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人間いつでも前触れなく壊れるぜって話

 2019年に公開されたアニメーション映画の『プロメア』。皆さんご覧になられまして?
 わたしずっと観る予定がなかったんですけれども、ちょっとお休みがあってその時に観に行けるなってなって、レイトショーしかなかったんですがチケット取ったことがあるんですよね。

 今回は胃腸の話です。

1・きっかけ

 プロメアって公開されてから人気で人気で延々上映期間延長されてましたね。わたしが観に行ったのは五月の公開より遅くて、七月になってからです。その後も延長延長でしたし、別途応援上映なんてのも出たりして凄かったですねえ。
 とにかくプロメア、観に行くつもりはなかったんですが面白いことはわかっていました。製作陣がアレで声優がアレじゃん? 劇団☆新感線に馴染みがあると絶対初見で「イケるわ」となる布陣。絶対間違いない。
 ツイッターでのフォロワーさん達も次々観に行っていて、「絶対面白いから!」と背も押され、上記の如く予定も合ったので観に行くことにしたのでした。フォロワーの熱に押されて観に行く映画は『刀剣乱舞』ぶり。刀剣乱舞も意外なほどに面白かったので大期待で向かいました。

 そうこうしての映画開始。右から左から音の洪水じゃ~~!! 音と光の……その……えーと……寒いな? こんな寒いことあるか? いやほんと寒いな??
 今までの人生で行った様々な劇場。その中で感じたことがないほど寒く、思わず「ここの空調凄いな?」と思ったことを覚えています。
 まあ、劇場の所為じゃなかったんですけど。
 そうこうするうちにね、尿意が来てね、めちゃくちゃその……気持ち悪い……? え、突如なに? そう思うくらい、戸惑うくらい気持ち悪い……
 困惑を余所に進む映画、どんどんハイテンションにクライマックスに進んで──!

 あかん。
 わたしもクライマックスに陥ってしまった。

 これは今でもはちゃめちゃに申し訳ないと思うんですが、もうどうにもならなくて席を立ちました。お近くのひと達、こんなクライマックスで去る人間にびっくりしたと思う。邪魔だったと思う。本当に申し訳ない。
 そのまま流れるようにお手洗いに籠もってしばらく──。ようやくちょっと持ち直してスクリーンに戻ろうとしたんですけど、扉からスタッフさんが出てきました。

「あ、中って……」
今(上映)終わりましたよ!
 さわやかー!! ありがとー!!

 そんなわけで、プロメア初見、超クライマックス&エンディングを見ずに終了しました。
 こんな映画鑑賞初めて……。おお……神よ……。
 その後、冷や汁食べて「ウッ気持ち悪い」となりながら帰宅しました。
 これはほんとに言い訳なんですけど(こいつ)、我が家って具合悪くても味の濃い物がガンガン出てくる家なんですよね……。それに沿って成長したわたし、調子が悪くても「言うて食ったら治るかもしれん」というフィジカル(馬鹿)な思考になってしまったのだ……。まあ濃い味じゃなくて冷や汁選んだところは褒めてほしい(?)。そして食っても治りませんでした。これは本物(?)である。

 そうして翌日、通院した内科で主治医が言いました。
「胃腸炎!」
「はい」
 はい、頑張って治します。

2・階段落ちですわよ

 どっこい話は終わらねえ。
 そのまま具合が悪いことが続き、なんでこんなに……と思いながら通院を重ねたところ、知らず膀胱炎になっていました。腹壊すと膀胱炎ってなりやすいよね、わかる。わかりたくないけど。わたし、膀胱炎っていつも痛みないんで膀胱炎って気持ちにならないんですよね。サイレント膀胱炎。

 て薬飲んでも全然治らんっていうか変な気持ち悪さがあっておかしいな……とまたまた通院したら、主治医が言いました。
「見て、白血球が今急速に作られてる。若々しい白血球が今増員されてる
「今増員」
「これからお祭りだね」
「これから?? 今の諸症状出るの早すぎないですか??」
フライングだね
 気づくの早くて助かったね~そうですね~~ひとの身体の中で勝手にコミケ徹夜組作んなや!!!!!!
 腎盂腎炎でした。発見が早かったので発熱もせず、勿論入院もせずに済みました(高熱が出て入院するのが常みたいな病気です)。

 ここまで、映画鑑賞から二週間ちょいです。何この地獄。

 その後、過活動膀胱になり、過敏性腸症候群にもなるという変遷を半月ほどで味わいました。ただでさえ暑い夏の盛り、本当に体調がゴミ! ゴミクズ!! 人間の身体など一気に壊れる、ということを2019年の夏に嫌になるくらい味わった形です。
 元々虚弱でして、胃腸も悪かったのですが、この時の夏はその比ではありませんでした。

 胃腸を壊しすぎて、尻の感覚も壊れてて、汚い話で申し訳ないんですけど下から出ようとしているものがガスなのか実なのかさっぱり判別がつかない。膀胱も壊れてるみたいなもんだから、菌を出す為に上から飲んで下から出したいが身体が更に出そうとするので(過活動)お手洗いに入ったら問答無用で出る。そして脱水!
 いやほんと……壊れてんな……としみじみしました。文字通りくの字になって通勤していました。熱中症もやったし、ちまちま点滴もして、つまり通院は頻繁に繰り返していましたが、それでも入院まですることなく済みました。

 あんまりひどいのでいろいろ検査もしましたね。膀胱の為に大きな総合病院(小さな泌尿器科はおじさんおじいちゃんばっかりだからという主治医の善意)にも検査にかかったんですが、なんも出ませんでした。おなかを壊したストレスが原因って言われて「それな」ってなった。検査は水責めって感じでした!!!!(…)
 しばらくして胃カメラも飲んだけどなんもなかったです。綺麗な胃だって言われたけど涙鼻水ヨダレ出してたので記憶が曖昧
 まさかなと疑って婦人科にもかかってみました。現在の原因になるものは何もありませんでしたが、筋腫が発見されて今も定期検査しています。知らんでぬくぬく育ててるよりいいわ! 皆気軽に婦人科行くんやぞ!

