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まだ付き合ってないっぽい2人。

夜、札幌市内の商店街を歩いていた。

商店街の両脇には、こじゃれた飲食店が多く、太陽が沈むにしたがって、多くの人たちがここに集まってくる。

私の場合、誘うような友人も限られているし、重大なことに一生お酒を飲むことができない。だから素通りする。

【関連】一生お酒が飲めないの?と思ったら


商店街に面したこじゃれた居酒屋、ガラス窓の奥で、ビールグラスを片手に会話するお客さんを見ながら「クソッタレめ」とは思わないけど、素通りする。とにかく素通りする。




夜20時くらいにその商店街を歩いていた。


見知らぬ若い男女とすれ違った。
おそらく20代前半。


どこでなにで出会ったかは分からないが、楽しそうに歩いている。お店を探しているのかな、と思ったが、そんなに切羽詰まった感じもない。


男性は背が私より高く、女性は小柄。
女性が男性を見上げるかたちである。


この男女のあいだには約40cmほどの空間があった。

要は密着していないのだ。
当然、手も繋いでいない。




ははーーーーん。



付き合う直前だなこれ。



どこでなにで出会ったかは分からないが、この2人のあいだの空間から察するに、カップルではなさそうだ。でも、どう見ても2人とも楽しそうである。


いつだったかの記事で書いたが、
お互いの目からそれが見てとれる。

うっとりと楽しそうなのだ。



これからどんな会話が繰り広げられるのかな。
普段はどんなLINEをしているのかな。

「家ついた? 今日はありがとう!」

ってLINEするのかな。
私ならするなぁ。

楽しそうだなぁ。



で、思った。




どうして付き合う直前が1番楽しいのだろう?


長々と考察を重ねてもしょうがないので、結論を書く。



不確かなものってめっちゃ気になるから。

かつ、そこに愛情みたいなものがあると、なお気になる。胸がときめく。厳密に言えばときめいているのは胸ではなく脳なんだけど、脳がときめく。

脳がときめくって表現、いいな。



この、不確かなものの続きが気になる感じ。

どんなドラマも映画も、その続きが気になるから見てしまうわけでしょう。人物への感情移入があって、全部知ってるから余計に気になるんでしょう。


デートのテクニックで、
こんなことを聞いたことがある。

盛り上げまくって、すぐ帰る。


おわかりだね。

感情のピークに達したところで、無理やり終わらせるのである。これをやられたら最後、全ての人はこう思う。


「あ〜クソ楽しかった。
 でも、もっと話してみたいなぁ〜」


こうして、くる日もくる日もLINEがこないかと脳をときめかせるのである。



おかわりだね。


続きが気になるような終わり方をすることが大事だ。あえて不完全で終わらせる。なぜなら人間は不確かなものを見ると、続きが気になる生き物だから。


続きが気になると言えば、


私が大学生のときにこんな話があって……

〈あとがき〉
古畑任三郎みたいな終わり方をしてしまいました。付き合う前って楽しいですよね。付き合った後ももちろん楽しいですし、何年一緒にいたって、脳のときめきはメタモルフォーゼして、本当の愛情に変わるものです。本当の愛情といえば過去に読んだ本の中で、こんな一節が……。今日もありがとうございました。

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朗読ろうどくぅ!

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