菊池真琴

剣道→ボクシング全日本選手権優勝→日本代表→プロボクサー。 ウィルスと不況の煽りで競技…

菊池真琴

剣道→ボクシング全日本選手権優勝→日本代表→プロボクサー。 ウィルスと不況の煽りで競技を一旦ストップして水道屋。そしてまたプロボクサーに。 •デビュー戦敗北 •3戦目で東洋太平洋王座獲得 •4戦目で東洋二階級制覇 山あり谷ありな競技人生を思うままに綴ってます。

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  • プロボクサーは水道屋に。

    元日本代表の女子プロボクサーはウィルスの影響でスポンサーも試合も失った。水道屋になり夢を取り戻す為に日々葛藤した話。人間臭く泥草くありながら人の暖かさや優しさを感じ日々成長していく。ノンフィクション。

  • スポンサー獲得事例 〜アマチュアボクシング〜

    【番外編】 アスリートによるアスリートの為の。 競技活動を充実させる為に成すスポンサー獲得方法を偉そうに説いたシリーズ。 6本立て!!!!!

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プロボクサーは水道屋に。

 これから綴る話は、  「さぁ!これから世界のベルトを!最短かつ3年以内に獲りに行こう!!」そう息巻いて駆け出したボクサーの身に起こった出来事です。  先ずは自己紹介。  私は現在33歳の女子のプロボクサーです。 プロと言っても未だデビュー戦もしてない無戦のプロボクサーになります。  少し前まではアマチュアボクシングで日本代表。東京五輪の強化指定を受けてオリンピックを狙ってました。  しかし五輪戦線の途中。夢半ばで敗れてしまい、2020年1月。未だ有る伸び代の行き場を求

    • 東京五輪を逃しプロ転向したプロボクサー。突き付けられた現実。デビュー戦の惨敗とその裏側。

      8月11日(水) エディオンアリーナ第二競技場 菊池真琴(山木)VS 赤林檎選手(真正)  緊急事態宣言下。お盆前の平日の夕方に私のデビュー戦は行われた。  結果は判定負け。  負けた当初は頭の中が真っ白で何も考えられない状態だった。  五輪戦線で負けプロ転向をし、競技を中止したり模索したりを繰り返し一年半もの歳月の時を待ってようやく立てたリング。  練習、合宿、広報、拡散、告知。  初陣ながらありとあらゆる準備を思い付く限りに行った中で立った舞台。  しかし白星を獲得す

      有料
      200
      • 桜散り青葉息吹く頃

         長らく更新が滞っておりました。  今回はご報告の回。  結論として、私菊池真琴は再びボクシングに戻りました。  2月中頃。  メインスポンサーとしてご契約頂いていたスポンサー様より急遽契約解除の申し入れがあり約2ヶ月間競技活動の全てを中止し新規スポンサー営業に奔走しました。  私はプロ転向した際の公約の一つに  「ボクシングで飯を食う。」という事を組み込んでおります。  理由は  ・ボクシングを職業として捉えたいから。  ・ストイックな趣味として捉えたくないから。  

        • 夢と現実の間で

           水道屋シリーズをご覧の皆様。  今回はご報告の回。  この度、12月に契約を結んで頂いた株式会社イーライフグループ様より契約解除の申し出がありました。  契約期間2ヶ月と大変短い時間ではありましたが、「もう二度と競技には戻れないかもしれない…。」という思いと「諦めんな。絶対競技に戻って目的を果たすんだ…。」という思いが交錯する中で差しのべて頂いた手。  急な宣告ではありましたが一瞬でも夢への道筋に光が射した事は事実で、深く感謝しております。  試合も決まらず、何もお見せ

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        プロボクサーは水道屋に。

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        • プロボクサーは水道屋に。
          25本
        • スポンサー獲得事例 〜アマチュアボクシング〜
          6本

