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韓国映画界の勢い

自粛生活12日目。
新型コロナウィルスの終息の兆しが見えないまま、ひたすら"おうち時間"なるものを過ごす3回目の週末を迎えた。

そんな"おうち時間"を過ごす中で、昨日韓国映画の『7番房の奇跡』という映画を観た。
知的障害というハンディキャップを背負いながらも娘を世界で一番大切に想い、愛する父の姿を見て、その父を支える幼い娘の親子愛の映画だ。

この親子を見て自然と周りが支援の手を差し伸べていく姿は、ただ単に"障がい者だから"という理由ではなく、父と娘の絆や人に対して真っ直ぐ素直に優しく接しられる純粋な心を持った主人公だから周りの心や姿勢を変える力を持っていたんだなと感じさせられた。

韓国のヒューマンドラマはなんでこんなに泣けるのだろう…。

近年の韓国映画、ドラマの勢いはすさまじい。
記憶に新しいのは今年のアカデミー賞で「作品賞」「監督賞」「脚本賞」「国際長編映画賞」の4冠を達成した『パラサイト~半地下の家族~』があげられるだろう。
これはアジア初の快挙であり、私も昼休憩の時間に声を上げて喜んだし、同じアジア人としてとても誇らしく、心から喜びを感じた。
『パラサイト』では韓国の格差社会、半地下に住む人々を風刺し話題になった。
また、Netflixで3月28日に配信開始した韓国ドラマ『梨泰院クラス』では人種差別、LGBTQ+、格差を描いており、話題になっている。
(『梨泰院クラス』は若者のリアルをとらえており、期待値以上の作品だったのでぜひ見てほしい!衣装も韓国の流行をとらえているのでファッションが好きなひとにもおすすめ)

こうした社会問題を取り上げ、韓国国内だけでなくアジア、ひいては世界で評価される作品を多く生み出している。

韓国では’00年ごろから国を挙げて映画業界に力を入れ、財源を投資してきたという。
国が積極的に支援を行うことで一般企業やその他投資家が投資しやすくなる基盤を作るという構図らしい。
よく考えられたうまい構図だと思う。
(ここまでに至るのには険しい道のりだったと思うが…)

それに対し、日本の映画業界はどうだろうか。
2016年11月28日の現代ビジネスWEBに掲載された
是枝裕和監督のインタビュー(立田 敦子氏)が印象的だった。(https://gendai.ismedia.jp/articles/-/50258?page=2

「若手への支援とか、海外進出へのサポートがもっとあってしかるべきです。“クール・ジャパン”と言って、公的資金を使ってカンヌ映画祭で、くまモンと一緒に写真を撮っている場合ではない。
それで日本の文化を海外に発信しているつもりになっているとしたら情けないことです。そのお金で若手の映画監督たち100人に、あの映画祭を経験させられますよ。

韓国では興行収入の4.5割が劇場分で、残りの5.5割を映画の製作委員会(出資者)と制作会社(監督など作り手)が6対4の割合で分け合うそうです。
つまり、興行収入が10億円あったとすると2億4000万円が、一番汗を流した制作者たちの手に渡る。そして、その資金は次の作品の準備に充てられます。でも、日本だと5割が劇場で、残り5割のうち1割を配給会社、4割が製作委員会に渡る。多くの場合、監督には配分がないんですよ。」

これでは、“クール・ジャパン”=かっこよく、スマートな誇れる日本ではなく“冷たい日本”ではないか。
良い映画を作ったとしても、海外で活躍できる機会を作らなければどんどん廃れていき、日本映画が忘れ去られてしまうのは時間の問題のように思う。

映画だけにとどまらず、これはすべてのエンターテインメントに共通することだとは思うが、今回の新型コロナウィルスにおける経済対策でもフリーランスに対する救済措置が酷なように、映画界へ支援を求めるのには今の日本には難しいように感じる。

まずは一刻も早く新型コロナウィルスが終息し、気兼ねなく映画館に行ける日常に戻ってくれることを祈るのみ…。

PS
TOPの写真は昨年末に韓国旅行へ行った際に東大門にある写真スポットのオブジェで撮影したもの。
夏あたりに韓国へまた行こうかと計画していたものの果たして行けるのか否か…。サムナクチとサムギョプサルがほんとにおいしかったので早く本場の韓国料理が食べたい!!ので今日はチゲ鍋にしよう。。

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