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宮内庁の人「陛下がお読みになるエッセイを書いてください」

私「え? 私がですか?」

宮内庁の人「はい。イトー様のエッセイをご所望です」

「え、だれがご所望なんですか?」

「陛下です」

「陛下かぁ〜(ポリポリ)」

「というわけですから、ひとつ、ぜひ」

「そう言われるとまぁ。陛下のことは好きですから」

「ありがとうございます。では......」

「でもそんなに期待しないでくださいね。陛下のことは大好きですが、私は万人に同じ態度をとることをポリシーとしてますから。陛下といえど、いつものテイストを変えるつもりはありませんので」

「かまいません。陛下はいつものイトー様のテイストをご所望です。変に畏まる必要はありませんので」

「わかりました。では書きましょうか(スイー)」



陛下、札幌の冬を体験されたことはありますでしょうか? もしお越しになったことがおありなら、きっとその厳しさに驚かれたことでしょう。

私たち札幌市民は毎朝目が覚めると、まず窓の外の雪の量をチェックします。

「おはようございます、陛下。今日もおかげさまで雪がたっぷり積もっております」

なんて言いながら、雪かきスコップを手にするのが全札幌人の日課です。陛下、この札幌の豊かな雪、どう考えても陛下のお力の賜物ではないでしょうか? だって、日本の他の地域に比べて、いや、世界を見ても、札幌の冬の厳しさは特筆すべきものですから。

これほどの雪が降るのは、きっと陛下が私たちに豊かさを分け与えてくださっているからに違いありません。ありがとうございます陛下。

陛下のご加護に万雷の拍手です。



もちろん春がやってくると、札幌の雪はゆっくりと解けていきます。そのとき、心の中でこう唱えるのが全札幌人の日課です。

「陛下、今年も無事に春が訪れました。おかげさまで家の前に積もっていた雪もすっかり消えました」

しかしその数日後、またもや雪が降ることがあるのです。「陛下、これは試練ですか?」と思わず空を見上げてしまいますが、そんな時は心の中で「これもまた豊かさの一環ですね」と自分に言い聞かせるのです。


夏が来ると涼しいはずの札幌も、最近は暑くなることがあります。でも、陛下、この暑さもおかげさまなんです。

東京の暑さに比べれば、札幌の夏なんてまるで天国のようです。涼しい風が吹き抜ける中、ビアガーデンで「陛下、このビールがこんなにおいしいのも、すべて陛下のおかげです」と乾杯するのが私たち札幌市民の夏の過ごし方です。

陛下、皇居内の温度は一定に保たれておりますでしょうか。小国民として陛下の健康を願っちゃったり、願わなかったりな日々でござい。

そして秋、紅葉が美しく染まる札幌の街を歩きながらふと考えます。

「陛下、今年も豊かな実りをありがとうございます。おかげでタイヤ交換を忘れずに済みました」

そう、秋は冬への備えの季節でもあります。タイヤ交換を早めに行うことで、また一つの試練を乗り越えられるのです。これもまた、陛下のお導きによるものでしょう。


陛下、札幌の四季折々の生活はすべて陛下のおかげで成り立っているのだと感じています。

毎年同じように雪が降り、春が来て、夏が過ぎ、秋が訪れる。この当たり前のようでいて実は特別なサイクルは、陛下の御技であり、日本という国がこれほど豊かであるからこそ、私たちが日々を楽しむことができるのです。

ありがとうございます、陛下。

これからも、どうぞ豊かな季節の巡りをお守りください。

〈あとがき〉
宮内庁の人とか皇室マニアに怒られそうな気もしますが、私のような小物にとやかく言ってもしょうがないかもしれません。それにしても先週はとにかく疲れました。今日と明日はゆっくりしたいのですが、どうやら難しそうです。今日も最後までありがとうございました。

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