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味覚と相克

みなさんこんにちは。気学Style!西島です。

総裁選まであと2日となりました。
前回は気学的に見て総裁選で誰が良さそうかということを見てまいりました。結果が出たあとは見立てがあっていたにせよ間違っていたにせよ、何か見落としていないかどうかなど良い学びがありそうにも思いますので、これはこれで楽しみです。

今回の首相選ですが姓名鑑定的には菅さんがいいかしら、などと個人的には思うわけですが、そのあたり書いて行きますとまたやたらと長くなってしまいそうですのでご興味のある方は講座などに遊びにいらしてくださいませ。


さて、最近は堅いお話が続いておりましたので、今回は少し柔らかいお話をしてみようと思います。

先日たまたまテレビをつけた折、科学実験系の番組でとても興味深い実験をされていました。
それは、味覚の実験です。

その実験テーマとは、

実験1.
甘いもの・辛いもの・苦いもの・酸っぱいもの
…を同時に味わった時にどのように感じるか?
(どの感覚が一番強く残るか、もしくは何も感じないか)
実験2.
激辛料理を食べた時に、その辛味をすぐに消せる物は下のうちどれか?
A:いちご牛乳(甘味)
B:塩水(塩味)
C:レモン水(酸味)
D:コーヒー(苦味)
E:キムチの汁(辛味)

番組をご覧になって結果をご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、そうでないようでしたら是非この結果がどうなるかを考えてごらんになってみてください。

番組を見ながら気学的に予想してみておりましたが、これが思いの外上手に当てはまった結果でとても興味深い実験でした。

味覚と五行思想の関係

味覚は五行思想とも関連がございます。
まずはこれに関して簡単にまとめてみましょう。

「五行思想」とは、世界の構成要素を5つに分けて考える思想です。
西洋では「四大元素」などの考え方がございますが、東洋では主にこの五行でもって物事を考えてまいります。

五行思想の五行、すなわち5つの構成要素は
「木・火・土・金・水」
の5つとなります。

森羅万象を5つに分けてみてゆくわけですから、その中にはもちろん味覚という概念も入ってまいります。五行における味覚がどういう割り当てになっているか、九星を交えてまとめると下のようになります。

・木 = 三碧木星・四緑木星 = 酸味
・火 = 九紫火星 = 苦味
・土 = 二黒土星・五黄土星・八白土星 = 甘味
・金 = 六白金星・七赤金星 = 辛味
・水 = 一白水星 = 塩味

この関係がわかりますと、先に上がった問題について半分答えが出たも同様なのです。

五行の相克

さて、この五行には相性・相克という関係性がございます。
今回はこの「相克」について注目してみたいと思います。

まずは相克の図(味覚入り)をご覧くださいませ。

味相克-02

この図において、矢印でつながっている間柄が「相克」の関係です。
「水」から「火」に向かって矢印が出ておりますが、これは「水は火を克する(討ち滅ぼす)」関係にあるということを示します。
つまり、水を起点に見た場合、

・水は火を消し
・火は金を溶かし
・金(斧)は木を切り
・木は土を締め上げて養分を吸い取り
・土は水に入って水を濁す

…という関係性があるというわけです。

(また、火の勢いが強すぎると水が消し飛ばされるということもあり、矢印が向けられている相手でもその状況によっては相手を逆に克する場合もあったりします。)

さて、ここまでくるとなんとなくこの実験結果も見えてくるような感じがいたしませんでしょうか。

実験1

甘いもの・辛いもの・苦いもの・酸っぱいもの
…を同時に味わった時にどのように感じるか?
(どの感覚が一番強く残るか、もしくは何も感じないか)

という実験ですが、相克の図とこの問題を見比べてみましょう。

味相克-02

設問で出ている味覚は、「甘いもの・辛いもの・苦いもの・酸っぱいもの」
すなわち「甘」「辛」「苦」「酸」の4つです。

五行の味覚と比べますと、「塩味」が抜けていることに気づきます。

そこで相克の図と残った味覚の比較です。

そうやってみてまいりますと、塩味の抜けた今回の実験で、
酸味・甘味・辛味が誰かから克されている(打ち消されている)のに対し、苦味だけは克される相手がいないことに気づきます。

となりますと、結果は自ずと見えてくるでしょう。

そう、4つの味を一度に味わう実験で一番強く感じられたのは、
まさに「苦味」だったのです。

ここまで綺麗に相克の関係が見て取れるのはとても興味深いですね。


さて、この実験ではその次に強く感じられてでてきた味覚は「辛味」だったという結果が出ています。
これも面白いところです。

今回1番だった「苦味」は火の五行のものですが、火といえば九紫火星です。

そしてこの九紫火星、そもそもは六白金星から出てきたという星です。
つまり、九紫火星は六白の系譜である・九紫火星の裏には六白金星がいる
…と言えるわけですが、その六白金星は文字どおり「金」の五行です。

金の五行は「辛味」でしたから、この実験にて
「苦味に次いで辛味が強めに感じられた」
ということもとても興味深く、面白いデータをもらえたと思います。

実験2

激辛料理を食べた時に、その辛味をすぐに消せる物は何か?
A:いちご牛乳(甘味)
B:塩水(塩味)
C:レモン水(酸味)
D:コーヒー(苦味)
E:キムチの汁(辛味)

「辛いものが苦手な方がうっかり激辛料理を食べたときどうしたらいいか?」
というお話でもあるこの実験ですが、先の相克のお話がわかってきますと、とても簡単な問題になってまいります。

正直なところ、実験結果が出るまでは私もドキドキしておりましたが、やはり結果はほぼ思った通りでした。

皆様ももう答えはおわかりではないかと思います。

そう、ベストは「コーヒー」です。

これも、相克の図を見れば一目瞭然でしょう。

味相克-02

激辛料理は、ご覧の通り「金」の五行に属するのは明白です。
辛味を抑えたいのでしたら、金を克する五行、すなわち「火」の出番です。

そしてその「火」の五行の持ち味は「苦味」ですので、
苦味のある「コーヒー」がベストというわけです。

激辛料理を食べるときはアイスコーヒーを片手に
…ということですね。

さて、先に「『ほぼ』思った通りでした」と書きましたが、実はコーヒー以外にも2番手の存在が存在していたのです。

コーヒーほどではないがそこそこ有効だったもの、それは

レモン水(酸味)

でした。

これについても、とても興味深いと思います。

木の五行に属する「酸味」は相克の図から見て金の「辛味」から克「される」側の存在です。

ですが、上でも触れましたように例えば火と水の関係において、
火の勢いが非常に強ければ水が蒸発してしまうように、克される側にいる存在でもその勢いが強くなると逆に相手を倒してしまうこともございます。

今回の実験では、料理のうちの一切れ弱を食べたあとにコップ一杯弱の飲み物を飲んで実験されていましたので、物量的に酸味が辛味を倒してしまったのかなと想像します。

いずれにしましても、辛味を抑えるにあたって有効なのが、これに対する相克の関係にある2つの五行「火・木」であるということは改めてなるほどと気づかされ、良い勉強になりました。


…普段何気なく日常の中にある「食」。
そんな中にも気学のお話はたくさん潜んでいます。
(こうしたお話を突き詰めた先の一部が漢方の考え方でもあります。)

「一部は全てであり、全ては一部に宿る」
との言葉もございますが、ありふれた毎日の食事にも小さな気づきがあり、その気づきが生きてゆく中での大きなひらめきにつながることもあるかもしれません。

改めて、これからもどんな些細な気づきでも流してしまうことなく、大切に扱って行きたいと思います。


次回の投稿は9月18日です。

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