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やりきった先には、想像以上の出来事が待っている。企画メシプレイベントレポート

「企画でメシを食っていく2019」が、いよいよ5/4(土)に開講!

【4/8(月)24:00】のエントリー締め切りを前に、「企画メシについてもっと詳しく知りたい」「応募しようか悩んでいる」という方に向けたプレイベントvol.1が、みなとみらいBUKATSUDOで開催されました。

事前予約は完売、イベント当日は当日券も出るほどの盛況ぶり。

第1部は、企画メシを主宰する阿部広太郎さんと、BUKATSUDOコンテンツプランナーの木村綾子さんの対談。

第2部では、阿部広太郎さんと企画メシ4期生の4名が「企画メシってなんだろう」をテーマにクロストークを繰り広げました。

そんな2部構成で実施されたイベントの様子を対談形式でレポートします。

第1部:企画メシってなに?

木村綾子:作家、本屋B&Bスタッフ BUKATSUDOコンテンツプランナー
阿部広太郎:「企画でメシを食っていく」主宰 コピーライター、モデレーター

企画メシは“企画生”たちが作り上げていく場

阿部:セミナーや塾では、参加者は「受講生」と呼ばれることが多いと思うのですが、企画メシでは「受け身で終わるのではなく、この場を自分たちで企てていこう」という意味を込めて「企画生」という呼び方をしています。
 
木村:この言葉も企画の中から生まれたんですよね?
 
阿部:そうです。第3期で、ゲスト講師の弁護士の水野祐さんが「残り6回の企画メシが盛り上がるルールを考えよ」という課題を出してくださって。そこで3期生のひとりが、「呼び方を変えることで、みんなの意識が変わるのではないか」と、「企画生」という呼び方を提案してくれたんですね。それ以降“企画生”という呼び方にしています。

ここで、阿部さんから企画メシの課題提出から講義までの流れが説明されました。詳細は過去のレポートをご参照ください。

企画メシをきっかけにして、関わる人たちの人生がリアルに変わっていく

阿部:企画メシをスタートしたのは僕が28歳の時でした。
(※企画メシのはじまりについてはこちら

4年続けてきて「自分自身がすごく成長したな」という実感はありますね。毎期ごとに、やり切るのがほんとうにしんどくて(笑)。

木村:阿部さんは毎回モデレーターを務めながら、企画生と同じ課題に取り組んでいるんですよね。これまでの4年で40の課題を、一度も欠かしたことがなく! しかも、講義の前半では、ゲスト講師の生い立ちやこれまでの活動も丁寧に調べて、スライドにまとめていて……。
それを聞くことができて、課題も講評してもらえる企画生は、なんて良い環境にいるのだろうと思います。

阿部:毎回ゲスト講師の方から学べるのはもちろんですが、横一線で同じ課題に取り組むからこそ、「こういうアプローチの仕方があったんだ」と企画生から学ぶことがすごくたくさんあります。2期のゲスト講師、MC型授業で話題になった小学校教諭の沼田晶弘さんが、「企画メシは大人の義務教育」だと仰ってくれたんです。企画メシでは、あらゆる角度、領域、アプローチの仕方を学ぶことができるんですよね。興味がなければ聞いてみようとは思わなかった分野から、トントントンとノックされて、あたらしい自分の扉が開かれていく感じなんですよ。

木村:それに、思いがけない人に人生を変えられてしまう、ということが企画メシでは本当に起こりますよね。例えば、2期のゲスト講師の森永邦彦さんに影響を受けて、服飾を学び始めた企画生がいます。彼は、もともとメーカーのプレスをやっていたのですが、服飾を学んでいるうちにファッション雑誌に興味を持ち、いまは編集ライターとして実際に出版社で働いています。実は私もその雑誌から連載のオファーをいただき、この春から彼が私の担当編集者になるというめぐり合わせも(笑)。
一見、向こう見ずに人生を選択しているように見えるかもしれませんが。プレスとしての「伝える」経験、洋服を「つくる」経験、そして、その折々で出会った人から得た刺激が、雑誌という「届ける」場に彼をつなげていったんじゃないかと感じたんですよね。

