散り落ちて なお美しく 在る紅葉
これは、年々、写真の腕をメキメキ上げている友人撮影の一コマ。
黄色味がかった苔の色と対照的な赤。そして一枚だけの黄色。
細い葉柄が描く微妙な曲線に、見てはいけないものを見てしまったような艶かしさすら覚える。
花鳥風月がもたらす「ハッとする経験」が、わたしたちの奥深いところに刷り込まれ、蓄積されて、溜まりに溜まってくると「表現の衝動」が起きる、と最近、つくづく思う。
誰かの猿真似でもなく、
誰かの指示を仰ぐわけでもなく、
ただ、現時点の己から見える範囲で、真善美を突きつめる。
今日は雨。
この雨が止んだら、季節は冬へじわじわと変わっていく。
季節が日々巡るように、わたしたちも巡る。
どうしても「事業」をしているので「計画」はいつだって背中合わせに存在せざるを得ないけれど、起業してこの3年間、想定どおりに物事が進んだ試しはない。
しなやかに、流れに合わせて。
季節の移ろいに合わせて。
花鳥風月は、一切言葉を介さずに、その存在で示してくれる。
毎年、秋に一つ歳をとるわたしを、多彩な色で祝福してくれる落葉樹。
今年も、ありがとう。
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