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環境システム制御研究室の紹介

環境システム制御研究室の紹介
 
みなさん,こんにちは.私は伊藤研(環境システム制御研究室)に所属する修士2年の森山です.この記事では,私のこれまでの研究活動を振り返りながら伊藤研を紹介していきます.大学選びや研究室選びの参考になれば幸いです.
 
伊藤研?

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伊藤研は,「制御工学」を通して「人間」・「環境」・「機械」の3つを上手に結びつけることを目的としている研究室です.ものづくりと理論のつながりを体感できる研究室です.現在の研究分野は,水圧・農業・音の3つに大別されます.
 
[制御工学]---
私が大学で一番衝撃を受けた学問の一つです.簡単に言えば「対象を望み通りに操る学問」ですが,驚くべきはその応用範囲の広さです.例えば,力学のばねマスダンパ系と電気回路のLCR直列回路は,当然適用される物理法則は全く異なりますが,制御工学では全く同じ構造であることが知られています. 様々な現象も一つの体系的な理論で統一して議論できることが制御工学の魅力の一つです.
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それでは,各分野の研究内容を簡単に紹介します.
 
水圧研究Gr.では,水道水圧で駆動する人工筋の制御を研究しています.環境負荷低減の重要が高まる中で,油分を必要としないアクアドライブシステム(ADS)が医療や食品加工などの分野で応用されています.そこに人工筋という,軽量柔軟でかつ高い出力密度を有する次世代のアクチュエータを組み合わせて研究を行っています.
農業研究Gr.では,運搬作業を補助する自律移動車の開発やビニールハウス内環境の最適制御などを研究しています.農業従事者の減少や高齢化,食料自給率の低下などを受けて,農業分野での制御の需要が高まっています.共同研究の形で農家の方に協力いただき,実際の圃場での走行試験なども行います.
音研究Gr.では,ドラム音源の自動採譜や演奏フォーム改善システムの開発などを研究しています.音ひいては音楽は,私たちの暮らしを豊かにし,音楽サービスが充実する今日では,情報処理としての自動採譜技術や演奏技術の支援に需要があります.分野の幅広さから,学生の持ち込みテーマが多いことも特徴です.

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[大学選びと研究室選び]---
私は研究室で大学を選びました.とはいえ,実は今所属している研究室は全くノーマークでした.当初は宇宙系に興味がありましたが,授業を受けていく中で制御工学に出会い,伊藤研の配属を決めました.大学では,履修する授業は自分で決めます.どの授業を受けるかも,大学や研究室選びのポイントになるかもしれません.
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【私の研究テーマ】
ここで,私の研究テーマ「水道水圧駆動人工筋のセンサレス制御」の紹介です.
 人工筋システムの制御においては,変位センサの設置に外部構造を必要とするため,軽量柔軟という利点が損なわれることがあります.そこでセンサの代わりに,数学モデルによる推定値を使って制御を行う方法を提案しました.

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実験結果(左:変位推定,右:センサレス変位制御)右の図から,センサを使わなくても制御が上手く出来ていることが分かります!

 
対象とするシステムの挙動を数式で表現することをモデル化といいます.モデル化はすでに様々な手法が提案されていますが,実際に高精度な推定結果が得られるためには多くの調整が必要でした.その分,モデル化が上手くいったことをこの目で確認したときは感動を覚えました.
現在は,負荷や入力信号などの実験条件が変わっても性能が悪化しないように,理論の調査や実験による確認を行っています.
 
【研究室の特長】
最後に,約2年間の研究活動を経て感じた伊藤研の特長を2つ紹介します.
 
<プレゼン能力が身につく>

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週一回のゼミで毎回発表するため,まず発表に抵抗がなくなります.そして発表の仕方や発表資料についてのアドバイスがもらえるため,プレゼン能力が自然と向上します.また,限られた時間でわかりやすく伝えられる,結論ファーストの論理的な思考が鍛えられます.

 
<学会での活躍>

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学会初参加の様子(2020年秋季JFPS講演会 @岡山理科大)
 
学会発表への参加も積極的です.学会では,関連研究の発表を聞けたり,研究の意見交換ができたりするのでモチベーションアップにつながります.また,プレゼン能力が身についていることも実感できました.さらに,学会は全国各地で開かれるため発表が終わるまでは少なからず緊張しますが,終わってしまえば半分旅行といっても過言ではありません.貴重な経験ができるチャンスが多いのも伊藤研の特徴です.
 
[学会]---
その学会に所属する研究機関(大学や企業など)が研究成果を発表する場です.ポスターや講演形式が一般的です.国内のみならず,海外の学会で発表する学生も多くいます.
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【最後に】
伊藤研では,ハードウェア開発だけでなく,その先にある制御までをテーマにしています.ものづくりと理論のつながりをその目で確認したい方には,ぴったりの研究室です.

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