        記事

          深夜の訪問者

           夏の夜の話。  その日は遅番だった。  ひと気の無い深夜。埼玉の外れにあるだだっ広いコンビニの駐車場。  0:00を回る頃だったかと思う。私は軽バンの中で待機をしていた。  夏のじめじめした空気がウザったい。  それでも節約の為エンジンはかけずに窓を半分開けてアニメ「どろろ」をスマホで楽しんでいた。  街灯の少ない駐車場は真っ暗だ。  たまに山の方から「ぴいぃーーー!!!!!」と鳥が何かの鳴き声が響く。  その度に "びくっー!?!?"と反応する。  「あぁ。いやだ

          深夜の訪問者

          相見積情熱物語

           日本には数多くの緊急水道業者がある。  お客様の中にはいかに優良なサービスを如何に安く依頼するかという点で競合企業を複数社呼んで相見積もりをかけるという選択を取られる人もいる。  今回はそんな相見積もりの現場の話。  梅雨時期の昼間。  神奈川県某所に水栓器具の水漏れで臨場した時の事。該当住所に到着すると家の前に3台の軽バンが止められていた。  「こりゃあ嫌な予感しかしないな…。」  軽バンの中には競合他社のマグネットが付いたものもあり、確実にこれは相見積もりの真っ

          相見積情熱物語

          筋肉の夜

           水道屋の帰りは遅い。  早い日は朝7時頃には家を出て帰宅が真夜中の3時を過ぎる事なんてざらにある。  お客様のお宅か車での移動。そして車内待機で一日があっという間に過ぎていく。  そんな生活の中、当時最も恐れていた事があった。    "体力の低下"  30歳を過ぎた身体は動かさなければ直ぐに錆びつく。事実鍛えていたはずの身体は日を増すごとに劣化しつつあった。  「こんなんじゃいざ競技に戻れる日が来ても動けないや…。」  危機感を感じた私は近所に新設された24時間営業の

          筋肉の夜

          親方

           水道屋として稼働を始めてすぐの話。  神奈川県某所の一軒家にて敷地内水道管の破裂の為給水管の引き替え工事を行う事となった。  大掛かりな工事となると自分が現場監督兼お客様との窓口となり、職人さん達と共に完工まで対応しなければならない。    初めての自分の現場での工事。  私はひどく緊張していた。  今回の現場で対応してくださる親方は30年以上水道職人として生計を立てている百戦錬磨の職人さんだった。  会社所属の職人軍団の中でもトップクラスの方。  私の勝手なイメージ

          彼女の見つめる先

           霧雨と湿気がまとわりつく梅雨の日。  一人暮らしの女性のお宅にトイレの水漏れで臨場した。  到着してすぐ、彼女は不安そうな顔で私をトイレに案内してくれた。 彼女「トイレの後ろの金具から水が漏れてて…。下の階に行ってたらどうしよう…。」 菊池「ここのアパートは鉄筋コンクリート作りですし、この程度の漏れなら大丈夫ですよ。^ ^ 」  説明を終わらせ作業に取り掛かる。  在宅ワーク中の彼女は作業中何度も様子見がてらに話をしに来てくれた。 彼女「清潔感のある方で良かったです

          彼女の見つめる先

          まこちゃん

           去年の秋の日の夜の事。  台所の水洗器具から水が四方八方大量に噴き出しているとの事で古い一軒家に臨場した。  現場に到着すると台所近辺は勝手口に水が流れ出るほどの水浸し。「シューっ!!!」という音と共に台所の下から次から次に水が噴き出していた。  しかし盛大に吹き出す水を尻目に、リビングではお婆ちゃんと奥様。奥様の妹さん2人が楽しそうにワインで酒盛りしていた。 奥様「遅くにごめんねぇ!突然噴き出して来ちゃって、もうどうしたらいいか分からなくて気にしない事にしたの。笑」

