見出し画像

【blank13】

実話に基づいており、いわゆるすれ違ってばかりの普通の家族の物語。

どんなにどうしようもない親でも子どもにとっては唯一無二の存在で、痩せた親を前にすると何も言えなくなる。

葬儀に集まる人は所詮似たようにどうしようもない人達ばかりだけど、助けられた人ばかりだった。去った後に不器用な親の姿を紡ぐように知った後には虚無感にさいなまれる。
5.6年前に亡くなった私の祖父も似たような人で、どこか重なりながら観ていた。

挿入歌もあまりなく台詞の流れが自然で本当に会話しているみたい。 生きている時は見えてそうで実は見えてない家族。どこにでもあるような家族の風景。

劇中にタイトル再映しblank13の中身を問う。問われると考えるのが心理で、斎藤工はうまく使った気がする。
にっこり笑う高橋一生は出てこなかったけど、それ以上に意味のあるものを見せてくれた気がする。二人を取り巻く周りの配役も、豪華ながら作品に意味を持たせる重要なキャラクターばかり。(取り立て屋が手を合わせに来たのは少し気になった。これは普通の事なのか、それとも彼だったから手を合わせに来たのか。)

様々な家族の形がある中で、あえて言うとそこら辺にあるようなunfavorableな家庭を局所的に投影した映画。
だからこそ物凄くリアリティだしつまらないと言う人もいるかもしれない。

私はこういった究極なリアルが1作品になる事が素晴らしいと思うし、斎藤工という看板によって届けられればそれはそれでいいと思う。

#映画レビュー #映画 #斎藤工 #blank13

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?