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きわめて個人的な村上春樹ガイド


いちばん好きな作家は村上春樹さんです。と言うと、どの作品がおすすめですかとよく聞かれます。私の回答はこんな感じ。


〇レベル1:
村上春樹を読んだことがない人、『ノルウェイの森』を読んで挫折した人

はじめて村上春樹を読む人におすすめの作品、それは短編集です。中でも、

『レキシントンの幽霊』文藝春秋, 1996.

なんかどうでしょう。
タイトルに「幽霊」とあるように、シックな怪談というか、けっこう不思議な物語が7篇収録されています。スキー場で出会った「氷男」と結婚した女性の話とか…

〇レベル2:村上春樹の長編小説を読んでみたいけれど何を読めばいいかわからない人

短編集を1冊読んで、おもしろいかも!と思ったら、長編も読んでみてください。

『海辺のカフカ』新潮社, 2002.

なんかどうでしょう。
有名な作品ですね。私自身はこの海辺のカフカから村上春樹さんにはまりはじめました。

また、初期の作品から読んでみたい、というのであれば、

『羊をめぐる冒険』講談社, 1982.
『ダンス・ダンス・ダンス』講談社, 1988.

が最初期の小説(短編除く)です。
いわゆる「村上春樹の文体」を心ゆくまで楽しめるでしょう。

〇レベル3:
短編も長編もおもしろかったなあ!もっと読みたい!!という人

ここまでくればガイドは不要。気のおもむくままに読んでみてください。夢中になれる作品がたくさんあります。
ここでは、関連性があるので順番に読んだら良いのではないか、と思う作品が3冊あるのでご紹介します。

1.『アンダーグラウンド』講談社, 1997. は、地下鉄サリン事件の被害者等に対して村上春樹自身が行ったインタビューの内容をまとめたものです。当事者の口から語られる体験は、日本でこんなことが実際に起きたなんて…とかなり衝撃的です(なお、続編として、オウム真理教の信者及び元信者に対して実施されたインタビューをまとめた『約束された場所で―underground2』もあります)。
2.『村上春樹、河合隼雄に会いに行く』講談社, 1996. では、地下鉄サリン事件等について、村上春樹と臨床心理学者である河合隼雄による考察が対談形式で行われています。
3.『1Q84』新潮社,2009. は単行本で上中下にわたる長編作品ですが、物語においては新興宗教の存在が大きな軸となっており、上記2冊をふまえることでより深い読みができるでしょう。

○番外編:村上春樹の本に興味はないという人

あえてそういう人にすすめるとすれば、エッセイです。
雑誌『an.an』で連載されていたものなど、肩の力を抜いて楽しめる作品が多いです。旅行が好きな人であれば、旅行記も読み応えがあって良いでしょう。
『村上ラヂオ』マガジンハウス, 2001.
『ラオスにいったい何があるというんですか? 紀行文集』文藝春秋, 2015.

いままでこうしてまわりの人に村上春樹本を勧めてきましたが、短編から入って長編も読むようになる人がけっこういてくれてうれしいです。


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本が好き。毎回の投稿では、記事のテーマに関連する本を紹介します📚 1992年生まれ。