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17話: 日本医事新報社とコラボ3/吃音の波の話

こんばんわ!ニッチな吃音を専門にする医師の菊池です。

毎週月曜日に日本医事新報社から吃音の話をupされる予定で進んでいます。3/8 エントリー編 2:利き手矯正と吃音の波 がupされていました。母親と私の会話形式で簡単に読める内容となっています。
読んでいただき、♡を押していただけると、とてもうれしいです!

日本医事新報社の吃音note連載とは違った視点で、こちらのnoteの記事を書かせていただきます。

「吃音の波」

これが吃音者をとても悩ませるのです。ある日はとても流暢に、電話でも吃音が出ずに流暢に話せると思ったら、次の日は話す言葉ほとんどに吃音が出て、症状に一貫性がないことです。

私も随分、英語論文を調べましたが、この「吃音の波」と言われる現象についての研究はありません。

ただ、58年前の吃音の有名な臨床家ヴァン・ライパーの吃音方程式があったことを思い出しました。10年前の講演会の資料を引っ張り出し。

以下の、過去の罰、欲求不満、不安、敵意、恥、場面・語の恐れ、心理的圧迫により、吃音頻度は増加する。吃音を軽減するには、自信(意欲)と自覚的な流暢さの2つしかない、と言われていました。だから、吃音は容易に増加しやすく、吃音の波が生じるのでは。

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この吃音方程式、以前は吃音を理解するために、ことばの教室で用いられていました。

東京の滝田先生が5年前に新聞取材に応じた時に、気球のたとえで、吃音方程式の内容を用いていました。

10年前までは伊藤伸二先生があちこちで、この吃音方程式を講演中に話していたので、古くからのことばの教室の先生たちは知っているとは思います。今のことばの教室の先生は知らないのかもしれません。

この吃音方程式は、海外の最近の本でも書かれていないし、数式で科学的に示された訳ではないです。ただ、数千人の吃音を臨床した方の経験からのものなので、知っておくことでしょう。

そして、このヴァン・ライパー先生の吃音方程式の考えを引き継いでいるのが、日本ではメンタルリハーサル法(RASS)の都筑先生です。

都筑先生がこの吃音方程式を見て、増加させるのは、「過去の」罰・欲求不満・不安・敵意だと。だから、吃音は「過去からアプローチ」と考え付いたのだと言われていました。

歴史を知っていると、吃音のことを語るのに深みが出ます。参考に。


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