見出し画像

noteに入社して、1年が経ちました

僕が株式会社ピースオブケイクに入社したのは2019年6月1日(初出社は6月3日)。ということで、この会社に転職して1年が経ちました。

この1年。本当にいろいろなことがありました。6倍速とかサバンナとか言われるカオスと狂乱の中、日々自信喪失と仲間たちの褒めの間でなんとか自我を保ちつつ、何にもない荒野に旗を立てつつ、カオスを整頓して見える化に努めているうちに、気が付いたら世の中にnoteを見出す機会が増えてきて、最後には謎の疫病が襲来するなか社名まで変わってしまっていた、という訳のわからない1年でした。

率直に言えば結構楽しかった、のではあるのですが濃厚だった1年をそれだけでくくるのもアレなので、一年の変遷を振り返ってみたいと思います。

来た時の状況

なんにもない。正確に言えば、あるけどない。何もない状況より、中途半端に何かがあって管理できていない状況の方が始末が悪いことを学びました。しかし、それが明らかにまずいのが認識されてたからこそ僕が入社したので、それはそれで覚悟していたことではありました。

予想外だったのは、全員がそんな会社の環境を自分ごととして考えていたこと。自分が指摘するまでもなくITに関する課題を肌感覚としてみんなが感じていたので、とにかく仕事がやりやすかったです。

入社すると同時にCFOとCTOが情シス業務に絡まれて動けなくなっていたのが見えたので、一個一個取り外して自分の持ち物とするところから始めました。よく見ると背負わなくていいものもあったりして、おお、ここは一つご挨拶がわりにプロの仕分けを見せちゃるけんね〜と密かに腕が鳴ったことを、もう時効だと思うので告白しておきます。

今の状況

入社時に目の当たりにしたカオスはだいたい飼いならせたかな、と思っています。いろんなものに名札と居場所を設定したし、いろんなスパゲッティをほぐしたし、端末は会社の管理下に置いたし、IDaaSを入れて次に進むための足場もできたし、SREエンジニアの助けを借りて情報資源へのアクセスに紐をつけることもできました。バックオフィスチームで連帯して、感染症の流行に乗じて新しい働き方の嚆矢を放てたし、オフィスとは別に新たにイベントスペースをつくるプロジェクトにも参加しました。(みんな、遊びにきてね!)

ただ、いいことばっかりでもありません。noteのグロースと並行して社内状況が激変する中、昨年末くらいから結構頻繁にポカをやらかす機会が増えてきたので、タコツボ化しないうちにやり方を根本的に変える必要に迫られました。

具体的には、今まで自分一人でやってきたことの仕組み化と、チームの構築です。仕組み化の反作用でいろいろと迷惑をかけることもありましたが、最近になってようやく運用が固まってきました。属人化が進みそうな匂いが漂っていたところからの方向転換だったので、本当に危なかったです。

また、つい最近新たなコーポレートITエンジニアを仲間として迎えることが決まり、チームとして本格的に始動できる道筋が立ちました。半年くらいかけてようやく決まったので、本当によかった。

これからと、noteのコーポレートIT

会社によって文化が違う以上、文化を反映するコーポレートITに絶対的な正解はありません。しかしこの会社に入って最初に志向した「ビルドアップを担う存在」として機能するためのベストプラクティスらしきものは一応存在していて、それを組織にマッチする仕組みとして、どう具現化していくかのチャレンジがこの1年で本格的に始まります。それを為すために必要なバックオフィスのメンバーも揃ってきました。

また、この状況においては日々カオスの萌芽が生まれてきてもいるので、自分を含めた個々人のクリエイティビティをキックしつつ、その仕組みの中でどうしたら諸々の破綻を防げるかという勝負もあります。

そういった攻守を包括する仕組みを引き続き作っていくのが僕の仕事です。ただ、noteというデザイン思考が細部に至るまで徹底された組織で機能させる以上は、単に作るにとどまらず、やはりその仕組みに美しさを求めたいと思っています。

そこで問いは進みます。仕組みの、そして機能の美しさとは何か。僕は、考え抜かれたシンプルさのことであると思っています。

かつて千利休が、一輪の朝顔を飾ることで秀吉を黙らせたように、考え抜かれたシンプルさは意図を感じさせ、圧倒的な説得力を持ちます。そして説得力は安心感を産みます。

できるかは正直わからない。それでもその境地を目指したいといつも思っているし、貴重な時間をベットする目標としても不足はないと思っています。仮に不格好なものであっても、仲間が背中を預けられるような仕組みを作るだけで、この会社のクリエイティビティがあれば、組織としてはきっと勝てる。けれど、そこに美学を伴わせることでようやく僕の勝ちと言える気がします。

またキリのいい頃にまとめます

書き始めた当初はふざけつつサラッと書き切るつもりでしたが、テーマがテーマだけあって、最後はガチ色が濃くなってしまいました。しかしここに書くことは所信表明でもあるので、このくらいでいいんだと思います。

今度振り返りをするのは3ヶ月後でしょうか、6ヶ月後でしょうか。1年3ヶ月はなんか収まりが悪いので今度は12月が良さそうですね。そこでお話しできることが少しでも増やせるよう、また頑張っていきたいと思います。

より長く走るための原資か、娘のおやつ代として使わせていただきます。