          まこちゃん

          2021年

           明けましておめでとうございます。 今回は新年の抱負の回。水道屋の現場ストーリーではありません。  2021年が始まった。  昨年の今日。私はプロテストを控えており、今日と同じ様に練習をし、アマ時代に無理矢理増やした体重を15㌔近く減らす事に必死になっていた。  そしてプロテスト後のデビュー戦を順調に迎えること。当時のスポンサー企業様と共にプロとして思い描いているストーリーを順調に歩んで行くこと。  そんな事に期待で胸を膨らませていた。  しかし2020年。  世の中は

          寄り添う犬

           夏の日の事。  汗だくになりながらお客様のお宅でキッチンの水栓器具を交換していた。  流し台の下に仰向けに頭を突っ込んで器具を外していた時、私の腹部に何かが触れた。  "え。何?なんかおる。なに?"  恐る恐る腹部の方に目を向けると私の腹に顎を乗せて寝そべる1匹の犬がいる。  オムツをし、くたびれた毛並みのダックスフンドのお爺ちゃん犬。 私「へっ?なんよ!どっから来たの?」  作業を一旦ストップして寝そべる彼に触れてみた。  彼の目は真っ白で私の姿が見えているのか

          寄り添う犬

          消毒の極み

           結構前の話。  天気の良い昼下がり。トイレ詰まりの現場に臨場した時の事。    訪問先の玄関で家主の80歳位のおじいちゃんといつも通り症状などをヒアリングした後、自宅に上がろうとした。 じいちゃん「おっ!兄ちゃん。消毒して上がってくれ。こんなご時世だから一応な。」 私「承知致しました!」  持参して来たハンドソープタイプの消毒を手に付けようとした時、じいちゃんが言った。 じいちゃん「あ。どこでかって買って来た分からん物じゃ無くてウチの消毒でやってくれ!これは強ぇから

          消毒の極み

          プロボクサーは水道屋からプロボクサーに。

           5月から水道屋として働き、様々なエピソードを投稿して参りました。  途中夏頃からは投稿がご無沙汰になってしまいましたが…。  今回は報告の回。ヒューマンドラマな投稿では御座いませんので悪しからず。  結論から申し上げますと、菊池真琴は   ”ボクシングに戻って参りました"  3月。収入を断たれ、デビュー戦が流れ、興行も中止となり。その先の目処も立たず、ボクシングを辞めることも覚悟して…。  私はボクシングを離れました。    第一回目の投稿でも触れましたが、その後腹を

          プロボクサーは水道屋からプロボクサーに。

          【番外編】スポンサー獲得事例⑥〜アマチュアボクシング〜

           ⑤までお目通し頂きましてありがとうございます。  今回はいよいよクライアントさんと直接お会いする際の留意点を挙げていきたいと思います。  〈アポ時留意点〉  これまでの努力が実りようやく獲得したアポイント。積み上げてきた準備に手間暇かけた分だけ懸ける思いは一入だと思います。   では実際にお会いする上での留意点を上げていきます。  ・遅刻厳禁  ・忘れ物  ・丁寧な挨拶  ・お相手の話を遮らずにきちんと聞く。  ・言い難い内容や要求も臆せず伝える。  こんなとこ

          【番外編】スポンサー獲得事例⑥〜アマチュアボクシング〜

          【番外編】スポンサー獲得事例⑤〜アマチュアボクシング〜

           今回は実際に手紙を出した後、企業様からご連絡を頂いた際における留意点を説明致します。 〈アポイント獲得における留意点〉  手紙送付後は我慢との勝負になります。  「レターパック等で追跡をかけて届いた事が確認出来るのに連絡が来ない。」  「もしかしたら代表まで届かず捨てられちゃったかも。」  「もう1週間経つ。ダメだ。あんなに頑張って書いたのに…。」  そんな事が頭の中をぐるぐる駆け巡ると思います。一生懸命に気持ちを込めて事前準備を整えていればそれだけきっとその気持ち

          【番外編】スポンサー獲得事例⑤〜アマチュアボクシング〜