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盛り上がりは全国規模!SNSが拡げる、話題沸騰のストリートピアノコミュニティ

街角や駅、商業施設など、公共の場に「ピアノ」が置かれているのを目にしたことがある人は多いことでしょう。
ストリートピアノと呼ばれ、世界的ムーブメントが日本にも波及している状況で、ここ数年で全国各地にストリートピアノが登場しているのです。

ストリートピアノとは

ストリートピアノとは、街中に設置された誰でも自由に弾けるピアノの通称。音楽を通じて人と人のつながりを生み出すといった趣旨が込められています。

世界的にみると、ストリートピアノは1995年にカリフォルニアの国立公園にすでに存在していて、それを世界的なムーブメントにまで引き上げたのは、イギリスのアーティスト、ルーク・ジェラムが2008年にはじめたプロジェクトだと言われています。現在までに、世界約70都市に1900台以上も設置しているそうです。

日本では、家庭や公共施設で使われなくなった古いピアノなどをボランティア団体や自治体、民間企業が、主に広報活動の一環として公共の場に設置していることが多く、特に地方では、東日本大震災の復興支援を目的に展開されているストリートピアノもあります。

ピアノの調べに合わせて犠牲者を追悼する集い「ストリートピアノでつなぐ祈りのハーモニー」
不要になったピアノを無償で譲り受けて商店街などに贈っている街づくり団体「ストリートピアノJAPAN」(鹿児島県)が震災翌年の2012年から企画し、現在も継続。2019年は、全国9道県20カ所で開かれました。


首都圏エリアではPERMプロモーションに利用する例も。

東京では、東京都庁の展望室に草間彌生デザインのグランドピアノが設置されたことが有名です。休日には、プレイヤーが列をなすほどの人気です。
特に首都圏エリアでは、駅やオープンスペース、イベント会場などにも続々とストリートピアノが登場し、映画のキャンペーンコンテンツなど利用された例もあります。



ピアノを弾きたい人はたくさんいた。

実際、日本に「ピアノが弾ける人」は結構います。
2、30年前のお稽古事と言えば、ピアノは代表的なものでした。大人になった今、人前で演奏する機会はないし、自宅でなかなか弾けないグランドピアノ、オープンスペースという開放感のある場所で弾けることは、日常ではなかなかできない体験で、「弾いてみたい!」という人は思った以上に多くいるのです。
もちろん、ちびっこからシニアまで、初心者から腕自慢まで、誰でも弾けるのがストリートピアノの最大のコンセプトであり、いろいろな思いで多く人が参加しています。


あの可愛いピアノは何?~ヤマハのピアノ~

また環境づくりとしてこのストリートピアノムーブメントの一翼を担っているのが、ヤマハミュージックジャパンのプロジェクト「LovePiano」。
ヤマハは、今までも試奏できるピアノを公共の場に設置してきたことはあったものの、改めて「街中でもっと気軽にピアノに触れて欲しい」という思いから、この「LovePiano」をスタート。オリジナルのデザインでペイントがされた4台のピアノが、全国各地を回って、期間限定で設置されています。
この「可愛いピアノ」はSNSを通じて多くの人たちの関心を集め、各所のオープンスペースやイベントなど設置情報が発信されると、弾き手と聞き手がこぞって集まってくる状況です。


動画配信が話題の原動力に。

さらに、急速にストリートピアノが盛り上がっている背景にはユーチューブやツイッターなどのSNS動画配信が一役買っています。プロ並みのプレイヤーが各地のストリートピアノで演奏を披露するチャンネルは、毎回大きな反響と再生数を獲得し、認知を広げると同時に、プレイヤーたちのファンとなってピアノ演奏に関心を持った人たちも多く存在していることでしょう。

ストリートピアノ演奏をユーチューブで配信するよみぃその代表格。
普段はプロのピアニスト、作曲家としても活動していますが、思わず通行人も足を止めるほどの華麗な演奏にファンになる人が続出し、ユーチューブのチャンネル登録者数は72万人。再生数が700万回を超える動画もあります。

同じようにユーチューブ配信を行うピアニストたちとのコラボも積極的で、今やユーチューバーとして活躍するストリートピアノプレイヤーが何人も登場しています。


フリープレイのコンセプトを維持するために。

配信者と視聴者の繋がりが強いSNSでの盛り上がりは、大きなブームメントを創り出す一方、想定を超える展開がトラブルに繋がる場合もあります。
ある演奏者が、ストリートピアノでの演奏を公開ライブのようにSNS告知したことで、公共の場であるストリートピアノの運営に支障がでること、また本来の趣旨を逸脱することなどから、ヤマハが展示を期間途中で終了したこともありました。

今後も、特にSNSを多く利用する若者の注目を多く集めることで、ストリートピアノは盛り上がりが続きそうですが、ピアノというメンテナンスが必要な楽器と公共の場でのフリープレイという条件を保ちながらの展開は、多くの人の努力に支えられて成り立ちます。

先述の映画のキャンペーンように、ストリートピアノが今後プロモーション活用されることも増えていきそうです。
それらはSNSでの拡散効果も見込んでの展開となるわけですが、不特定多数の人を巻き込んでいくSNS社会の中で、ストリートピアノの魅力を失わず、一番有益な形で継続されることを検討していかなければならないと思います。


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