God is watching【創作】

　はいこんにちわ。神さんです。
　人間さん、いつも拝んでくれてありがとさん。でも、わしがこうして神ですて自己紹介しても、これを読んでるあんたは信じられへんと思うわ。こんなん信じろ言う方が無茶なんやけど、あんたがホンマにエライ人間さんやから、特別にこうして手紙を書いてるんや。神さんの言葉は人間さんにはよう分からんかもしれん。けどな、言語っちゅうもんは何かを伝えるための手段でしかないねん。わしらの、ホンマもんの神さんの言葉はな、信心があったら、一人一人、ちゃんと読めるようになるねん。そこに言語は関係ないねん。これ大事やで。
　そんでな、あんたは毎日毎日、ホンマによく神さんを拝んでくれたやろ。わしらもこんな信心深い人間さんには、それなりの筋を通さなあかん。ちょっとだけ良い思いもさせてやりたい所やけどな、わしら神さんは平等なんや。あんたがけったいな罪を犯したのも、そんでちゃんと改心してわしらを拝むようになったのも、今はまだ全部が全部同じ所にある。ええか？　昔も今も、あんたはあんたがやった事と向き合っていかなあかん。なかった事にはできんのや。
　これからあんたはぎょうさん苦労する事になる。そりゃ死ぬほどエライ目にも遭うやろ。あんたはそれだけの罪を犯しとる。けどな、そこで腐ったらあかんのやで。
　何故かっちゅうとな、わしらがちゃんと見とるからや。あんたが苦労する所も、わしらを拝む所も。まるでお父ちゃんやお母ちゃんみたいに見守ったる。なんならじいちゃんやばあちゃんみたいに、かわええ嫁さんや子供らみたいに、わしらの所へ帰ってくるあんたを何時でも笑顔で迎えたる。そやから、あんたはあんたのやらなあかん事をしっかりこなしていくんやで。それがあんたの運命っちゅうもんなんや。
　あんたがしっかり運命を生き抜いたったら、わしらも感心して、あんたが背負った罪もキレイさっぱり無くしてやれるかもしれん。そやから希望は捨てずに、しっかりやりや。約束やで。
　神さんの言葉、ありがたく受け取ってな。
　ほな、これからも拝んでちょうだい。わしらは何時だってあんたを見とるからな。肝に銘じてや。