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SONAR

2018/9/29金 15:00- 横浜赤レンガ倉庫1号館 3Fホール

振付・出演:森山未來、ヨン・フィリップ・ファウストロム
音楽・出演:及川潤耶
舞台監督:尾崎 聡
照明:吉枝康幸
音響:中原 楽(ルフトツーク)
衣装:藤谷香子(FAIFAI)
レジデンス・サポート:FRIKAR(ノルウェー)
協力:
株式会社シンタックスジャパン
ZKM カールスルーエ・アート・メディアセンター
株式会社クロノス・インターナショナル

すっごくよかった。観る、というより体感する、というほうが近いパフォーマンス。ダンサーとしても大物になりつつあるなぁと感じる未來くんだけど、彼の出る作品はいつも新鮮で刺激的。演じ手としてだけでなく、企画者(変な言葉。適切な言葉が思い当たらなくて)としても目が離せないと思う。

なかなか言葉にしづらい作品なのだけど、忘れたくないから無理矢理にでも文章にしないと。

ホール内に座席はなく(足が不自由な方用に一段高くなったところに椅子席はあった)、観客もダンサーと同じフロアに立ち自由に回遊できる形式。開場すると未來くんとヨン・フィリップの二人は既にそこにいた。

音楽はなく、不思議な効果音が入る。(及川さんがベース(ギター?)の生演奏で参加していたというのは終わって初めて気が付いた。)

二人は、ほとんどの時間、離れている。でも離れているときは常に、相手がどこにいるかを探している。「探す」行為は、タイトルにもなっているSONARという言葉のとおり、音を通じて、だ。前半は、せっかくの巡り会いが一瞬だけだったり、観客の中でやっと出会えても目の前の相手が視覚的には見えていないようだったり。

なんとなく、海に生きるものたちは、こういう感じなのかなぁと思った。

後半、やっと二人がお互いに触れ合う近さで座り込み、手を筒状にしたものを交わして呼吸を交換する(としか言いようがない)。全身を使って相手に息を吹き込むように激しいリズムを作るその動きが具体的に何を表現しているのかは全く分からないけど、生命の力強さと、相手に対する信頼を感じる。その後は離れるシーンがあっても、前半よりお互いを意識する感じが強かったように思う。最後は光の道の中でと組み合って踊る二人。

ダンスのパフォーマンスだけど、いわゆる「ダンスをしている」時間は半分もない。でも、広大な海に生きる大きな生命体に出会ったような感覚が心地よい。私たち観客は、泳ぎ回る彼らの動きに反応してゆらめく海草みたいだった。

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