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五黄に処する

みなさんこんにちは。気学Style!西島です。

京都は少し風が冷たくもありましたが、日差しは暖かな小春日和。
明るい陽のもと桜並木は満開で、桜の木々からきらきらと降り注ぐ薄ピンク色の花びらなど見ていますと、まるで今いる場所が天上の世界か何かと錯覚してしまいそうなほどです。

まさに春爛漫という景色ですが、今年はその桜並木の下を歩く人の姿はまばらです。
例年なら、こうした日ともなればたくさんの人が桜の花を楽しみながら道路を行き交っているのですが、こうした景色を見るにつけ、改めて新型ウイルスの影響は大きいのだと思い知らされます。

緊急事態宣言の発令も秒読みの中、今回の新型ウイルス騒動、私たちはどのようにこれに対処してゆけばよいのでしょうか。
少し講座の内容に踏み込んだ話になってしまい、普段講義にいらしていただいているみなさまには恐縮ですが、一つの考え方としてコラムを書いてみたいと思います。

相性・相克の視点から

九星気学では、9つの星について考察する際、相性・相克という概念でもって見てゆく部分があります。

この相性・相克は木・火・土・金・水の五行を用いて見てまいります。
有名な考え方ですので、見聞きされた方も多いのではないかと思います。
下の図をご覧ください。

相性相克-01-01

これがいわゆる相性・相克の関係性の図です。

簡単にお伝えいたしますと、

相性においては線でつながっている相手同士をいわゆる「相性がよい」関係と考えます。
相克においては線でつながっている相手同士をいわゆる「相性が悪い」関係と考えます。

ただ、人間関係を考える際、相性相克は参考にはいたしますがこれが全てではないことにはご注意ください。

人間関係においての「相性」とはすなわち、「世界観を共有しやすい」関係性(「相克」はその逆)という程度ですので、よい人間関係を構築するファクターの半分は「双方の努力」と気学では説きます。

さて、話が少し脇道に逸れてしまいましたが、今回はこの「相克」に注目してみたいと思います。

相克の図、(相性の図もそうですが)五行が矢印で結ばれていることが見て取れます。

これは

矢印の先にいる相手は矢印のもとにいる相手に克される

という関係を示します。

つまり、例えば火と水を見てみますと、矢印が水から出て火に向かっています。
これはつまり、水が火を克するという風に考えます。

つまり、火の勢いを水が消してしまうという風に捉えるというわけです。

土を剋するのは木

ここでは疫病は五黄土星で見るという風にお伝えいたしております。
五黄土星は五行で言いますと、その星の名前の通り土に属することはお分かりいただけるかと存じます。

その土という視点で見てみますと、土を剋するのは木の五行という風になってまいります。

つまり、この新型コロナウイルス感染症に対峙するにあたり、重要になるのは「木」に象徴されるものということになります。

それでは、その「木」に象徴されるものはなんでしょうか。

まず最初に述べますと、木とは、季節で言えば春を担当します。
まさに今の季節、明るくのどかな春を担当するのが五行の木です。

そして、木とは、そもそもの在りよう見た場合、光に向かってどこまでも奔放に伸びてゆく姿をしています。

明るく、伸びやかな前向きさ

これが「木」の性分と言えるでしょう。

更に、九星気学で言えば、三碧木星・四緑木星二つの星がこの「木」に属しています。

三碧木星は、日の出の光。

暗い夜にあって、地平線に現れた日の出の太陽の光です。闇の中に現れる希望の光とも言えるでしょう。

四緑木星は、中天に向けて登ってゆく太陽。物事を整える星。
易でこの星を書き表した場合、その名前を「巽(そん)」と言います。

「巽」の文字、中に「己」が二つ入っています。
つまり、物事を整えるためには自分一人の力だけでなく、他の「己」と協力して進めるべしといいますのが、四緑木星のコンセプトです。

疫病である星、五黄土星に対峙するにあたっては木に習って処するべし、即ち

希望をもって
皆と協力して
明るく伸びやかに前向きに

事に当たるというのが重要なのだということが見えてくるかと思います。

とは言え、最前線で対峙しておられる医療機関のスタッフの皆様、あるいは生活の中であればドラッグストアなどで「マスクはないのか!?」とクレームの声にさらされている皆様をはじめ、文字通り苦境・苦難の中におられる皆様におかれましては、こうしたことも考える余裕もない状況におられることと思います。

苦境にある皆さんを孤独にさせないよう、私たちみんなで前向きな気持ちになれるよう、己と己が共に協力し合い、巽の形を作ってこの状況に希望を見出し、前向きに進んでゆけるように皆で知恵を出し合って協力しながら進んでゆければと思います。

「ヴォルガの船引き」

この記事のトップに置かれている絵のタイトルです。

昔々に、かこ・さとし氏の「うつくしい絵」という絵本(?)に掲載されていて、そのイメージと説明は私の心にずっと残っていました。

大きな帆船を川の上流に向けて引っ張る人々を描いたこの絵、彼らには十分な給金は支払われていたと言いますが、絵や写真を見ると彼らの境遇がどういうものであったかは想像に容易いでしょう。

彼らの生きてゆく状況はまさに苦労・苦難。
絵の中に描かれている男たちの表情、姿勢がそれを物語っています。

そしてこれは今の私たちの状況にオーバーラップして見えてきます。

ですが、絵の中の人夫の男たちが表情もトーンも暗く、目線を落として描かれている中にあって、中央に描かれている青年だけが、上を向いて前を見つめています。

日々の辛い毎日に埋もれてしまった男たちの中で、彼だけが前を向き、希望を見つめて顔を上げている。

本にはそんなことが書いてあったのではないかと思います。

新型コロナウイルス感染症とその影響により大きな苦難と不安が世間で渦巻いている現在の状況。
いろんな意味で私たちはうつむきがちになっていないでしょうか。

今の状況にあって私たちは絵の中の彼か、あるいはその他大勢の人夫か、いずれであるべきでしょうか。

今の状況にあって、改めてこの絵のことが印象深く思い出されます。

苦難の中、希望の光を目指して進むことの尊さを示した絵、「ヴォルガの舟引き」。

この絵には、五黄土星の疫病に処するにあたって、今私たちが大切にしたい姿勢が示されているような気がします。

この姿勢を心に置いて今回のウイルス騒動を乗り切るよう、日々、歩んでいきたいと思います。

次回は4月12日の更新です。

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