阿部:はい。実際、企画メシの後に、転職をする企画生も多いです。ゲスト講師の方の会社に転職した人もいて、この場を通じて次のステップを目指す人もいます。僕自身も、この5年間で、映画やテレビ番組を企画するプロデューサーになったり、作詞の仕事をするようになったり、肩書きが増えました。

木村:ゲスト講師の素晴らしいのは、どの方も「いま」に慢心なんてちっともしていなくて、いい意味で自分に渇望し、他者に嫉妬しているところなんですよね。だからこそ、自身の活動の何らかヒントがあるんじゃないかと、企画生たちの企画書に真剣に向き合ってくださる。
企画メシでは、第一線で活躍する人たちのそんな姿を目の当たりにできます。だから、阿部さんや企画生たちが変わっていくのも然るべきことなのだと思います。

企画メシは集合と解散。終わりが決まっているからやりきれる

阿部:企画メシは、ずるずる続くわけではなく、10月になったら卒業です。終わりが決まっているからこそ、そこまでに「何かを残したい」という思いが強くなったり、「次にみんな会うときにいい報告をしたい」とそれぞれの持ち場で頑張れるんだと思います。

木村:一気に集まって、一気に解散するので熱量もすごいし、絆もすごく深まっていきますよね。だから、ネガティブな意味ではなくて、”仲間意識”や”切磋琢磨”という雰囲気に苦手意識を持ってしまうタイプの人は、疎外感にさいなまれて課題に向き合う気持ちも薄れてしまう場合があるので、別の場を探したほうがいいと思います。その1枠に入りたかった人もたくさんいるわけで…。ミスマッチを防ぐために、これは伝えておきたいですよね。

阿部:あと、2週間に1回必ずここ(横浜みなとみらい・BUKATSUDO)に来る、というのは結構な負荷だと思うんです。今回、僕たちの話を聞いて、「いいな」と思うか「ちょっと違うかな」と思うか、ご自身の気持ちに正直になっていただきたいですね。
 仕事や学校と並行して課題に取り組むのは、とても大変です。でも、どんなに大変でも半年間で終わるので。大変さを受け止めつつ、それを楽しんでやりきれる人に来ていただきたいです。

応募を検討している方に伝えたいこと

木村:自分の思いを言葉に乗せて、相手に伝えることの難しさ、喜び、もどかしさと戦い続ける半年間になると思います。だから、たくさん本を読んで、いろんな人の言葉と表現を吸収しておいてください。今まで接してきたことのないジャンルのゲスト講師の方々と対峙すると、同じ日本語を喋っているのに、こんなにも言葉が通じないのかという事態に直面すると思うんです。
 そして、それを乗り越えるには、言葉が必要です。いかに自分の思いを相手に伝える言葉を持っているか、というのは武器になります。なので、自分の感情と感覚に的確な言葉を与える、というトレーニングをしておいてほしいと思います。

阿部:ゲスト講師の方、BUKATSUDOの事務局の方々、同期生と会うことで、自分の存在が彫刻のように浮き彫りになる感覚があります。ただ、本気でぶつからないとその感覚は得られないんですよね。(これはこの記事を読んでくれたあなたに向けての話なのですが、もしあなたがエントリーしようと思ってくださったのであれば、この企画メシのWEBサイトに掲載されているすべての記事を隅々まで読んでみてください。かならずそこにヒントがありますから)

第2部:企画メシってどう?

・安藤貴文(「企画メシ2018」企画生/空間デザインプロデューサー)
・河波まり(「企画メシ2018」企画生/ウェブ編集者)
・新谷彩(「企画メシ2018」企画生/デジタルシネママスタリング)
・濱口雅司(「企画メシ2018」企画生/デザイン会社 ディレクター)

切実な思いを抱え、挑んだ企画メシ

質問:企画メシに参加した理由は?

