ダブルクリップを紹介したりします。順調に、アルファベットを覚えることができました。