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【商品エッセイ】酒場のレモン

「こだわり酒場のレモンサワー」という名前自体に武器が2つもある。

「酒場感」と「レモン感」。
この全方位的な訴求力が、根っからの酒好きと、スタイリッシュを求める若者の両方を取り込むことに成功した。

「若者の酒離れ」と言われているが、決してアルコールを受け付けない体質の若者が増えたわけではない。
もともとアルコールを受け付けない体質の人や酒の席が好きではない人が、しっかり意思表示できるようになった社会環境の影響はあるだろう。
しかし実際、ハイボールは若いサラリーマンの間で人気だし、大学生はコンビニでやたらとストロングゼロを買っている。どちらも決して弱い酒でもなく、むしろ速攻トライで酔わせてくれる。

変わったのは、若者の味の嗜好かもしれない。

「飲みやすくて、分かりやすい刺激がある味」に現代の若者は惹きつけられやすいようだ。
ビールの複雑な苦みを美味しいと思えない若者は増えてる気がする。

若者の酒離れの本質は「ビール離れ」ではないか。

飲み会などでの「とりあえずビール」という同調圧力には屈したくないが、最初からカクテルだと浮いてしまう。
ハイボールがブームになったのは「一杯目で注文しても違和感がない」という理由もあると勝手に分析している。
そんな「飲み会における初手」の新定跡として、ハイボールと肩を並べてきたのがレモンサワーだ。

2018年2月に発売された「こだわり酒場のレモンサワーの素」は、炭酸水を注ぐだけでちょうどよい濃さのレモンサワーが作れるリキュールとして、その手軽さと本格的なレモンフレーバーで当初の予定を大きく上回るヒットとなった。
そして2019年に入ってから、RTD缶「こだわり酒場のレモンサワー」と業務用コンクを発売。
サントリーによると、2019年には、前年比2桁増で拡大しているレモンサワー市場の50%をけん引しているそうだ。


何よりも「酒場」という単語が昔気質な雰囲気でかっこいい。

炭酸で割っても飲みやすく、かといって軟弱なイメージはない。
昭和から三代続く老舗酒場で炭酸のホッピー割りを飲んでいる感じ。
酒を酒で例えるのはトリッキー過ぎるけど、「形から入る」のが好きなタイプの人にとっては、この「酒場感」に浸れるというのが大きい。

サントリーが提供する公式アルミタンブラーも味があっていい。

中身が見えないというのが、しつこいようだが「酒場感」をより高めてくれる。
何が入ってるのかよく分からない酒を飲んで大人ぶっている、あの感覚。
だけど中身はもちろんレモンサワー。
アルミ素材がキレのある冷たさを最後までキープする。
飲みやすくてほどよい刺激。若者の好みにフィットしつつ、酒場仙人のような初老紳士が片手にしてもしっくりくるタンブラー。
レモンサワーが持つ「トーン」と絶妙にマッチしているデザインも魅力。

やっぱりレサワ。

「レモン」ってワードそれ自体が、若者風に言うと「刺さる」。
料理のサブタイトルに「瀬戸内レモン風味」と添えるだけで美味しさが倍掛けになる。レモン味に外れはないという無敗神話。
居酒屋のサワー系メニューで、ピーチやらカルピスやらのフレーバーが並ぶが、レモンをそのひとつとして扱うのは、レモンの持つポテンシャルの無駄遣い、とでも言うかのごとく「レモンサワー」を独立した酒としてブランド化させたアイディアが偉大。

そして「こだわり酒場のレモンサワー」がこだわった本物のレモン感。
レモンを丸ごと漬け込んだ浸漬酒がベースだそうで、レモンの香りがしっかり。甘さも控えめなので、食事にも合わせやすい。
それにレモンはなんといっても酸味という「分かりやすい刺激」がある。
更に炭酸をプラスするのだから、シャープな刺激のアンサンブルに観客総立ち。

「酒場感」と「レモン感」の両輪がハイケイデンスでフル稼働しているこのスピード感に乗っかれば若者文化に染まれるんじゃないかと、昭和生まれの私は酸っぱい夢を見たい。



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