濱口:「壁を感じていたから」

仕事において、デザイン提案の質が上がらないという壁を感じていました。
僕は、企画メシに通う前に阿部さんが講師をしているコピーライター養成講座に参加していたのですが、そこでの同期生が企画メシに通っていて、その人たちがすごく成長していて…。
 先に行かれた感じがしたんです(笑)。だから、自分のモヤモヤした状況を変えたくて、飛び込んでみました。

新谷:「面白そうと思ったから」

これまで私は自分が「面白そう!」と思った直感をベースに仕事を選んできました。そして、今夢が叶って映画のエンドロールに名前が載るデジタルシネママスタリングという仕事ができているんです。なので、企画メシを知った時に直感で「面白そう」って思ったことが一番。
 あと、ちょうど転職したかったんです。発信者になりたくて。でも、私は今まで企画を考えたこともなくて。自分に企画ができるのか、試してみたいという思いもありました。

河波:「予測できない体験を求めて」

私は、昨年の年末まで富山県で新聞記者をしていました。富山県内隅々を回って、どこに行けばどんな体験ができるかの予測ができるようになっていたんです。楽しかったのですが、それって自分が安全だと思える円の中にいるだけで、だんだん自分が小さくなっていくんじゃないか、という漠然とした不安もあって…。
 そんな時、阿部さんの『待っていても、はじまらない。―潔く前に進め』を読んで、自分がやれるかわからない企画メシに参加することで、その円の中を飛びだせるんじゃないかと思って、富山から通いました。

安藤:「変化が欲しかった」

僕は、仕事にも慣れてしまって刺激がなく……。退屈していた時に、知り合いを通じて企画メシを知りました。多様な講師の方がいて、いろんな領域の人と出会えて、刺激がもらえるんじゃないかな、と思って参加しました。

阿部さん、ゲスト講師、仲間との出会い。学び、刺激を受け続ける半年間

質問:半年間の企画メシで一番印象に残っている講義、出来事は?

新谷:「阿部さんに“企画書作るのが上手くなったね”とほめられたこと」

私は、企画メシに参加するまでまったく企画を考えたことがなかったんです。最初は阿部さんに足りない部分を指摘されることも多かったのですが、毎回の講義で他の企画生の企画書を見たり、講義後に阿部さんにアドバイスをもらいにいったりしていました。最後の方には「企画書を作るのが上手くなったね」と言ってもらえて、すごく嬉しかったです!!
 あと、企画メシに参加中に「JUMP OVER」というラジオ番組でのコピーを募集する企画に応募しました。そこで、1000通以上の応募の中から、私の考えたコピーが選ばれたんです。これも企画メシがあったからこそだと思います。

阿部:「JUMP OVER」の企画で、応募のあったコピーを、僕が選ぶ担当をしていて。応募者の名前がわからない状態で選ぶのですが、新谷さんの「人生なんてぜんぶかんちがい」というコピーは、本当に印象に残っています。

安藤:「【コンテクストの企画】渡邉康太郎さんの講義と企画メシの合宿」

Takramの渡邉康太郎さんの講義では、それぞれの家に長く残っているものを持ってきて、それをテーブルに並べてみんなで囲んだんです。みんなの大事にしていることや、バックグラウンドが知れて面白かったですね。新谷さんは、171枚の映画の半券を持ってきたり(笑)。
 あと、金沢での合宿で企画生のみんなと距離が近づいたのも、印象に残ってます。
 
河波:「企画書のガーランドで会場を飾った企画生のサプライズ演出」

(特別な飾り付けをした企画メシ2018の最終回の様子)

最後の講義の日、会場へ入ったら、とある企画生がこれまでみんなが提出してきた企画書をガーランドにして飾り付けていたんです。それがすっごく素敵で…!とても企画メシらしい場面だったなと思い出します。

濱口:「“助けてもらうことは、助けることと同じくらい価値がある”」

「公務の企画」のゲスト講師のよんなな会の脇雅昭さんの紹介してくれた言葉が印象に残っています。はじめはピンとこなかったのですが、ある時、講義後に行われるアフター企画メシの場で、ある企画生がひとり一品の食べ物を持ち寄る企画を提案したんです。結果、みんなが助け合ってこの企画が達成できたんですよね。みんなが自然に「あの人のために協力しよう!」って行動していて。助けたり助けられたりすることで、とてもいいものが生まれるんだなと脇さんの言葉が実感できました。

やりきった先には、想像以上の出来事が待っている

質問:企画メシでの半年を経て変わったことはありますか?

