JW664 拝鷹天神
【景行征西編】エピソード35 拝鷹天神
第十二代天皇、景行天皇の御世。
西暦83年、皇紀743年(景行天皇13)5月。
景行天皇こと、大足彦忍代別尊(以下、シロ)の一行は、熊襲を平定するため、襲国(今の鹿児島県)を訪れていた。
ここは、鹿児島県の高屋宮。
肝付町北方の天子山。
シロ「ついに、襲国を平定したぞ!」
やぁちゃん「おめでとうございます。残党狩りも終わったのですね?」
シロ「その通りじゃ。」
いっくん「ほな、国中に帰られるんですね?」
シロ「いや、帰らぬ。」
いっくん「えっ?」
シロ「まだまだ、伝承が有るのじゃ。」
タケ「では、大王、まずは、専寿寺に戻りまするぞ。」
いっくん「それって、エピソード659で、紹介された『鷹屋宮』と呼ばれた、行宮のことですよね?」
たっちゃん「その通りじゃ。そこに、平定後の伝承が有るのじゃ。」
やぁちゃん「ちなみに、宮崎県小林市の細野にある、お寺にござりまする。」
こうして、一行は、専寿寺に戻った。
そして・・・。
シロ「エピソード659に登場した鷹を『拝鷹天神』として祀ろうと思う。」
いっくん「祀ったけど、結局、寺になったんやね?」
もち「そんげなコツ、言うもんでは、なか!」
ナッカ「ちなみに、専寿寺の裏山は、鷹導山と名付けられたみたいっす。」
いっくん「読み方に『?』マークが付いてるんやけど・・・。」
ヤヌシ「本当の読み方は、わからなかったなり! 作者の予想なり!」
いっくん「聞いた『わて』が悪かったです。すんまへん。」
影媛「ちなみに、こちらの裏山ですが、中世においては、お城になったそうです。」
いっくん「城?」
舟木「その名も、三つ山城にござる。」
いっくん「ほんで、これから、どうしはるんです?」
シロ「うむ。高屋宮にて住まおうと思う。」
いっくん「住まう?」
モロキ「『日本書紀』によりますと、五年間ほど、こちらに滞在なされた由。」
いっくん「五年間!?」
ウナ「では、『おい』は、地元に帰らせていただきまする。」
いっくん「えっ? 地元?」
シロ「『ウナ』は、大分県の国東半島の豪族であったな?」
ウナ「はっ。地元が気になる、今日このごろにござりまして・・・。」
シロ「うむ。これまで、大儀であった。」
いっくん「淋し、なるなぁ。」
ウナ「では、皆様、お達者で!」
別れの言葉を告げ「ウナ」は、国東半島に帰っていった。
そして・・・。
夏花「では、大王。あの御仁を呼んで参りまする。」
シロ「うむ。」
いっくん「あの御仁?」
小左「その名も、御刀媛にござる。『ハッカ』と、お呼びくだされ。」
ハッカ「私が『ハッカ』にございます。よろしゅう御願い申し上げ奉りまする。」
ワオン「ちなみに『ハッカ』殿は、地元でも有名な美人にござりまするぞ。」
ハッカ「は・・・恥ずかしゅうございます・・・(〃ノωノ)。」
いっくん「えっ? 地元って、宮崎県ってこと?」
ワオン「高屋宮の候補地は、宮崎市と西都市にござりまするゆえ、そうなりまするな。」
やぁちゃん「して『ハッカ』殿を呼ばれた理由は?」
シロ「う・・・うむ。妃にしようと思うてな・・・。」
やぁちゃん「はぁ( ゚Д゚)ハァ? そんなに、妃が要り様ですか?! 私や『カヤ』殿が居るのですよ!? 大后の播磨稲日大郎姫こと『ハリン』様に、何と申し開きすれば、良いのですか!?」
シロ「なっ!? 『ハリン』に申し開きなど、要らぬ!」
野見「こ・・・此度のことは『カヤ』殿と同じではないかと・・・。」
カヤ「私と同じ?」
野見「はい。熊襲・・・もとい、隼人と誼を結ぶため『カヤ』殿を妃となされもうした。此度も、高千穂の豪族と、誼を結ぶためではないかと・・・。」
シロ「野見! よくぞ申した!」
やぁちゃん「そ・・・そう言われると・・・。」
ハッカ「そして、子供が産まれました。」
百足「えっ? 早すぎませぬか?」
ハッカ「その名も、豊国別にございます!」
おやた「豊国と呼ぶことに致しましょうぞ。」
シロ「諾なり。」
えっさん「承諾した・・・という意味にあらしゃいます。」
宮崎県に滞在することになった一行。
これから、何が起きるのであろうか?
次回につづく
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