相柳院いぶき

このページはマーダーミステリー「阿多田火荘殺人事件」のプライヤーキャラクター「相柳院いぶき」のページです。

作品のネタバレを含みますので、自身が選択したキャラクターでない場合、速やかに退出願います。

準備がよろしければ、下記から読んでください。



相柳院いぶき

身長180cm、体重85キロ

相柳院いぶきはとある家族経営企業の副社長であり社長の奥様。
友人である女将のところに遊びに来ていた……

というのは仮の姿。
あなたの正体は暴力団体加渡組黒田派トップの黒田隆正(55)である。

現在加渡組は内部抗争で荒れていた。
あなたは加渡組長の腹心として仁義を尽くして組を盛り立ててきた。名実ともにNo.2、あなたを慕う部下も多く、任侠屋としての地位を築いていた。しかし組長が病に倒れ、状況が一変する。子宝に恵まれなかった組長の後任をどうするか、当然、自分がまとめ上げるものと考えていた。

しかし、若手勢力トップの白沼が、なんと後任として名乗りを挙げたのだ。当然、簡単に捻り潰して黙らせる予定だったのだが、白沼は若手だけでなく自分を疎ましく思っていた重鎮をも味方に引き入れ、こちらにとって都合の悪い情報も握っていた。若造の戯れと侮っていたところ、あっさりと追い詰められてしまった。

このままではマズい。一時的に身を隠し、体制を整えなくては。

あなたはかつての友人である平子すず(女将)を頼り、一時的に身を隠すことにした。
平子は事情を察し、便宜を図ってくれた。しばらくは宿に隠れ、黒田派の部下たちと連絡を取り合っていたのだが……

よりによって白沼派の追手が迫っているという情報が入った日に殺人事件が起こるとは!
しかも被害者は恩のある女将だ。あなたは一刻も早く犯人を特定し、この宿から立ち去らなくてはいけない。

しかもさらに間の悪いことに、愛人である真礼が宿に来てしまった!
彼女……いや彼とは性別を超えて愛し合った仲。自分を思って追いかけてきたことが感じられて嬉しく思いつつも、追手から逃れるためによりによって女装をしてしまったという事実をどうしても隠したい。

あなたの目的
さっさと犯人を特定して警察に突き出すこと。
真礼に正体を知られないこと。


黒田隆正の行動

2日前 髭面でボロボロの状態で宿に来る。幸い、客のいない時だったようだ。
    女将に一室とってもらい、宿泊することに。
    基本的に部屋から出ず、食事も女将に運んでもらっていた。
    風呂は他の客に目撃されないよう、入浴時間終了後の24時以降に行うようにする。女将にはその間入浴できないよう取り計らってもらった。
    まあ、田舎の静かな宿だ。極端にルールを逸脱する奴もいないだろう。
    また、女将に頼んで、極力女将以外の従業員には近づかないように言ってもらった。
    事情を知らない堅気に見られると、どこで噂されるか分からねえ。
   

1日前 短い間とはいえ、全く部屋から出ないというのも性に合わん。
    ずっと引きこもっているわけにもいかないし、また逃走するときにどうすればいいだろうか……
    女将に相談したところ、「いっそ女装でもしちゃえばいいんじゃないかい?」と言われる。
    馬鹿言うな!と、つい怒鳴りつけたものの……
   「念のため、用意しといてくれや」
    あくまで念のため、念のためだ!
   夜、風呂に入りに行こうとしたが、巨漢の男がうろうろしていて出辛い。
   まさか追手じゃねえだろうな……いや、女将が大丈夫だと言っていたからいいのか?それにしてもこんな時間に、しかも動きが不審だ。あちこち探すように、確かめるように動いていやがる。巨漢が部屋に入ったところを見計らって、風呂にいく。

