相談者の方の復讐心は、最適な形で昇華されたんじゃないかなぁ。

いつも考えさせられることが多いんですが、今回は奥が深いなぁ、と。

自分をいじめた同級生がメディアで活躍していることを知り苦しいと訴える37歳女性に、鴻上尚史が「悔しいですよね」と声をかけ、勧めたこととは〈dot.〉（AERA dot.） - Yahoo!ニュース

投稿した方がどこまでを期待していたかは分かりませんが、その思惑を少なからず手助けすることになるんじゃないかなぁ。復讐とまではいかなくても、回り回って天罰は落ちるんじゃないかと思わせます。

有名なメディアで働く37歳の2人は、そんなにたくさんいるとも思えませんし。当の本人がこの記事に気付けば戦々恐々とするだろうし、まともな精神で働き続けられるのか。はたまた知らぬ存ぜぬの強靭さを持ち合わせているからこそ、今のポジションにいるのか。

この相談者の落とした一滴が、どんな波紋を広げるのか。小説が一編、できあがりそうですね。

いじめられる方にも問題が、なんて言えるはずもない世の中だし、鴻上さんはそんなことを思ってなどいないのだろうけど、読者の中に少なからずいる加害者寄りの思想をも一蹴する素晴らしい回答だと思いました。

さすがだなぁ。

私もいじめる側だったりいじめられる側だったりしましたが、暴力をふるうまでになったらおしまいです。からかってしまった小学生の頃の自分を恥じています。一方で暴力をふるうことがなかったのは、幸いだったと思います。

多くの人が持っている、いじめに関するいくばくかの罪悪感があるからこそ、加害者を擁護する力はなくならないのだろうなぁ。

いじめられる方にも原因がある。それは確かにそうだったとして、加害していい理由にはなりませんし。

相談者の方の復讐心は、最適な形で昇華されたんじゃないかなぁ。