河波:「新聞記者からウェブ編集者へ」

講義で通っているうちに「転職して東京に住みたいな」という気持ちが湧いてきました。企画メシのみんなに相談すると、みんな背中を押してくれたんです。なので、最後の講義で「転職します!」と宣言して、12月には退職してこっちに引っ越してきました!
 4期ゲスト講師の脇さんが「やってる人が一番偉い」とおっしゃっていたのですが、本当にその通りで。実際やってみなきゃわからないことだらけなんですよね。

安藤:「大人になって凝り固まっていた“既成概念”みたいなものがほぐれました」

いつの間にか、仕事をする上で「こういうものが正解だよな」って思うようになっていました。
 でも、ゲスト講師の方や同期生にはいろんな人がいて、答えの出し方は決してひとつではない。自分がガチガチに凝り固まっていて、それをほぐしていかなきゃなって気づけましたね。

濱口:「やりきる力! 仲間!」

初回は、それなりに作れたかなとワクワクしながら企画書を提出したんです。でも、阿部さんの指摘やみんなの企画書を見てボコボコに凹みまして…(笑)。
 そしてある時、本当にやりきったと思える企画書を提出できた時に「ここまでやればいいものを作れるし、自分がメチャメチャ気持ちいい。そして、それを受け取った側も嬉しい」という経験ができたんです
あと、企画が好きで、頑張ったことを素直に認めてくれる、そんな仲間ができたのは本当に大きいことだと思います。

新谷:「普通のレベルが上がった」

同じ会社の人しか知らなかったけど、世の中にはもっとやっている人がいるっていうのを目の当たりにできました。
 結局、私転職しなかったんです。企画メシと仕事を並行してやれたっていうのが強みになって、今の仕事を続けながらでも発信者になれるというのが実感できたんですよね。

安藤:「気になっているなら、飛び込んでみてもいい場所だと思います。想像しているより楽しい場所です」

僕は昨年のプレイベントに参加してから「企画メシ」のことがすごく気になって、「飛び込んでしまえ!」という気持ちで臨みました。企画メシって同期やゲスト講師の先生との交流もあって、血が通っている場所でした。いわゆる、ただの講座ではなかった。だから、本当にやりがいがあると思います。

阿部:でも、大変じゃなかった?

安藤:めちゃめちゃ大変でした(笑)。でも楽しかったです! フィードバックもちゃんとあるので、やって終わりでなくて、大変さが次に繋がるんですよね。

思いを行動に移さなければ何も得られない

質問:検討しているみなさんに伝えたいことは?

濱口:「探せばやらない理由しかない」

気になっているならやったほうがいいと思います!僕は企画メシの開始時からその存在を知っていました。でも、毎年「やらない理由」を探しているうちに4期になっていたんです。「気になる」と思うなら、きっと今後も気になり続けるので、申し込んだ方がいいんじゃないかなと僕は思います。

河波:「辛いけど面白い半年間、きっと一歩を踏み出す糧になると思います」

私も濱口くんのように2年の間来たいなと思いつつ、やっと踏み出したのが4期でした。私、熱すぎる人はちょっと苦手で…。でも、実際はすごくいい意味でシャイな人たちの集まりだったんです。燃えてはいるけど、あからさまに熱い人たちでなくて、それが私には合っていました。
東京にほとんど知り合いもいなかったんですけど、企画メシの人がいるなら東京に来るのもいいなって、そう思えたんですよね。

新谷:「ここまで来たならエントリーするしかない」

仕事は忙しいし、自分にできるのかなって…。エントリーを出すときはそんな風に迷っていました。だから、エントリーに自分の思いをめいっぱい書いて。落ちたらこの道じゃなかったんだと受け止めよう。もう、運営のみなさんに託そう!という気持ちでした(笑)。
 でも、あの時はエントリーシートを書くだけでも勉強になりました。それまで考えたこともない項目がいっぱいでしたから。

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以上、プレイベントvol.1のレポートです。

約半年ぶりに訪れたBUKATSUDO。今回登壇した同期の話を聞いていて、なんて素敵な仲間に出会えたのだろう、と幸せな気持ちになりました。そして、「私も頑張ろう!」と刺激をもらいました。こんな経験ができるとは、去年の今頃では想像もしていなかったように思います。
 
5期のみなさまにお会いできることを、とても楽しみにしています!

当日の会場のみなさんのつぶやきのまとめはこちら

エントリーはこちらから。

ライター:企画メシ4期生 池上真実
写真:さいじまゆうき

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