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smashing! おもうこころがだだもれ

佐久間鬼丸獣医師と喜多村千弦動物看護士が働く佐久間イヌネコ病院。

忘れそうになってた振り込みや何やら、けっこう雑務が溜まってきたので一旦全部済ませてこようと、丁度伊達さんの来てくれてる日なのもあり、俺は伊達さんと千弦に病院を任せ、今日は自転車で回ることにする。平日の午前、通りは人通りも少なく銀行や役所もすいてて運が良かった.

あっという間に一通りの用事が終わってくれた。せっかくだから夕方から出なくてもいいように、買い物やら昼飯やら調達していこうかな。所帯臭いなんて言われそうなのも今は当たり前の、そして最高に幸せを感じるもののひとつに昇格した。

駐車場という名の庭に自転車を停め、そっと外壁の小窓から中の様子を伺う。病院の外側から改めて千弦を見た。考えたら初めてかもしれない。そのくらいいつも側にいたから気づかなかった。やっぱりかなり上背があるんだな。姿勢がすごくいい。ゲームの時くらいかな、猫背ぽくなるのは。決まって腰痛いとかいうのもゲームの後。元々の姿勢が正しいせいだろうな。

千弦は受付から待合室に出て、飼い主さんと話をしている。目と眉ちっか。キリッとしてるからきっと真面目な受け答えだ。千弦は獣医師免許こそ取らなかったが、俺や伊達さんと、いやそれ以上に意識が高いと感じる。あらゆる症例を調べ、各方面に精通し、そして俺にとっての判断の是非を問う、相談できる最強の相手。

抱き合ったりする時間も俺にとっては大事で大切で。それでもこうやって「バディ」的なスタンスでも勿論代わりなんかいなくて。どの千弦が一番好きか、そんなふうに分けて考えることはこの先も俺には出来ないだろう。

どんな面も全て俺の、だから。きっと。

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「…挙動不審なんがいるなあさっきから」
「えなに雅宗先輩?」
「お前んとこの佐久間が外で百面相してんよ?」

こっそり覗いてるはずが全バレだった。俺ほんと、浸るのは家の中だけにしよ。まさに改めて思った。



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