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【雨の日は会えない、晴れた日は君を想う】

悲劇の予兆はノクターンから。

『何かを直す時は分解して見極めろ、
そして組み立て直す』お義父さんの言葉がキーワードの作品です。

目に見えるもので囲まれて、美しく整頓された生活に環境に当たり前のように過ごしたデイビスだが、妻を失って色々な自分の感情に気付いた。
知らない事がたくさんあったことも知る。全てを破壊、破壊、そして求めて解離してしまった自分の現在地を探していたのだろう。

妻を亡くしても出なかった感情は、まるで時差のように遅れて溢れてくる心情がラストに見えてくる構想が印象的だった。

〝なぜ奥さんと結婚したの?
わからない。簡単だったからかな。〟

fuck is nice
デイビスの指す意味はもしかしたら、射止めるに近いのかもしれない。だから多用して価値を下げてはいけないと。

男同士の体当たりで心のままにぶつかる感じ、超カッコいいし羨ましい。
決して親子でもなく血縁もないデイビスとクリスの関係性はきっとお互いにとって尊いものだったに違いない。少なくとも相互の人生においてキーパーソンだ。
全て見透かしている鋭い目つきと端正な顔立ちは、強い母を持つ幼少期のジョンコナーを思い出す。
心も体も傷ついたクリスは、これをきっと糧にしてまた一つ怖いほど大人になっていく。

ステキな言葉を紡ぐ人達の作品への評価が高かったので観たけど、私は正直、難しかった。
個人的には亡き妻が残したメッセージに気づく、よりも、カレンとクリスが彼をすくいあげたインパクトの方が強く残った。

多分、伏線が色々仕掛けてあったはずなんだけどこれが『少し合わない』感覚かもしれない。

調和の難しい作品との貴重な出逢いでした。
すごく嬉しい。


#映画レビュー #映画 #雨の日は会えない

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