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佐久間イヌネコ病院 luv.35 よろしくしよろしくされ

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町内会長から将棋会館とか商店街役員の新年会で「歌って踊って欲しい」との要請を受けてしまった俺・喜多村千弦は、ダメ元で鬼丸を誘ってみたがさらっと断られ、ちょうどウチのリビングで肉まんを食べていた結城すぐるんに話を持ちかけた。

「いいよ!優羽と一緒に出ていいんなら」

俺ワンマンライブならば問題はないが、そこへちっちゃいものクラブユニットが入るとなると「合わせ」なければ。三人の持ち歌数曲をうまいこと融合させ、約20分のステージを盛り上げるために。三人ともまだ休暇中でよかったなあ。時間と空間を見つければそこは稽古場になる。それぞれの自宅、病院前広場、屋上、ウミノ湯大浴場…今日はちょうど商店街フリースペースが空いていたので、夕方はそこで合わせることにし、ついでに衣装も着てみた俺は場所取りという名のちょっと休憩タイムに。
人通りもまばらな昼過ぎ、バス通りの方から誰か歩いてくる。全体的に黒いな。男性の和装コートなんて珍しい。そしたらまあ知ってるわあいつ。メケメケの岸志田マスターだわ。

「マスター、どっかいってきたの?」
「…ああ喜多村くん(格好…)挨拶がてら初撃ちにね。院長は?」
「(衣装なの)鬼丸は今夜ハンバーグだから仕込みが…え?初撃ち?」

雅宗先輩んちでの夏のサバゲーにて発覚したマスターの特技はクレー射撃だ。大学の時ハマッて始めて、ちょっとした記録保持者だったという。普段黒ずくめで耳穴だらけで今もほぼ真っ黒そんで射撃て。職質大丈夫か。

「正月あたりはサービスでトラップの角度のセットが甘くなってるから、満射になりやすくて面白いんだ」
「えーだったら俺も行きたかった!次は誘ってよ」

マスターの大きすぎる目がすう、と細められ三日月の形になる。鬼丸が言ってた「上機嫌」な顔。

「あ、院長にお礼言っといて。あと結納返しするからって」
「…ああ、お年玉のやつな。マスターのワールドだいぶわかってきた」

じゃあね。三日月の目のままそう言ってマスターは喫茶店の方へ歩いてった。てか足音もしないんだな。猫かな。

誘ったり誘われたりができるようになったし、サバゲーは超協力プレイできたし、友達って呼んでもいい感じになれた。
油断はしないほうがいい。だけど、起こってもいないことを想像して荒ぶるのもつまらない。雅宗先輩も設楽もそしてこのマスターも、結局は鬼丸のことを好いていてくれる、あってるのはそこだけなんだから。

今年も鬼丸のことを護りながらも、みんなとも楽しく俺は過ごす!



/喜多村千弦
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佐久間イヌネコ病院
千弦は賑やかしがうまいので
あちこちで人気者です
あれで自然体です
普段からも
あんなもんじゃないくらい
歌って踊ってます

(院長)



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お年玉リレー、これにておしまい♡
お付き合いいただきまして
ありがとうございました!
今年もサザエさん的に
お話が続いていきそうです
楽しみに待っててください

(喜々)

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