 とにもかくにもこの夏はほんと脱水だし栄養失調気味だったと思う! すぐ刺激になって気持ち悪くなっちゃって、ご飯を満足に食べられなかったんですよね。
 一人前を食べるのに一時間かかるし、途中でちまちま小休憩を挟まないと駄目。小分けにして食べた方が楽、一日小食で五食とかベストというタイプなんですが会社勤めしてるとそうはいかないじゃないですか? そうした中で、昼食はお弁当が食べられなくなって、あかちゃんの拳くらいのサイズのおにぎりだけでした。それでも三十分以上かかる。緩やかな地獄。
 摂取カロリーと栄養が足りなすぎていろいろ小さな物を口にするようになったんですが、何がよくて何が駄目かもわからなかったので常に手探りでした。甘い物も大分刺激物で、バターは倒れたしあんこも倒れた。一度気持ち悪くて倒れると半日は潰れてしまうので、休日は大抵倒れ伏していました。体力もなかったので本当に大変でしたね……。

 これは比較的調子がよくなりだした時を狙って食べた小さいフレンチトースト。これ以外食べられずにお出かけは終了でした。
 これは冬に食べたプリン。食べてから寝込みました。

 とても悲しい……。
 勿論ですが痩せました。この前に薬でめちゃくちゃに太って、薬終わってそれがいきなり落ちて、数十キロくらいの増減を経験した矢先のこれ。周囲は驚いていたと思います。下着を買いに行った時に店員さんに「身体悪くされました?」と言われた時にはめちゃくちゃプロを感じた……! 痩せ方が病気のそれだそうで。
 皆、痩せるなら健康的にね……。

3・その後

 こうしたドタバタを経て、気がついたら今まで出来ていたことが出来なくなっていました。その最たるものが『移動』です。
 鉄道通勤なんですがこれが凄く大変で、常に気持ちが悪いので座席を確保出来ない車両には乗れません。お手洗いがない車両にも乗れません。必要になってからわかるもんですが、車両の形によってはお手洗いの使用中か否かの状況が目の前に行かないとわからなくてすっっっごく不便! とにかく、今では使う電車だけですが、どの車両にお手洗いが付いているのかおおよそ把握しています。すっかり覚えてしまったのじゃ……。
 つまり、そうしたことのわからない交通機関には容易に乗れないんです。バス然り、新幹線然り。車もピーク時には十分ほどの距離でも気持ち悪くて大変でした。

 あんまりにも不調続きで、気がつけば『広場恐怖症』になっていたんです。

 これは前述の膀胱の検査でも先生と話したんですが、「車内でも具合が悪くなったりした。身体がそのストレスを覚えている」ということが原因の一端でもあるかと思います。本人は「もう大丈夫だろう」と思っても、身体がストレスを記憶していて、蓄積されて、スイッチがパァンと弾けてるわけです。
 わたしは短期間で雪崩のように諸症状を引き起こしたので、もう身体のストレスもマックスだったでしょう。特筆するような炎症ももはやないにも関わらず、一度入ってしまった体調不良のスイッチを元の場所に戻すことが出来ないのです。

 とにかく、自覚があったので「成功体験を積むしかないな」と思い切り、途中途中の駅で降りて休みながら帰るということを繰り返し、一本の電車に乗って移動を完了出来るようになりました。ドンドン努力の子!(朝は出来なかったから体調不良ピークの時はしんどかったな)
 普通列車はともかく、バスとか新幹線とか気軽に成功体験積めない。強制的に同人イベントに参加出来なくなりました。オフ活動人生って~突然幕が下りるじゃん~~!!

 日常生活に支障が出て、行動範囲も狭まって、それでも少しずつ手探りで日々を生きております。
 こうした中で幾つかの縁が遠くなったり切れたりしたけど、どれもな~んの後悔もないからなるべくして切れた縁だな~。
 他人の病状を容易に話してもらえると思ってるの、あまりにも傲慢だから皆気をつけてね。誰しも何がしかの状態を抱えていたりするし、かといってそれをわざわざ他人にいちいち説明しないでしょ。家族だから話せるひと、他人だから話せるひと、いろいろいますけど、なんにしろそれはそのひと自身のタイミング・考え方でしゃべるわけであって、聞く立場のひとの希望でしゃべるわけじゃないです。それと、他人はあなたの思うように動くわけじゃないです。
 こんな状況にも関わらず、とやかく言わずに付き合いを続けてくれている友人には感謝しています。すぐ胃腸壊して倒れてるし、一緒に遊んでも物は食えないし、体力激減したしで朝から晩までとか無理。いいとこなしじゃん!? ほんとセンキュー!!

 なお、プロメアのラストは友人がきちんと教えてくれました。
「クレイ、罰で脳味噌だけあればいいってポットに収められたりしてないの?」
「ヤバい性癖が浮き彫りになってしまったな」
 ないか~そうか~(なかった)。

 三年半以上を経て、現在の身体の病名としては『機能性ディスペプシア』! 名前だけはカッコよすぎて地下闘技場にいそう!!
 こいつと広場恐怖症と上手いことステップ踏みながら今年も倒れたりしつつ、じゃんじゃか宜しくお願いしま~す!

 オマケ!

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