8時   いつも通り、朝食は運んでもらう。こっちの手も整いつつある。もう少しの辛抱だ。

10時 信頼できる筋から、白沼に居所が掴まれた、との情報が入る。ここから先、移動経路が掴まれるとマズい。ついに、決行する時がきたか……
女将に声をかけると、2階の階段脇の小部屋に通される。ここは従業員専用の部屋になっている。
   用意されていたのは着物だった。なかなか俺の体格に見合う服がなく、着物なら着付け方でどうにかなるだろう、とのことだった。
着物ならまあ、それなりに抵抗も薄い。
「じゃあ次は化粧だね」
「化粧だぁ!?」
「あたりめえだろ!その面でどうやって女だってほざくんだい!」
髭や眉毛をどうにかし、体系を着物でごまかし、鋭い目つきはサングラスでごまかしたら、意外とどうにかなったのだった。

11時 「明日香!裏に来な!グズグズしてんじゃないよ!」
さっきまで俺が着てた服を黒いゴミ袋にまとめて怒鳴り声をあげる。遠くから「はい!」と慌てたような声が聞こえた。相変わらず女にはキツいなぁ。
「じゃ、アタシはこれ片付けてくるから。」
女将は化粧箱を抱えてエレベーターで降りていく。従業員専用のボロいエレベーターだが、まだ動くんだな。部屋にいる時も感じていたが、ずいぶんギーギーと音がする。
  女将の怒鳴り声が聞こえた。何を言っているかは聞こえないが、客に聞こえる音量で怒鳴るの良くないだろ。機械音も不快だし、少し耳を塞いでやり過ごす。

11時15分 またギーギーと不快な音がしてきた。従業員用エレベーターには従業員の女の子が乗っている。
 「ええと、こちらは……?」
「あー、そのまま燃やして……おいてちょうだい? 中身はみちゃだめよ?」
……意外と乗ってきた。
 女の子はわかりました、とだけ言うと、袋を持って再びエレベーターで降りて行った。
 誰にも見られないよう気を配りながら、自分の部屋に戻る。


12時30分 部下からの連絡を待ちつつ、部屋の中でじっとしている。
待つだけという焦りからか、やたらギーギーいうエレベーター音がうるさかった。耳を塞ぎながらスマホの画面を睨みつけていると、ようやく部下から連絡が来た。

 さて、段取りは整った。さっさとここから逃げよう、とエレベーターで降りて行った。
すると、フロントに見慣れた姿が。
あれは……真礼!?
なんであいつがここに……!
しかし、どこか慌てたような、すがるような瞳を見て、全てを理解した。
俺を……追いかけてきてくれたのか……
慌てて休憩スペースのソファに座り、フロントに背を向ける。
優雅に風呂上がりの牛乳を楽しむマダムとして。
「あの……すみません」
聴き慣れた声に心臓が跳ね上がる。
「あら、なんですの?」
振り向くと、真礼は困惑した表情を浮かべる。そりゃそうだ、すまない、真礼……。
「いえ、エレベーターはどちらにあるかわかりますか?」
「ああ、そちらの壁際にありますわよ」
ほほほ、と和やかに伝えると、真礼はにこやかに会釈した。やや表情が引きつっていたが。
真礼にお別れを言えないのは残念だが、一刻も早くこの場を立ち去らなくては。

13時 休憩スペースから玄関を伺いつつ、逃げる機会を窺っていたが、地味に日帰り客が来る。意外とここの食堂も使われてるんだな……
逃走のために呼んでいた部下から追加の連絡もない。下手に目撃されたくもないし、一度部屋に戻るか……

13時5分 エレベーターから降りると、髭面のでかい男が梅の間から出てきた。会釈をされたので優雅にこちらも会釈する。風呂場に向かったようだ。
俺も自分の部屋……桜の間に戻るか。
部屋を開けようとすると、先ほどの梅の間の扉が閉まるのが見えた。
忘れ物でもしたのか?

14時 結局なにもできずに連絡を待っていると、すぐ近くから悲鳴が聞こえてきた。窓が開いていて、窓の縁には血が付いている。どうやら窓の外から聞こえてきたようだ。1階に降りると、警察を名乗る人物に足止めされてしまった。しまった、これじゃあ逃げられねえ……