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医療の希望は『尊厳死宣言書』で伝えましょう【今から始めよう!生前整理】

「終末期の延命措置は望まない」
と尊厳死を希望する方もいらっしゃると思います。
いざという時に、自分がどう死を迎えたいかという問題を考えておくことはとても大事です。
自分の意識がハッキリしていれば、その時に自分の意思を口頭で伝えることができます。

ただ、もしその時に、意識不明や認知症など自分で判断ができない状態になってしまっていたとしたら……
そして、前もってご家族やパートナーの方などに自分の意思を伝えておいていなかったとしたら……
本人がどうして欲しいのかわからないと、周りの方も困ります。
結果として、自分が望んでいない延命措置をされることになったり、
また、延命措置をするかどうかで、ご家族やパートナーの方などに苦しい判断をさせてしまうことになるかもしれません(方針を巡って、家族で喧嘩になってしまうことも……)

そんな場合に備えて、
『尊厳死宣言書(リビング・ウィル)』を作成しておく方法があります。
この書類は、終末期における「自分の意思」を書いておくものです。
その中では、「延命措置を希望しない」ことを書いておく以外にも、
「痛みをとる緩和ケアはしてほしい」
「誕生日まではなんとかして生きたいので、そこまでは医療を希望する」
など、自分が希望することを何でも書いておくことで意思表明をすることができます。

なお、この宣言書は、自分でいつでも破棄・撤回することができますし、
書き方も決まった書式があるわけではなく、自由に書くことができます。
希望するケアやサポート方法などを具体的に書いておくと、より自分の意思が伝わりますので、希望があれば是非書いておきましょう。

参考として、私が先日書いた宣言書を掲載しました⇩

尊厳死宣言書_page-0001_LI

※「証人及び緊急連絡先」は、必要と思ったら、どなたかに書いてもらいましょう。

また、宣言書に信頼性や安全性を持たせたい場合は、「公正証書」として作成する方法があります。
そうすることで、より強い意思表明となります。
※任意後見人を選んでいる場合は、証人として、書面にサインや捺印をもらっておくと安心です。

もっとも大事なことは、この宣言書の存在をご家族やパートナーの方など周りの方に必ず伝えておくことです。
存在を知られていなければ無いのと同じですからね。
そして、その在りかも伝えておきましょう。
家の中なら、
保険証と一緒に保管しておく、とか
エンディングノートに挟んでおく、とか。
必ず見つけやすい場所に保管しましょう。

ひとり暮らしをしている方で、ご家族や特に親しい友人などが周りにいらっしゃらない場合は、かかりつけ医や看護師さんに伝えておくことがひとつの方法になります。
また、横須賀市など一部の自治体は、延命措置などの自分の意思を市役所に登録してもらう取組みをしています。

たった一度の大切な自分の人生。
自分の希望の実現のため、
これからの自分の人生の安心のため、
今できるうちに、『尊厳死宣言書』を用意しておきましょう。
これも大事な【生前整理】です!

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