自粛生活は日常生活。

テレビでよく言われている新しい日常。
普通に生きている人には
変えざるをえない事が沢山あるのだろう。
良いのか悪いのか
私はそういう事が全くない。

「外出は控えましょう」
私は家からの外出がなかなか難しいので
ふらっとコンビニに行くこともありません。
「遠くへの移動は避けて下さい」
家から離れれば離れるほど不安になるので
とりあえず家からは出ておりません。
「大勢での飲み会は禁止」
そもそもお酒を飲まないし誰かと外で食事なんてレベルが高いのでこれも問題ない。

緊急事態宣言が出た時はまだ働いていたので
少しだけこの状況での企業のバタバタ感はみている。
私の仕事は外に出てなんぼの内容だったので
在宅に切り替えるのは
仕事をしてない事に等しかった。
苦肉の策だろう。
自宅学習が課題となった。

学習しようにもまず閲覧出来る資料などが殆どなく
それでも一応全部の項目に目を通した。
企業理念とかそんな所まで暇だから読んだ。

今は世の中も経済回さないとやばくない？的な雰囲気なので
あのまま働いていたら今は通常勤務だっただろう。

緊急事態宣言が出た時
不謹慎だが、私は少し嬉しかった。
私の日常にみんなが仲間入りしてくれるのだ。
私の異常な日常生活を沢山の人が自粛生活という名のもとで行ってくれる。
いつも少数派の私が
多数派に参加する事が出来たのだ。

だから今も少し、感染者が増えたりすると
色んな制限が出される事が嬉しかったりする。
仲間が出来ると錯覚でもいいからしたいのだ。

世の人々は
一か月も自宅から出られないと
普通は嫌になるのだと知った。
私は一か月なんて平気で家の中だけで過ごせてしまう。
そこになんの不満もない。
ストレスも感じない。
寧ろ自宅待機なんて嬉しくてたまらない。

なんとなくだが
やっぱり私は普通の状態じゃないんだよと
教えてもらえた気がした。
その事に関してはいつも自信がない。
どれだけ薬を飲んでいようと
どれだけ病院にかかっていようと
心の病気は検査などで数値化されないから。
なので診断されても根拠が弱いと常々感じている。
その結果いつも私は
甘えているだけなんだ
そんな気持ちを払拭出来ずに時を重ねている。

甘えている・サボっている・だらしがない・やる気がない・気合いが足りない・頑張りが足りない・頑張る気がない・自分に甘い・楽な方に逃げている…
あげだしたらキリが無いが
そういう理由で今の自分がいる。
それを都合よく病気のせいにしている。

そんな風に心のどこかでいつも思ってしまう。出来ない自分を責めてしまうのだ。
実際、他人にそう言われたことも何度もあった。

他人に言われるのはやっぱりダメージが大きい。
漫画で表したら分かりやすいだろうと想像する。
もの凄く大きな岩や大きな矢が
私の体を突き刺すような絵になるだろう。
出来れば少し笑えるような感じだとありがたい。

そんな風に言われた時は
自分でも分かってますよと
心の声で返事をする。
口に出してもきっと相手には届かないし
届いたとしても響かないだろう。

分かってもらおうなんておこがましいと流石に学んでいる。
分からなくて当たり前。
私だって同じ病気でも
自分以外の人の心の中は分かってあげられるなんて思ってもいない。
そんなの傲慢で、何を全てが分かった気でいるんだとぶん殴ってやりたくなる。

でも、寄り添いたいとは思う。
他の人より、自粛生活をする人よりは
少しくらい似た経験や分かると思う事もある気がして。

こんな未曾有の世界の中で
私は自分が大多数に入れる事に喜びを見つけてしまった。
なんて酷い人間だろうと我ながら思う。
でも、それほど普段は孤独なのだ。

こんな時だから、みんなと一緒って嬉しかった。

思ってもいいですか…？
私はサボっているわけじゃないって。
楽な方に逃げているだけじゃないって。
少しは病気を言い訳にしていいですか…？
やる気がないわけじゃないって。
頑張ってないわけじゃないって。

病気を理由にしていいですか…？
こんな私の日常生活。