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11時半と11時30分

急須に茶葉を入れ、湯呑みにお茶を注ぐ。
京甘藷さんの芋けんぴを食すときの、吾輩なりの演出。
普段はペットボトルでお茶を飲むが、この時ばかりは非日常をつくり、愉しんでいる。

昨日は12時ごろにフレンドフーズに買いに行く予定が、11時に到着。11時半から販売しますとインスタで告知されていたので、芋けんぴの売り場はとても静かだった。

「芋けんぴ、ないの!?」。驚きと落胆が混ざったかのような声が、突然耳に入る。隣のお客さん、どうやら11時と間違っていたらしい。スタッフさんが気まずそうに謝っていたが、別にわるくはない。スタッフさんに同情しつつ、吾輩は11時半を迎え、無事に購入。お店を後にした。

妻猫、息子猫と芋けんぴを食べすすめていると、ふいに頭をよぎった昼間の出来事。そういえば、あのお客さんは芋けんぴを買えたのだろうか? もう一度インスタを読み返してみた。

3/28(月)11時半からは、京甘藷さんのおいしいお芋の販売です。

「あー、これかもしれない」。ピンときた。11時半と書いてある。きっとこれが原因。11時30分と書いてあったら、誤解されなかったかもしれない。

一時停止の道路標識には、「止まれ」の路面ペイントがされていることはご存知だろうか? 実はこれ、元々は「とまれ」。走行中に判読できたのが「止」のひと文字だけだったとしても運転者に意味が伝わるとして、「止まれ」に変更されたといわれている。

文章って、奥深いなとつくづく思う。全部読んでいただけるか分からない中、1番伝えたい情報をいかに正確に伝えるか。冷や汗をかきながら取材をし、出来上がった原稿に何度もなんどもバツを入れる上司。この状況はまだしあわせで、クライアントさまから厳しい戻しが来たときは、お先真っ暗。一度失った信頼は、なかなか取り戻せない。そんな苦い思い出が蘇ってきたところで、芋けんぴを食べている最中だったことに気づく。

何でも包み込んでくれるかのような芋けんぴのおいしさが、ありがたかった。

p.s. これまでもこれからも、吾輩の文章は稚拙ゆえ、読みにくいところはあるかと思いますが、お許しください…。


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